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国内の電機8社の2013年度第1四半期決算(2013年4月1日~6月30日)と通期予想が出そろいましたので、概況を整理します。
富士通、東芝、ソニー、パナソニック、シャープの5社は、前年同期に対して増収増益となり、NECと三菱電機は増収減益、日立製作所は減収減益となりました。
特に2012年度の営業損益で1,463億円の赤字を計上したシャープは、30億円の黒字となり、今後の業績回復に期待できそうです。
ここでは、NEC、富士通、日立製作所、東芝の4社について、2013年度第1四半期(2013年4月1日~6月30日)の各社の決算概要を整理します。
NEC
- ・パブリック事業やエンタープライズ事業が寄与して売上全体で増収となりましたが、テレコムキャリア事業などの売上減少に加え、成長領域への投資増加などの影響で営業利益全体では減益となりました。
- ・パブリック事業では官公庁及び公共向けが、エンタープライズ事業では流通・サービス業向けが堅調に推移したことにより、各部門売上は増収となりました。
- ・テレコムキャリア事業では海外通信運用ソリューションが増加したものの国内事業が減少し、システムプラットフォーム事業では前年同期にあった大型案件の影響により、各部門売上は減収となりました。
- ・携帯端末事業を見直し、スマートフォンの新規開発を中止し、現在販売中の機種をもって生産・販売を中止することを発表しました。
- ・通期決算予想につきましては、前回4月予想を維持しています。
富士通
- ・携帯電話やパソコンなどのハードウェア製品を中心に減収となりましたが、システムインテグレーションが伸長して、売上全体では増収となりました。
海外は北米向け光伝送システム需要の回復などにより22.8%の増収(為替影響を除くと3%の増収)、売上比率は41.6%となりました。
- ・テクノロジーソリューション事業では、サーバ関連の新製品の立ち上げ遅れやネットワークプロダクトの前年同期並み、インフラサービスは伸び悩みましたがシステムインテグレーションが製造や金融及び公共向けなどで拡大したため、部門売上は増収となりました。
- ・ユビキタスソリューション事業では、個人向けパソコンの市場縮小、スマートフォンでは通信キャリアの販売方針見直しなどにより、部門売上は減収となりました。
また、携帯電話やパソコンの販売減や円安による調達コスト増などにより、営業利益が大幅減益となりました。
- ・デバイスソリューション事業では、LSIはデジタルAVや産業機器向けは減収となりましたが、スマートフォン向けが増収ととなり、部門全体では増収となりました。
- ・通期決算予想につきましては、前回4月予想を維持しています。
日立製作所
- ・社会産業システムや情報通信システムなどは増収となりましたが、電力システム、建設機械、電子装置・システム部門が前年同期を下回り、売上全体は減収し営業利益も減益となりました。しかし、為替差益の計上や持分法損益の改善などにより、税引前純利益は増益となりました。
- ・情報通信システム部門ではサービス売上増や為替影響など、社会産業システム部門では中国を中心とした昇降機が好調に推移し、オートモーティブシステム部門では北米や中国市場の回復、デジタルメディア民生機器部門では海外の空調機器や白物家電が伸長したことにより、各部門売上は増収となりました。
- ・電力システム部門では原子力発電システムの予防保全の大幅減、電子装置システム部門では半導体製造や医用分析装置などの売上減、建設機器部門ではアジア向けマイニング機器の減少などにより、各部門売上は減収となりました。
- ・通期決算予想につきましては、前回4月予想を維持しています。
東芝
- ・デジタルプロダクツ部門が減収となりましたが、電子デバイスや社会インフラ部門を中心に増収となり、売上全体は増収となりました。
また営業損益は、円安の影響でデジタルプロダクツや家庭電器部門が減益となりましたが、電子デバイス部門の大幅な増益により、営業利益全体は増益となりました。
- ・デジタルプロダクツ部門では欧米で続くテレビなどの不振に加えパソコンの販売減などにより減収減益、家庭電器部門では白物家電の復調ににより増収となりましたが円安の影響で営業利益は減益となりました。
- ・電子デバイス部門ではメモリ販売の大幅増により増収増益、社会インフラ部門では原子力発電の好調に加え自動車向け事業の増加により増収となりました。
- ・通期決算予想につきましては、前回5月予想を維持しています。
2013年度第1四半期決算(2013年4月1日~6月30日)
電機各社の決算発表
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