富士通とNECの中期経営計画の結果 | 富士通のFujitsu UvanceとNECのBluStellarともに目標を達成

富士通とNECの中期経営計画の結果 | 富士通のFujitsu UvanceとNECのBluStellarともに目標を達成

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富士通とNECの中期経営計画

富士通とNECの決算資料を参考にしてATY-Japanで作成

4月28日、富士通とNECが、2025年度(2026年3月期)通期決算と2026年度(2027年3月期)通期業績予想を発表しました。

富士通とNECの両社は、国内市場を中心にDXおよびモダナイゼーション商談が力強く伸長し、営業利益は過去最高益を更新しました。

また両社は、2025年度(2026年3月期)を最終年度とした中期経営計画を展開してきました。

中期経営計画では、富士通はサービスソリューション事業を重点事業とし、その成長エンジン(事業ブランド)をFujitsu Uvance(2021年10月7日発表)、NECはITサービス事業を重点事業とし、その成長エンジン(事業ブランド)をBluStellar(2024年5月30日発表)に位置付けています。

富士通のFujitsu UvanceとNECのBluStellarともに、中期経営計画の目標を達成しました。

そこで、富士通のFujitsu UvanceとNECのBluStellarの概要、両社の中期経営計画の結果を整理します。

富士通とNECの2025年度通期決算

富士通とNECの2025年度通期決算

富士通とNECの決算資料を参考にしてATY-Japanで作成

富士通とNECの2025年度通期決算(連結)は、両社ともに構造改革の影響を除くと増収増益となりました。

富士通は、前年同期に対して減収増益となりました。

  • ・国内のUvanceとモダナイゼーション商談が伸長したサービスソリューションが増収増益となりましたが、ハードウェアとユビキタスの両セグメントの減収増益が影響しました。
  • ・調整後営業利益率は、2020年度の6.6%から2025年度には11.2%へと拡大し、サービスソリューションでは、6.0%から15.4%へと2倍以上に伸長して過去最高益を更新しました。
  • ・売上収益の前年比は 1.3%減ですが、再編などを除く実質ベースでは 0.9%増であったとしています。

NECは、前年同期に対して増収増益となりました。

  • ・国内のパブリック増収とBluStellar中心の収益性が向上したITサービスが増収増益したのに加え、社会インフラの航空宇宙・防衛が大幅に増収したのが貢献しました。
  • ・売上収益は法人向けPCの販売機能の移管や低収益ハードウェア事業の撤退などの影響を除いた実質ベースで 9%の成長であったとしています。
  • ・Non-GAAP営業利益率は11.1%となり初めて2桁に到達し、2期連続で最高益を更新しました。
■2025年度(2026年3月期)通期決算:富士通

売上収益は、前年同期に対して 471億円(1.3%)減の 3兆5,030億円

調整後営業利益は、前年同期に対して 833億円増の 3,906億円
(対売上比率は、前年同期比 2.5%改善して 11.2%)

親会社の所有者に帰属する調整後当期利益は、前年同期に対して 573億円増の 2,983億円

■2025年度(2026年3月期)通期決算:NEC

売上収益は、前年同期に対して 1,593億円(4.7%)増の 3兆5,827億円

調整後営業利益は、前年同期に対して 997億円増の 3,868億円
(対売上比率は、前年同期比 2.4%改善して 10.8%)

Non-GAAP営業利益は、前年同期に対して 859億円増の 3,972億円
(対売上比率は、前年同期比 2.0%改善して 11.1%)

親会社の所有者に帰属するNon-GAAP当期利益は、前年同期に対して 541億円増の 2,798億円

富士通の中期経営計画の結果

富士通の業績推移

富士通の中期経営計画と決算資料を参考にしてATY-Japanで作成

2025年度は中期経営計画の最終年度でしたが、注力事業であるサービスソリューション事業は増収増益となりました。

売上収益が前年同期比 1,009億円(4.5%)増の2兆3,469億円、調整後営業利益は同 714億円増の 3,614億円でしたが、事業再編などを除く実質ベースでは、売上収益は前年同期比 5.6%増、国内では同 8.3%増であったとしています。

国内市場を中心にUvanceおよびモダナイゼーション商談が力強く伸長したとしています。

富士通の中期経営計画とFujitsu Uvance

富士通のFujitsu Uvance

富士通の中期経営計画と決算資料を参考にしてATY-Japanで作成

2023年5月24日に発表した、2025年度を最終年度とする中期経営計画では、Fujitsu Uvanceを成長のドライバーとして、サービスソリューションを中心に全社の収益性拡大を目指しきました。

社会課題を起点として、クロスインダストリーでお客様の成長に貢献するデジタルサービスを提供するとして、社会課題を解決するクロスインダストリー4分野(Vertical)と支える3つのテクノロジー基盤(Horizontal)を定めています。

  • ・Vertical:Sustainable Manufacturing、Consumer Experience、Healthy Living 、Trusted Society
  • ・Horizontal:Digital Shifts、Business Applications、Hybrid IT

2025年度通期のFujitsu Uvanceの売上収益は、計画値 7,000億円に対して前年同期比 47%増の 7,093億円(売上構成:比 30%)となりました。

Fujitsu Uvance売上収益の年度推移
  • ・2022年度(実績):2,000億円(V 150億円、H 1,850億円)、構成比 10%
  • ・2023年度(実績):3,679億円(V 1,163億円、H 2,515億円)、構成比 17%
  • ・2024年度(実績):4,828億円(V 1,752億円、H 3,076億円)、構成比 21%
  • ・2025年度(実績):7,093億円(V 2,968億円、H 4,124億円)、構成比 30%
  • ・2030年度(目標):1兆5,000億円

2030年度に向けては、サービスソリューション全体の半分近いものを、(Fujitsu Uvanceのような)オファリングのポートフォリオで占め、グロスマージン率を拡大していきたいとの考えを明らかにしています。

なお、Uvanceの売上収益は、できれば2027年度には1兆円に、2028年度には確実に到達することになるとし、2030年度は少なくとも1兆5,000億円は達成したいとしています。

現在の2倍以上の規模となり、サービスソリューションの売上収益の50%を占めることになります。

NECの中期経営計画の結果

NECの業績推移

NECの中期経営計画と決算資料を参考にしてATY-Japanで作成

2025年度は中期経営計画の最終年度となりますが、注力事業であるITサービス事業は増収増益となりました。

売上収益が前年同期比 491億円(2.0%)増の2兆5,089億円、調整後営業利益は同 849億円増の 3,367億円でした。

売上収益は、国内はパブリック領域の旺盛な需要を取り込んで大幅増収(実質+9%)したのに加え、BluStellarを中心とした売上増が貢献したとしています。

NECの中期経営計画とBluStellar

NECのBluStellar

NECの中期経営計画と決算資料を参考にしてATY-Japanで作成

「BluStellar(ブルーステラ)」は、2024年5月30日に発表した価値創造モデルです。

「BluStellarによって、以前から進めてきたDXの取り組みを強化し、新たな価値創造に向けて、お客さまのビジネス変革を加速させ、2025中期経営計画の達成に向けた成長エンジンに位置づけており、DX事業をさらに加速することになる」と位置づけています。

また、構想策定をはじめとしたコンサルティングから、サービスデリバリー、運用、保守に至るまで、すべてのビジネスプロセスにAIをフル活用し、「先端テクノロジーを集約し、AI技術とセキュリティをキーテクノロジーに位置づけて展開する。従来型のSIビジネスから進化し、顧客価値を最大化するValue Driverとなり、NECのDX事業を強化していくことになる」としています。

BluStellarの競争優位性は3つあるとして、検討段階から導入・運用開始・定着まで、すべてのフェーズでお客さまに寄り添うことで、お客さまのDXを着実に推し進めています。

  • ・AIを駆使したコンサルティングによってお客さまが取り組むべき経営課題を特定し、課題解決のためのデジタル戦略に落とし込む戦略立案力
  • ・デジタル戦略に基づく実践段階では、NECの技術力と実装ノウハウ
    自社開発の生成AI「cotomi」や、デジタルインフラの安全性確保に貢献するセキュリティなど、 研究開発段階から手掛け、自ら実践してきた技術をお客さまのシステムに落とし込むことで、課題解決のための最適解を提供する。
  • ・お客さまの自走力の向上に貢献する組織・人材の力
    DXを推進し、その効果をしっかりと得るためには、現場レベルでの継続的な実践が必要不可欠となり、DX人材の育成・教育プログラムの提供などを通じ、お客さま自身がDXを使いこなすために必要となる人材育成や体制整備を支援する。

2025年度通期のBluStellarの売上収益は、計画値 4,935億円に対して前年同期比 30%増の 7,050億円(Non-GAAP営業利益は同 358億円増の 1,020億円)となりました。

BluStellarの年度推移
  • ・2023年度 実績
    1. 売上収益:3,758億円
    2. Non-GAAP営業利益:225億円、利益率:6.0%
  • ・2024年度 実績
    1. 売上収益:5,424億円(対前年度+44.3%)
    2. Non-GAAP営業利益:663億円(同+438億円)、利益率:12.2%(同+6.2%)
  • ・2025年度 実績
    1. 売上収益:7,050億円(対前年度+30.0%)
    2. Non-GAAP営業利益:1,020億円(同+358億円)、利益率:14.5%(同+2.3%)
  • ・2026年度 計画
    1. 売上収益:8,400億円(対前年度+19.1%)
    2. Non-GAAP営業利益:1,430億円(同+410億円)、利益率:17.0%(同+2.6%)
  • ・2030年度 目標
    1. 売上収益:1兆3,000億円
    2. Non-GAAP営業利益率:25%

エンドトゥエンドで顧客課題を解決するシナリオビジネスが、データドリブン、モダナイゼーション領域を中心に順調に拡大し、期初の計画に対しても売上、利益とも大幅に上回っているとしています。

2030年度の目標達成に向け、AIを活用したさらなるシナリオ拡大、採算性改善に継続的に取り組むとしています。

富士通とNECは、2026年度(2027年3月期)から新たな中期経営計画を開始します。

富士通は、これまでは3年単位で経営計画を定めてきましたが、2026年度からは、2035年度までの10年間をとらえた経営ビジョンを定め、その実現に向けて取り組むことを明らかにしています。

その基本方針は「2026年度からは、テクノロジーをコアに、スピードと規模を一層追求し、顧客や社会とともに成長する企業になることを目指す」としています。

NECは、2025年度では現中期経営計画を完遂しつつ、次の5~10年の成長のための仕掛けを施してきたとしています。

デジタル・ガバメント/デジタル・ファイナンス(DGDF)領域は市場の近くで「世界のDX」のビジネス機会を機動的に広げ、再編で生まれたNESICホールディングス(株)の力を最大化するために機能統合・強化を進めるなど、グループ力を活かして「日本のDX」を推進しています。

次期中期経営計画の方針は明らかにしていませんが、得意領域におけるグローバルトップ層の位置づけを確立していき、そう考えると「企業価値10兆円」「Non-GAAP営業利益率15%」という水準も視野に入ってくるとしています。

富士通とNECの今後のイベント予定

富士通

  • ・中期経営計画 説明会:2026年5月28日(木)
  • ・IR Day:2026年9月(予定)

NEC

  • ・中期経営計画 説明会:2026年5月12日(木)16:30~18:00
  • ・IR Day:2026年6月1日(月)13:30~15:30

参考

中期経営計画について(PDF) | 富士通 株式会社(2023年5月24日発表)

Fujitsu Uvance | 富士通

「Fujitsu Uvance」ビジネスについてのメディア向け説明会 | 富士通(YouTube)

2025中期経営計画(PDF) | 日本電気 株式会社(2021年5月12日発表)

BluStellar(ブルーステラ) | NEC

新ブランド「BluStellar」発表!NEC DX事業戦略説明会2024 ダイジェスト | NEC(YouTube)

関連情報(当サイト)

電機とITの決算

2026.04.30 富士通とNECの中期経営計画の結果

2026.04.29 2025年度通期決算と2026年度通期予想:NEC

2026.04.28 2025年度通期決算と2026年度通期予想:富士通

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