イノベーション
戦略の立案と推進だけでなく、その根底となる組織文化の醸成をご支援し、企業の持続的な発展に貢献します。
ご支援先の発展だけでなく、その関係者、さらには社会の発展に貢献します。
戦略とイノベーション戦略の融合
「戦略」と「イノベーション」は別物として扱うのではなく、同義にとらえています。
戦略は、「イノベーションが前提」でなくてはならないし、両者は融合し、一本化されなければならなりません。
そこで、企業が目指すべきことは「安定した、持続的な競争優位」ではなく、「連続する変化への対応」するこを、企業は目指すべきであると考えています。
- 激しい変化に対応するには、企業はライバルに先んじて新しい手を打ち、俊敏に、大胆に自身を変化させることが必要です。
- イノベーションは戦略の一部ではなく、イノベーションそのものが戦略となります。
連続する変化への対応
「安定した、持続的な競争優位」から
「連続する変化への対応」へ
現在の事業をデジタル活用で強化
競争優位を連鎖して獲得
- 組織文化、環境に合わせて変化する力を醸成
- 情報は、組織文化を企業の隅々にまで伝播
- オープンイノベーションで外部と融合
企業は、環境変化や競合などに対して競争優位を構築し続けて、持続的に発展していかなければなりません。
そのためには、事業機会を適切に捉えて、自社のコア・コンピタンスを展開していくことが必要となります。
- 自社のコア・コンピタンス(根)を明確にして、事業領域(土地)にしっかりと根を下ろす。
- コア・コンピタンス(根)からコア製品(幹)を育み、事業部門(枝葉)へと発展させる。
- そして、最終の製品・サービス(果実)として実らせ、適切なタイミングで市場へ展開する。
なお、事業領域から最終の製品・サービスに至るまでには、情報の流れが重要となります。
情報は、経営環境や事業領域に関する情報だけでなく、組織文化を企業の隅々にまで伝播する役割を担っています。
競争優位を連鎖して獲得
近年の環境変化の激しい状況においては、競争優位を獲得しても持続していくのは難しくなってきています。
そこで企業に求められるのは、「業績が落ちかけても、すぐに新しい対応策を打って業績を回復できる力(変化する力)」であり、「一時的な競争優位を連鎖して獲得する」ことが必要になります。
- 機敏性(アジリティ:agility)
課題に対する複数の対応策の中から、状況に応じて適切な対応策を素早く選択して、速やかに実行する。
- 回復力(レジリエンス:resilience)
激しい変化の中で、事態に迅速に対応し、適応するために、メンバーの能力を高め組織全体として向上させる。
不確実性の中でも事業機会を見出し、意図的にイノベーションの創出と実験を繰り返しながら、次の事業を創出していかなければなりません。
そのためには、デジタル技術を戦略的に活用して現在の事業を強化(狭義のDX:Digital Transformation)しながら、コア・コンピタンスを転用したり新たに創出したりして次の事業の芽を育て、競争優位を連鎖して獲得することが重要です。
なお、デジタル技術を戦略的に活用していくためには、IT化の延長線でデジタル化を捉えるだけでなく、より経営的な視点やビジネス指向で、しかも業界や国という垣根を越えた新たな視点からアプローチしていくことが必要です。
しかし、自社だけでイノベーションを創出することが難しい場合もあります。
その際には、オープンイノベーションにより外部の知識やノウハウを融合することも有効策となります。
企業文化に根差した進化
変革文化の定着
デジタル成熟度に応じた、けん引組織やサポート組織の存在が重要であり、事業部門のメンバーには企業文化に根差した進化が必要です。
- デジタルを特別なものと考えるのではなく、
- 絶え間ない変革とアジャイルな文化が根付いた組織で、
- 日々の業務の中で、当たり前のように顧客中心主義を実現するために連携・協力できる状態
イノベーションを既存事業の改善・変革ではなく、恒久的な人や組織の変革までを含めたものと捉え、組織文化に根差した取り組みでなければなりません。
イノベーションを特別なものと考えるのではなく、絶え間ない変革とアジャイルな文化が根付いた組織で、日々の業務の中で当たり前のように顧客中心主義を実現するために、社内外が連携・協力する状態になることです。
デジタル現代において成功していくためには、組織の人たちが継続的に学習し、適応し、イノベーションを創出して、競争優位を連鎖して獲得していくことが求められます。
参考
コア・コンピタンス(core competence)
- 他社に真似できない自社ならではの中核的な能力、競合他社を圧倒的に上まわる能力である。
- 3つの要件
顧客に何らかの利益をもたらす自社能力、競合相手に真似されにくい自社能力、複数の商品・市場に推進できる自社能力 - G・ハメルとC・K・プラハラードが1990年に提唱した概念
ケイパビリティ(capability)
- コア・コンピタンスがバリューチェーン上における特定の技術力や製造能力を指すのに対し、ケイパビリティはバリューチェーン全体に及ぶ組織能力である。
- コア・コンピタンスとケイパビリティは相互補完の関係にあり、企業の強みを別の観点から捉えたものといえる。
- BCGのジョージ・ストークス、フィリップ・エバンス、ローレンス E.シュルマンが1992年に提唱した概念
ダイナミック・ケイパビリティ(dynamic capabilities)
- 急速に変化するビジネス環境の中で、変化に対応するために内外の様々なリソースを組み合わせ続ける、企業固有の能力・ルーティンの総称である。
- 「センシングとサイジング(ティース型)」と「シンプル・ルール(アイゼンハート型)」
- 「センシング(sensing)」は事業機会や脅威を感知する力で、「サイジング(seizing)」はセンシングによって感知した事業機会を実際に「とらえる」ことである。
- 「シンプル・ルール」は、「変化が激しい環境下で企業がダイナミック・ケイパビリティを発揮するには、数を絞ったシンプルなルールだけを組織に徹底させ、後は状況に合わせて柔軟に意思決定すべき」という考え
センスメイキング(sensemaking)
- 組織のメンバーや周囲のステークフォルダーが、事象の意味について納得(腹落ち)し、それを集約させるプロセスである。
- 環境の感知、解釈を揃える、イナクトメント(行動で働きかける)
- ミシガン大学の組織心理学者カール・ワイクによって生み出された考え方
文化
- 共通の目標に向かって協働する方法であって、人びとが他の方法で物事を行うとは考えもしないほど非常に頻繁に、かつ首尾よく踏襲されてきたものである。
- ひとたび文化が形成されると、人は成功するために必要なことを自律的に行うようになる。
- 文化の注入は、組織内の人びとを同じ方向に引き寄せることにより、組織の一体性を強める。
特定の文化を持つ組織では、独特の物事のやり方が確立されている。
組織は概して、強力な文化の下で人びとが地位の違いをあまり意識せずに働けるとき、より大きな成果を上げられる。