MGIMワークショップ|MGIMプロセス(検出・対話・翻訳・統合)をワークショップ形式で実施

研修の企画・実施

個別企業、支援団体や業界団体、ITベンダーの皆様の目的やご要望に応じて、研修の企画と実施をご支援します。

MGIM研修

ワークショップの全体像

MGIMワークショップの全体像です。検出・対話・翻訳・統合の順でワークショップを進め、各プロセスでの目的や成果物をご紹介しています。

MGIMが目指すのは、複数主体間に生じる意味の差異を「意味ズレ」として捉え、この意味ズレは「問題」ではなく「起点」として、異なる意味を認識し、その違いを活かしながら、協働可能な新しい意味を形成することです。

組織には、経営者、管理職、現場、営業、技術、スタッフなどの異なる立場があり、立場が異なれば同じ出来事に対する見方や価値判断が異なることは自然です。

問題となるのは、意味の違いが認識されないまま、意図や行動の違いとして表れ、組織の協働を阻害する場合です。

そのため、ワークショップ実施に当たっては、特に以下事項に留意してください。

  • テーマ(出来事)に関係する人たちに、できる限り参加してもらい、混成チームで実施する。
  • 役職や経験に関わらず、この場では全員対等に発言する。
  • 他人の意見を尊重し、否定しない。
  • ワークショップで表明された個人的な意見や経験が、参加者の人事評価や不利益な取扱いに直接利用されないよう、事前に運営ルールを明確にする。
  • ワークショップの位置づけを明確にし、実施後のフォローを継続する。
    特に、4.統合フェーズでの「新たに始める」「現状を止める」事項に関しては、経営陣や担当部門が検討結果を参加者に報告するように努める。
  • なお、意味ズレの背景要因を認知的・価値的・利害的・アイデンティティ的に整理しますが、対話を促進するためのMGIM上の分析カテゴリーであり、意味ズレを網羅的に分類する固定的な類型論を意図するものではありません。

    ワークショップの実施ガイド

    想定する参加者

    • 1チーム当たり5~6名
    • 経営陣、管理職、現場メンバー
    • 役職だけでなく、さまざまな部門で混成
    • 複数チームで実施できれば、最後にチームの結果発表を通して、結果に至った背景や議論内容を全員で共有できます。

    参考時間:240分(4時間)

    • 半日を想定した参考時間配分です。
      テーマ内容、議論を重視したい意向などに応じて、個別に調整してください。
    • 冒頭で趣旨説明、終了後の講評の設定に関しては、独自にご判断ください。
    • 15分:全体説明・テーマ設定
    • 45分:検出フェーズ
    • 50分:対話フェーズ
    • 10分:休憩
    • 50分:翻訳フェーズ
    • 50分:統合フェーズ
    • 20分:Meaning Gap Card発表・振り返り

    必要な備品(チーム当たり)

    • 赤色の付箋
      検出(意味ズレカード)で使用
    • 黄色の付箋
      翻訳(意味接続カード)で使用
    • 青色の付箋
      統合(新しい意味カード)で使用
    • 模造紙またはホワイトボード、マジックペン
    ファシリテーターの役割

    本ワークショップは、参加者の本音や対立を扱うため、進行役(ファシリテーター)の関わり方が成果を大きく左右します。

    • テーマに対して利害関係や強い個人的意見を持たない、中立的な立場の方が進行することを推奨します。
    • 各フェーズを通じて、否定・評価をせず、どんな意見にも一貫して中立的な態度で接してください。
    • 特に「統合」フェーズでは、時間が押しても多数決や安易な妥協に逃げず、複数の意味を保持した新しい意味の形成を粘り強く支援してください。
    • 初めて実施される場合は、社内の人事・経営企画部門など、当事者部門と直接の利害関係を持たない方が進行するか、外部のファシリテーターの起用をご検討ください。

    ワークショップの手順

    ワークショップの「1.検出」フェーズの目的と成果物、手順をご案内します。
    1.検出

    目的:テーマ(出来事)に関する意味の差異を言語化し、誰と誰の間に、どのような意味の違いが存在するのかを可視化する。

    成果物:意味ズレカード(意味ズレの検出)

    完了基準:異なる主体が形成している意味が具体的に言語化され、「誰が・何を・どのように意味づけているか」と、その間に存在する意味の差異が可視化されている。

    手順:本音を赤色の付箋に記入(1枚1項目)してボードに貼る。

    • テーマに関する率直な気持ち(本音)を記述する。
    • 本音をできるだけ多く書き出す。
    • 期待や懸念、重要だと思うこと、過去の経験、変えてほしいことなどの視点から書き出す。

    留意事項

    • ここでの「本音」とは、参加者がテーマについて形成している意味・解釈・期待・懸念などを率直に記述することを指す。
    • 表面的な言葉ではなく、思ったことの意味を明らかにする。
    • 意味の差異がどこに、誰との間で、どのような形で生じているのかを明らかにする。

    ファシリテーターの役割

    • 冒頭で、「ここで話す本音は、後で評価や人事査定に使われない」という運営ルールを、口頭でも明確に宣言する。
    • 「まず全員が黙って付箋に書く時間を確保し、発言の前に書く」という順序を徹底する。
    • 「本音が思いつかない」という参加者に対し、「期待・懸念・過去の経験・変えてほしいこと」という問いかけの切り口を、個別に提示して引き出す。
    ワークショップの「2.対話」フェーズの目的と成果物、手順をご案内します。
    2.対話

    目的:お互いの背景や立場、考え方の違いを理解し合う。

    成果物:背景要因カード(意味の相互理解)← 説明・理解と分類のみ

    完了基準:各主体が「なぜその意味を形成したのか」を相互に説明・理解できている。

    手順:赤色の付箋を4つのズレ要素に分類しながら、意味ズレの背景にある要素について対話を促進する。

    • テーマ(出来事)に関する解釈や前提、記述に至った背景や経緯を説明する。
    • 4つのズレ要素の内、どれに関係しているかを分類する。
      認知的ズレ、利害的ズレ、価値的ズレ、アイデンティティ的ズレ

    留意事項

    • 相手の意見を否定したり、反論したりしない。
    • 単なるコミュニケーションではなく、本音に至った意味を明らかにする。
    • 他者がなぜその意味を形成しているのかを理解し、お互いの会話を通して分類する。

    ファシリテーターの役割

    • 声のトーンや表情で暗に否定的な反応をしてしまう参加者が現れた場合には、対立を「理解の材料」に転換できるように介入する。
    • 4つのズレ要素(認知・価値・利害・アイデンティティ)への分類に迷うことがあれば、「これは、感じ方の違い(認知)なのか、損得の違い(利害)なのか」などと、平易な言葉で参加者と一緒に確認しながら進める橋渡しをする。
    ワークショップの「3.翻訳」フェーズの目的と成果物、手順をご案内します。
    3.翻訳

    目的:異なる主体が形成している意味やその背景を保持しながら、それぞれの意味を相互に接続可能な表現へ変換する。

    成果物:意味接続カード(意味の接続)

    完了基準:異なる意味の背景を保持したまま、相互に接続可能な表現に変換されている。

    手順:背景要因カード(赤色の付箋)を複数主体が相互に接続可能な意味表現に翻訳し、黄色の付箋に記入して貼る。

    • 「相手の立場だったら、なぜそう思うのか」を相手に理由や背景を説明してもらい、自分の理解を確認する。
    • 概念や言語を翻訳し、意味を相互に理解して、共通の言葉を記入する。
    • 個々の主体が形成している意味を、複数主体が相互に接続可能な表現へ変換する。

    留意事項

    • 情報伝達・解釈変換・意味変換などではなく、お互いが意味を理解する。
    • 相手の意味を、自らの立場との関係を含めて理解する。

    ファシリテーターの役割

    • 安易な妥協を許さず、「その言葉だと、AさんとBさんの両方の意味が本当に保たれていますか?」と、意味の具体性を保つ問いかけをする。
    • 単に想像してもらうだけでなく、実際に相手に語ってもらい、聞き手側が理解を確認するという、双方向のやり取りを丁寧に往復するよう進行する。
    ワークショップの「4.統合」フェーズの目的と成果物、手順をご案内します。
    4.統合

    目的:協働可能な新しい意味を形成する。

    成果物:新しい意味カード(協働可能な行動案)+意味に基づく協働行動案

    完了基準:複数の意味の重要要素を保持した新しい意味が形成され、参加者がそれを自分の立場から理解し、協働に活用できる方向性を共有できている。

    手順:共通の意味(黄色の付箋)を「新たに始める」と「現状を止める」に分類し、必要により集約して協働可能な意味を青色の付箋に記入する。

    • 協働を可能にする意味を定義し書き出す。
    • 新たな意味を実現する協働行動アイデアを書き出す。
    • 行動アイデアを、新しく始めること、現状の業務やルールを止めることに分ける。
    • 必要により複数の行動をまとめて再定義する。

    留意事項

    • 合意、妥協、同調、情報共有、意識統一ではなく、協働を可能とする新しい意味を形成する。
    • それぞれの意味の重要要素を保持し、それらを接続した新しい意味を形成する。
    • お互いが、新しい意味を自らの立場との関係で理解し、その意味に基づいた行動可能な方向性を形成する。

    ファシリテーターの役割

    • 時間管理と質の担保のバランスを取りながら、拙速な結論を避ける。
    • 止めることへの遠慮が見受けられたら、「止めることも、新しく始めることと同じくらい価値のあるアイデアです」と、積極的に発言を後押しする。
    Meaning Gap Card

    ワークショップの最終成果物または振り返り用として、シート(Meaning Gap Card)に整理することも効果的です。

    シートの項目(参考例)

    • テーマ(出来事)
    • 意味:自分にとっての意味、相手にとっての意味
    • なぜ違うのか
    • 理解と解釈:相手の意味をどう理解したか、相手の意味をどう解釈したか
    • 統合と協働行動:統合できる新しい意味、意味に基づく協働行動
    ワークショップの最終成果物または振り返りシート

    ワークショップの実施結果は、MGIM成熟度尺度(MGIM-MS)による自己評価にも活用いただけます。

    詳細 MGIM成熟度尺度

    ワークショップを実施しても意味の統合がうまく進まない場合の対処法は、「意味停滞への対策」ページで解説しています。

    詳細 意味停滞への対策

    本ワークショップを実施された組織様には、ワークショップに関するご感想や改善事項に加え、任意で匿名化した実施結果(検出された意味ズレの傾向、統合に至った件数など)をATY Japanまでご共有いただけますと幸いです。

    ワークショップの改善、MGIMの研究発展に活用させていただきます。

    ※ MGIMの研究・利用について
     意味ズレ統合モデル(MGIM)の著作権・名称の権利はATY Japanに帰属します。
     研究・教育等における引用・検討・発展的利用を歓迎します。(引用の際は出典を明記してください:八百幸 孝昌「意味ズレ統合モデル(MGIM)」ATY Japan)。
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