同族企業のコーポレートガバナンス

同族企業のコーポレートガバナンス

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約8年前にコンサルとしてIT化を支援させて頂いた企業の当時窓口であった方と5年ぶりにお会いしたとき、その会社が今大変な状況であることを聞きました。

その会社は、地域の伝統産業である呉服卸売企業の中でも由緒ある有名企業で、創業以来、世襲により事業を継承しており、代々堅実経営により現在に至っています。

5年前に息子(現在48歳)に事業を継承されましたが、銀行勤務であった現社長の経営姿勢に対して取締役の反感が増し、さらにメインバンクの監督機能も低下していた事もあり、総務部長の数億円の私的使用の不祥事が2年前に発生したそうです。

現在、メインバンクから派遣された社外取締役と税理事務所変更により事業建て直しをされています。

特に中小企業等は経営者及び同族の株式保有割合が高く、経営者の権限が大きい傾向にあります。

これに対して取締役会の監督も十分機能できない状況です。

そこで「中小企業等のコーポレート・ガバナンスの充実策」のポイントは、以下であると私は考えます。(詳細は機会をみて改めてまとめます)

1.経営者の意識改革

経営者が自ら積極的にコーポレート・ガバナンスに関わる諸問題に対応していく姿勢、さらにその姿勢を企業文化として浸透させていく。

2.目的の明確化

コーポレート・ガバナンスの充実は、当該企業の経営課題や経営目標、発展段階、組織の成熟度等に照らし合わせながら、具体的な目的意識を確立し全社で共有する。

3.ステークホルダーの明確化と経営内容の情報開示

多様化したステークホルダーの中で、特に誰に働きかけるべきか、関係するステークホルダーを想定した対応をとる。

4.外部資源の有効活用と多角的な経営情報の収集

コーポレート・ガバナンスを実現するためには、意思決定に当たって多角的な経営情報の収集が不可欠です。これには情報を開示した先からのフィードバックを活かす仕組み作りの他、外部資源の活用が有効です。

以上の充実策を実現し、コーポレート・ガバナンスを高めるための制度・仕組みとしては、「取締役会の機能強化」と「メインバンクの役割強化」が特に重要であると考えています。

私も支援させて頂く企業に対し、コーポレート・ガバナンスに対する理解を高めるとともに、態勢の維持向上を支援する事に努めていきたいと考えています。

そのためには、私自身も外部コンサルタントとして、支援先の企業活動における経営情報の収集と分析に基づいた適切な戦略的アドバイスができる様に自己の能力向上に努めていきます。

中小企業におけるコーポレートガバナンス

2004.12. 8 中小企業のコーポレートガバナンス(1)

中小企業等におけるコーポレート・ガバナンスの特徴と重要性

2004.12. 8 中小企業のコーポレートガバナンス(2)

中小企業等のコーポレート・ガバナンスの充実策

2004.12. 8 中小企業のコーポレートガバナンス(3)

取締役会の機能強化策

2005. 2. 8 中小企業のコーポレートガバナンス(4)

メインバンクの役割強化策

2005. 3.13 同族企業のコーポレートガバナンス 

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