パナソニックの2021年度(2022年3月期)の通期決算は増収増益、くらし事業は減益も他事業は好調

パナソニックの2021年度(2022年3月期)の通期決算は増収増益、くらし事業は減益も他事業は好調

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パナソニックの2021年度(2022年3月期)通期決算

パナソニックが、2021年度(2022年3月期:2021年4月1日~2022年3月31日)通期決算と2022年度(2023年3月期)通期業績予想を発表しましたので、概況を整理します。

2021年度の売上収益は、情報通信向けや車載関連の伸長、インダストリー、エナジーの販売増に加え、ブルーヨンダーの新規連結などにより、全体では前年度比10%(6,900億円)増の7兆3,888億円となりました。

調整後営業利益は、くらし事業での原材料高騰やブルーヨンダー買収時の「資産・負債の再評価」に伴う影響などの一時的なマイナス要因があったものの、価格改定の取組みやインダストリー、エナジーの増販益などにより、前年度から505億円増の3,577億円(営業利益は、同989億円増の3,575億円)となりました。

親会社の所有者に帰属する当期純利益は、前年度から902億円増の2,553億円となりました。

2022年度予想は、売上収益は需要の回復等により大きく伸長し、特に自動車生産の増加を見込むオートモーティブ、航空需要の回復を見込むコネクトが大幅増収となり、全体では前年度比7%(5,112億円)増の7兆9,000億円となる見通しです。

調整後営業利益は、エナジーが4680セル開発などの将来の成長に向けた費用の増加により減益となるものの、全体では同223億円増の3,800億円(営業利益は、同25億円増の3,600億円)となる見通しです。

パナソニックの2021年度(2022年3月期)連結業績

パナソニックの2021年度(2022年3月期)通期決算

売上収益は、情報通信向けや車載関連が伸長したインダストリー、エナジーの販売増に加え、ブルーヨンダーの新規連結もあり、増収となりました。

くらし事業とオートモーティブが前年並みとなっていますが、コネクト、インダストリー、エナジーが増収したことにより、全体では前年度比10%(6,900億円)増の7兆3,888億円となりました。

調整後営業利益は、くらし事業での原材料高騰やブルーヨンダー買収時の「資産・負債の再評価」に伴う影響などの一時的なマイナス要因があったものの、価格改定の取組みやインダストリー、エナジーの増販益などにより、前年度から505億円増の3,577億円(営業利益は、同989億円増の3,575億円)となりました。

親会社の所有者に帰属する当期純利益は、前年度から902億円増の2,553億円となりました。

セグメント別の業績

セグメント別では、くらし事業が増収減益となった他、オートモーティブ、コネクト、インダストリー、エナジーの4セグメントは増収増益となっています。

くらし事業
売上収益は前年度比3%増の3兆6,476億円、調整後営業利益は前年度から485億円減の1,371億円

  • ・売上収益は、日本のルームエアコン・冷蔵庫・洗濯機等は、前年の巣ごもり需要の反動があったものの、成長事業である欧州の空調、海外電材、洗濯機・冷蔵庫等の中国家電や北米の食品流通は堅調に推移し、商材としては増収。
    一方、他セグメントの商材が減販となり、全体では前年並み。
  • ・調整後営業利益は、海外での増販益や価格改定、各事業での合理化などを進めたものの、前年の日本での巣ごもり需要の反動に加え、原材料高騰や部材調達課題の影響が大きく、また一時費用の計上もあって減益。

オートモーティブ
売上収益は前度年比1%増の1兆671億円、調整後営業利益は前年度から116億円増の23億円

  • ・売上収益は、第1四半期に自動車生産の回復があったものの、第2四半期以降は自動車減産の影響を受けて前年並み。
  • ・調整後営業利益は、半導体などの部材高騰、輸送費用の増加はあったものの、コストダウンに加え、前年度に充電器の一時費用を計上したことで増益。

コネクト
売上収益は前年度比13%増の9,249億円、調整後営業利益は前年度から111億円増の148億円

  • ・売上収益は、EV・情報通信インフラの好調を受けた実装機や欧米を中心としたプロジェクターの増販に加え、ブルーヨンダーの新規連結影響により増収。
  • ・調整後営業利益は、ブルーヨンダー買収時の「資産・負債の再評価」に伴う影響はあったものの、実装機・プロジェクターの増販益やアビオニクスの収益改善により増益。

インダストリー
売上収益は前年度比15%増の1兆1,314億円、調整後営業利益は前年度から424億円増の867億円

  • ・売上収益は、産業用モータ、情報通信インフラ・車載用コンデンサ、EVリレーなどの増販により増収。
  • ・調整後営業利益は、半導体不足や原材料高騰の影響を増販益や価格改定・合理化などでカバーして増益。

エナジー
売上収益は前年度比27%増の7,644億円、調整後営業利益は前年度から304億円増の682億円

  • ・売上収益は、旺盛なEV需要を背景に、前年のコロナ影響からの反動増や北米新ラインの稼働もあり、車載電池が大幅増収に加え、データセンター向け蓄電システムなども伸長して増収。
  • ・調整後営業利益は、原材料高騰の影響や増産に伴う固定費増はあったものの、車載電池・蓄電システムの増販益や合理化・価格改定などの取り組みにより増益。

2022年度(2023年3月期)の通期決算予想

パナソニックの2022年度(2023年3月期)通期決算予想

半導体・部材不足は改善傾向にあるが、ロシア・ウクライナ情勢もあり、原材料高騰の影響は拡大すると想定しているものの、需要の回復により、全体で増収増益を見込んでいます。

売上収益は、前年度比7%(5,112億円)増の7兆9,000億円となる見通しです。

  • ・オートモーティブ、コネクトで需要が回復、インダストリーとエナジーは、好調が継続する見込み。
  • ・半導体・部材不足は、代替品の調達なで改善傾向にあるものの、コネクトでは影響が継続する見込み。
  • ・原材料や物流費の高騰は、価格改定等によって軽減を図るものの、くらし事業とエナジーで影響が残る見込み。

調整後営業利益は、前年度から223億円増の3,800億円(営業利益は、同25億円増の3,600億円)となる見通しです。

  • ・営業利益は、売上成長による1,100億円増益の他、固定費は将来の成長に向けた投資などで400億円の減益。
  • ・原材料・物流費高騰は、ロシア・ウクライナ情勢を考慮して影響の拡大を見込み1,800億円の減益、これに対して価格改定の取組みを継続効果950億円を含む合理化で1,350億円の増益。
  • ・前年の一過性のマイナス要因からの改善で123億円増益、為替は人民元に対する円安の影響が大きくなることから150億円の減益、その他損益で198億円の減益。
セグメント別の業績予想

セグメント別では、くらし事業、オートモーティブ、コネクト、インダストリーの4セグメントが増収増益、エナジーが増収減益を見込んでいます。

くらし事業
売上収益は前年度比2%増の3兆2,320億円、調整後営業利益は前年度から35億円増の1,350億円

  • ・売上収益は、成長事業である欧州の空調や海外電材、海外家電等に注力して増収。
  • ・調整後営業利益は、海外での増販益、エレクトリックワークス社における部材調達課題からの一部回復に加え、原材料高騰に対する価格改定・合理化の取り組みにより増益。

オートモーティブ
売上収益は前年度比19%増の1兆2,700億円、調整後営業利益は前年度から156億円増の180億円

  • ・売上収益は、自動車生産の回復を見込んで増収。
  • ・調整後営業利益は、半導体などの部材高騰、輸送費用の増加に加え、生産増や経営体質強化への投資により固定費が増加するものの、増販益やコストダウンの推進、部材高騰に対する価格改定等の取組みにより増益。

コネクト
売上収益は前年度比18%増の1兆900億円、調整後営業利益は前年度から223億円増の380億円

  • ・売上収益は、市場が回復基調のアビオニクスに加え、プロジェクターなどの伸長、ブルーヨンダーの通年での連結化影響により増収。
  • ・調整後営業利益は、アビオニクスなどの増販益により増益。

インダストリー
売収収益は前年度比1%減の1兆1,200億円、調整後営業利益は前年度から93億円増の960億円

  • ・売上収益は、情報通信や車載向けなど、自社製品は増販の見込みも、他セグメント商材の減販により前年並み。
  • ・調整後営業利益は、原材料高騰の影響はあるものの、自社製品の増販により増益。

エナジー
売上収益は前年度比10%増の8,480億円、調整後営業利益は前年度から158億円減の550億円

  • ・売上収益は、引き続き需要拡大が見込まれる車載電池、データセンター向け蓄電システムなどの増販により増収。
  • ・調整後営業利益は、前年度4四半期以降の原材料急騰に対して価格改定・合理化で改善を図り、下期に向けてその影響の改善を見込むものの、年間では悪化となり、これを増販益でカバーするも4680セル開発など将来の成長に向けた費用の増加により減益。

その他、主なトピックス

2021年度営業利益に対するマイナス影響は、年間で1,600億円であったのに対し、価格改定440億円を含めた合理化で1,213億円のプラス効果があったとしています。

  • ・原材料費高騰の影響はマイナス1,500億円、物流費の高騰の影響はマイナス100億円。
  • ・原材料費高騰の影響のうち約2割をエナジーが占め、原材料価格高騰の影響を最も受けているのが白物家電などを担当している「くらし事業」であり、影響額の半分強を占めた。

2022年見通しの営業利益に対するマイナス影響は、年間で1,800億円としていますが、価格改定の取組みを継続した効果950億円を含む合理化として1,350億円のプラスを想定しています。

2021年度通期決算と2022年度予想

国内電機8社の2021年度通期決算と2022年度通期予想

参考:電機各社の決算発表

富士通 株式会社(2022年4月28日発表)

日本電気 株式会社(2022年4月28日発表)

株式会社 日立製作所(2022年4月28日発表)

株式会社 東芝(2022年5月13日発表)

ソニー 株式会社(2022年5月10日発表)

パナソニック 株式会社(2022年5月11日発表)

三菱電機 株式会社(2022年4月28日発表)

シャープ 株式会社(2022年5月11日発表)

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