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国内の電機8社の2012年度(2013年3月期、2012年4月~2013年3月)決算を整理します。
NECとソニーは対前年度増収増益となりましたが、他の6社は厳しい決算となりました。
特に最終損益では、富士通が1,156億円、日立が1,718億円、三菱電機が425億円、シャープが1,693億円の赤字となりました。
2013年度は、円安の影響や構造改革の効果などで、各社とも増益を見込んでいます。
電機とITの決算 ≫ 国内電機の2012年度(平成24年度)決算まとめ
2012年度通期の決算概況(売上と営業利益)は、以下の通りです。
NEC
- ・ITソリューション、キャリアネットワーク、社会インフラで増収となり、国内外で約1万人の削減などでコスト削減に寄与し、全体で増収増益となりました。
- ・2013年度は、国内の通信インフラ投資の減速、プラットフォームの案件縮小などで減収減益を見込んでいます。
富士通
- ・パソコンや携帯電話及びデバイスなどのハードウェアにおいて、特に国内での競争激化から減収となり、海外では欧州のインフラサービス低調も影響しました。
- ・2013年度は、円安効果、国内外のサービス及びサーバ事業の伸長、デバイス需要の回復を見込んでいます。
日立
- ・中国を中心として、昇降機事業の好調、電力システムの買収効果があったものの、ハードディスク事業の売却により減収となりましたが、赤字部門の縮小及びコスト削減で増益となりました。
- ・2013年度は、電力と高機能材料を除く部門で増収を見込んでいます。
東芝
- ・社会インフラと家庭機器の部門は増収増益となりましたが、液晶事業の譲渡、デジタルプロダクツやデバイスの不振が影響し、全体で減収減益となりました。
- ・2013年度は、デバイスの市場回復、買収効果などにより増収増益を見込んでいます。
ソニー
- ・ソニーモバイルの子会社化、金融と映画部門の好調により増収となり、資産売却も加わり営業利益全体は黒字となりました。
- ・2013年度は、放送用機器、一眼レフカメラ、ゲーム、スマートフォンなどの拡販を見込んでいます。
パナソニック
- ・エコソリューションとオートモーティブ部門で増収増益となりましたが、システムコミュニケーションズ部門の減収減益に加え、他部門の減収が影響して、全体では減収増益となりました。
- ・2013年度は、売上減収を見込んでいますが、固定費削減や円安効果などにより増益を見込んでいます。
三菱電機
- ・重電システム部門が増収増益となりましたが、産業メカトロニクス、電子デバイス、家庭機器が減収減益となり、全体でも減収減益となりました。
- ・2013年度は、電子デバイスの大幅回復をはじめ、全部門で増収を見込んでいます。
シャープ
- ・液晶及び太陽電池部門が増収したものの、AV通信機器部門の減収により売上全体では前年度並みとなりましたが、液晶部門の減益が影響して営業赤字となりました。
2012年度(平成24年度)
2012年度(平成24年度) 通期決算
2013.7.1 2012年度決算にみる国内電機各社の海外売上
- ・昨年からの円安傾向における営業利益への影響は、早くから円高対策を講じていた電機大手8社の合計は38億円の効果にとどまっています。
- ・各社の中期計画を見ても、社会インフラや製品など各社の注力事業は異なりますが、各社とも新興国を中心として積極的な海外展開を計画しています。
2013.5.21 富士通とNECの2012年度通期(2013年3月期)決算
- 富士通は5期連続の減収、NECは増収増益で3期ぶりの最終黒字
2012年度(平成24年度) 第3四半期と通期予想
2013. 2.14 国内電機の2012年度第3四半期決算と通期業績予想
- ・通期予想を前回予想から下方修正したのは、売上高では富士通と日立と三菱電機、営業利益では日立と三菱電機です。
- ・最終損益は、パナソニックとシャープに加え、富士通が赤字に転落する見込みとしています。
2013. 2.12 富士通の2012年度第3四半期決算、減収減益も構造改革に期待
- ・経常利益以外は前年同期を下回り第3四半期累積の純損益は901億円の赤字となり、通期予想も、前回予想から下方修正し当期純損益が950億円の赤字となる見込みです。
- ・しかし同時に発表した「攻めの構造改革」へ期待するところも大きいと感じました。
2013. 2. 5 シャープの2012年度第3四半期決算、5期ぶりに営業黒字
- ・第3四半期だけであれば全ての指標で前年同期を上回りましたが、累計では前年同期から下回っています。
しかし、5期ぶりに四半期で営業利益が26億円(前年同期は△237億円)となりました。
- ・今年9月までに新たに約2,000億の資金を捻出するためにも、本業回復を急がなければならないことも見えてきました。
2013. 2. 4 NECの2012年度第3四半期決算、4期ぶりに黒字化
- ・売上高、営業損益、経常利益、純損益の全ての指標において、前年同期を上回り4期ぶりに黒字となりました。
2013. 1.27 サムスン電子の2012年度決算 売上と営業利益とも史上最高
- ・通期の売上高は、前年比21.9%増の201兆1,036億ウォン(約16兆8,800億円)
営業利益は、同85.7%増の29兆493億ウォン(約2兆4,400億円)
- ・モバイルコミュニケーション事業が売上増に寄与し、全部門で前年から増益となり、売上高及び営業利益のいずれも過去最高を更新しました。
2013. 1. 9 サムスン電子2012年度決算予想(売上と営業利益、史上最高)
- ・通期の売上高は前年比約22%増の約201兆ウォン(約16.5兆円)、営業利益は、約86%増の約29兆ウォン(約2.4兆円)
- ・日本の電機の営業利益黒字を予想している7社を合計しても1.4兆円であり、サムスン電子の約2.4兆円にはかないません。
2012年度(平成24年度 第2四半期と通期予想
2012.11. 8 富士通の2012年度上期決算、海外不振で赤字
- ・第2四半期は、国内を中心に伸ばしましたが海外事業の落ち込み、売上が減収となり最終損益が赤字。通期予想も下方修正しています。
2012.11. 6 国内電機の2012年度上期決算と通期業績予想
- ・通期予想では、売上高はNEC以外の7社が、営業利益は5社が下方修正し、最終損益はパナソニックとシャープが赤字となる見込みです。
2012.11. 6 国内電機の2012年度上期決算と通期業績予想
- ・通期予想では、売上高はNEC以外の7社が、営業利益は5社が前回予想から下方修正し、最終損益ではパナソニックとシャープが赤字となる見込みです。
2012.10.28 NECの2012年度上期決算、増収増益で黒字化
- ・全ての指標において、前年同期比も今年7月予想も大きく上まり、中間期としては4年ぶりに黒字となりました。
2012年度(平成24年度) 第1四半期と通期予想
2012. 8. 4 国内電機各社の決算 2012年度 第1四半期と通期予想
- ・売上高ではソニーを除く7社が対前年同期比減収となり、最終損益では日立、パナソニック、三菱電機以外の5社が赤字となりました。
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