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昨日、サムスン電子から、2012年度の第4四半期と通期決算予想が発表されました。
- ・通期の売上高は、前年比約22%増の約201兆ウォン(約16.5兆円)
- ・営業利益は、約86%増の約29兆ウォン(約2.4兆円)
いずれも、1969年の創業以来の史上最高額で、IT関連企業の売上高ではアップルなどを上回り、3年連続で世界最高となる見込みのようです。
日本の電機8社の内、シャープを除く7社が営業利益黒字を予想していますが、その7社を合計しても1.4兆円であり、サムスン電子の約2.4兆円にはかないません。
サムスン電子の2012年の第4四半期(10~12月期)予想
- ・売上高は56兆ウォン(約4.6兆円)、営業利益は8.8兆ウォン(約0.7兆円)
営業利益は、4四半期続けて史上最高を更新
- ・スマートフォンが先進国と新興国ともに好調であったのに加え、携帯機器向け薄型パネルの底堅い需要が主な要因
- ・モバイル部門の利益は、第3四半期が5兆6,300億ウォン、第4四半期は微増
スマートフォンの主力機種「GALAXY S Ⅲ」の販売台数は、第3四半期1,800万台であったのに対し、第4四半期は若干の減少(「GALAXY Note」は好調を維持)
昨年のスマートフォン市場では、アップルは「iPhone5」のみの発売に対し、サムスン電子は37機種を提供しています。
昨日、当サイトでご紹介しましたが、米国スマートフォンのシェアでも、サムスンが26.9%で1位あったのに対し、2位のアップルは18.5%と差をつけています。
サムスンは、地域特性や消費者の嗜好に合わせ、性能や価格が異なる機種を投入し、さらにはセキュリティや信頼性を高めて企業ユーザーに展開するなど、今後もスマートフォン全体で業績好調を維持していくことと考えています。
日本の電機各社の業績
一方、日本の電機各社は、厳しい状況です。
第2四半期の決算とともに通期予想を発表していますが、売上では7社、営業利益では5社が下方修正し、最終損益では富士通と東芝が下方修正し、パナソニックとシャープが赤字となりそうです。
営業利益率でも、サムスン電子の予想が14.4%であるのに対し、日本の電機は2.0~5.5%という状況です。
単純に比較はできませんが、電機各社の構造改革の早期達成を期待しています。
また、サムスン電子の2013年度は、売上高は230兆ウォン、営業利益は37兆ウォンを見込んでいるようです。
今や世界でもトップクラスの企業となったサムスン電子ですが、韓国経済にも大きな影響を及ぼしていると考えています。
韓国の他企業の業績は詳細に確認していませんが、多くは厳しい状況にあると想像でき、韓国経済がサムスン電子に頼るところは大きいはずです。
逆に言えば、サムスン電子の業績が下降傾向に陥れば、韓国経済も減速する可能性を秘めていることになります。
日本の産業はバランスがとれているとは必ずしも言えないと思いますが、特に電機では現在の全滅に近い状態から数社でも抜け出して、自動車などの他産業とともに日本経済復活の一翼を担ってもらうことを期待しています。
補足
1月7日のブルームバーグ及びロイターのインタビュー記事によると、
- ・家電部門は、今後3年間で売上高が50%増えると見込んでいます。
一方、スマートフォンとテレビ、ディスプレーパネルでは、機能を増やした上位モデルに焦点を絞るとしています。
- ・冷蔵庫や洗濯機、オーブンなどを生産する家電部門の年間売上高を、2015年には180億ドル(約1兆5,800億円)に、2012年の120億ドルから増加させる見込みとしています。
特に低価格の中国製品との競争の中では、エネルギー効率や機能性及びデザイン強化を重視することで、販売増加と収益性向上を目指しているようです。
- ・また、薄型テレビの販売台数は、前年の5,100万台から5,500万台に引き上げることを目指しています。
- ・そして、医療機器部門については、今年の売上高が昨年の3億ドルから5億ドルに拡大すると予想し、MRIスキャナーやコンピューター断層撮影機のメーカー買収を通じて成長を目指す考えを示しています。
参考
Press relese(Samsung、2013年1月8日)
サムスン電子の業績関連
インタビュー記事
ブルームバーグ(Bloomberg.co.jp)、2013年1月7日
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スマートフォンの2012年米国シェアと2013年日本出荷予想(2013年1月8日)
電機とITの決算 ≫ サムスン電子2012年度決算予想(売上と営業利益、史上最高)
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