書籍 スタートアップ・ウェイ(The STARTUP WAY)/エリック・リース(著)

書籍 スタートアップ・ウェイ(The STARTUP WAY)/エリック・リース(著)

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スタートアップ・ウェイ
予測不可能な世界で成長し続けるマネジメント

エリック・リース(著)、井口 耕二(翻訳)
出版社:日経BP社(2018/5/24)
Amazon.co.jp:スタートアップ・ウェイ

  • チームも会社もなぜ停滞するのか
    トヨタ、GMが注目するシリコンバレー起業家の革新メソッド

    『リーン・スタートアップ』著者の最新作!

関連書籍
 2021年11月18日 ジム・コリンズ『ビジョナリー・カンパニーZERO』日経BP (2021/8/19)
 2021年02月22日 山川 恭弘『起業家の思考と実践術』東洋経済新報社 (2020/10/16)
 2021年01月20日 田所 雅之『起業大全』ダイヤモンド社 (2020/7/30)

本書は、前著『リーン・スタートアップ』が30を超える言語で翻訳版が出版され、100万部のベストセラーの著者が、成長の源をみつけられる組織のつくり方、価値ある製品イノベーションを推進する構造のつくり方、やりがいが大きくなる仕事の組み立て方をまとめた一冊です。

『リーン・スタートアップ』の手法を大きな組織に応用した際に出てくる問題を解決するための応用編で、「スタートアップ」と「大企業」という両極端のように言われてきた両者に変革を求めるものです。

前著がイノベーションから継続的イノベーションへの転換を提唱したのに対し、本書は変革はもとより継続的な変革を実現していくことを目的としています。

ビジネスリーダの方々にとって、自分自身がどの様な役割を果たすべきなのかを改めて気付かせてくるとともに、本書の新たな枠組みを活用することで、長期的な成長と柔軟性が得られる持続的な変革が可能なシステムを生み出すことができそうです。

本書は3部11章で構成されており、

2011年に『リーン・スタートアップ』刊行以来6年間、多くの組織がこの手法を採用していく中で、著者も世界中のあらゆる規模の組織と一緒に仕事をしてきた結果得られた手法が語られています。

第1部では、

  • ・不確実な領域において「スタートアップ」が新たな仕事の原子単位になることを確認した上で、どの様にして組織内にスタートアップのポートフォリオを作る条件を整えていくのかが解説されています。
  • ・先進的な企業になるにはどういうことなのかを検討し、生き残り、未来に向けた長期ビジョンを体現するのに必要なアントレプレナー的構造が明らかにされています。

第2部では、

  • ・「スタートアップ・ウェイ」のやり方が具体的に整理されています。
  • ・「リーン・スタートアップ」で提唱されたコンセプトに、その後新たに生まれたものを加え、新しいプロセスと旧来の仕組みの衝突をどの様に管理するか、組織内のあらゆる階層でアントレプレナー的な創造性が発揮できる新文化を醸成するための責任の仕組みとプロセスの選択肢をどの様に用意すればいいのか、そして人事や採用、開発をどの様に変えるべきかについてまで言及されています。
  • ・そして、新しい働き方を財務面から支援する「革新会計(Innovation Accounting)」について、プロセスとメカニズムが詳細に解説されています。

第3部では、

  • ・変革プロセスが完成した後はどうなるかについて語られています。
  • ・スタートアップ・ウェイの最終的な目標は、組織を継続的変容の状態にして、環境がどの様になろうと発展できるようにすることとして、提唱する構造を社会が直面する問題や政策に適用したらどうなるかについてまで論じられています。

なお、第1章「真の先進企業とは?」では、「古くさい企業」と「先進企業」との比較がありますので、自身の組織と比べて評価することができます。

さらに第4章では、前著「リーン・スタートアップ」のポイントが整理されていますので、その内容を改めて復習することもできます。

ここ何年かで、私は、まったく異なると普通なら思う組織がほとんど同じ課題に直面していると気づき、驚く経験を繰り返してきた。

そして、そういう組織のリーダーや創業者といろいろな話をしてきた結果、現代の組織は、由緒あるところも新しいところも、繁栄するために必要な能力が欠けていると思うようになった。

新しい製品やビジネスモデルをすばやく試す能力、社員に創造性を発揮してもらう能力、何度も何度も革新を繰り返す能力(そのプロセスを厳しく適正に管理する能力も含む)が欠けていて、成長と生産性の新たな源をみつけられずにいるのだ、と。

スタートアップ・ウェイを支える5原則

スタートアップ・ウェイでは、アントレプレナーシップをひとつのマネジメント原則ととらえ、組織構造や評価、資源配分などの枠組みと考える。

今のマネジメントは計画と予測によるが、スタートアップ・ウェイは速さと不確実性を前提としており、速ければ速いほど、不確実であればあるほどうまく行く。

1.継続的イノベーション
必要なのは、組織の上から下までの様々な人材と創造性を活用し、新たなブレークスルーを見つける方法である。

2.スタートアップが仕事の原子単位
継続的なイノベーションを繰り返し、新たな成長の源を手に入れるためには、実験のできるチームが必要である。
このチームは社内スタートアップであり、他とは異なる組織構造で支えなければならない。

3.欠けている機能
組織のエコシステムに追加したスタートアップは、従来の手法と相入れない新しいやり方で管理する必要がある。

4.再創業
創業間もない企業であっても歴史の長い企業であっても、組織の構造を大きく変えるのは、企業を新たに創業し直すに等しい。

5.継続的変容
再創業を実現するためには、新たな課題に直面するたびに組織のDNAを書き換える能力という、新たな能力が必要である。
変容のやり方を会得すれば、その後、何度でも変容できるはずだし、変容を繰り返すべきである。

真の先進企業とは

先進企業とは、社員一人一人がアントレプレナーとして考え行動することが可能な会社であり、根本的には社員とそのアイデアを尊重する。

規律規制がしっかりとしており、中核事業をきっちり遂行でき、同時に不確実な状況に対処できる起業マネジメントのツールが用意されている。

古臭い企業先進企業
・指示命令の経営管理によって
 安定した成長をすることが基本
・四半期決算などにより短期的なパフォーマンスを
 高めるという強い圧力にさらされている。
・継続的イノベーションによって、
 世の中に衝撃を与え続けることが基本
・長期的な成果を重視する。
・専門家が機能部門というタコツボにこもった形
・部門同士が、
 ステージゲートやウォーターフォールと
 呼ばれてる仕組みにより、
 中間目標を指定してプロジェクトをやり取りする。
・機能横断チームが多く存在
・それらが協力して、反復型の科学的なやり方で
 顧客のためになる仕事をする。
大がかりなことをしたがる。 実験をすばやく繰り返す。
社内部門の目的
細かく定められた手続きの順守で
 リスクを小さくする(法務、IT、財務など)
社内部門の目的
顧客に満足してもらうという目的を
 社員が果たせるように支援する。
・不確実なプロジェクトについても、
 ROIや従来型の会計基準手法、
 市場シェアで優先順位をつける。
成否を計るため、
 プロジェクトチームが追跡・共有するのは、
 いい状態だと見せるための数字で、
 この数字から真実が見えるとは限らない。
・将来、「衝撃」を世間に与えられる可能性が
 なるべく高くなるように、
 また、その衝撃がなるべく大きくなるように
 する。
・プロジェクトチームが報告するのは、
 「革新会計」による指標である。
・出席者が半ば他の事を考えている会議や審議など、
 マルチタスクの山である。
・中間管理職や専門家など、
 実行に責任を持たないにもかかわらず
 口を出したがる。
・ほとんどの社員も、多くのプロジェクトに
 創造力や勢力を分散せている。
・ひとつのプロジェクトに全身全霊で
 打ち込む少数の社員による社内スタートアップ
・小さなチームで、さっと実験して、
 成果を大きくする。
 「大きく考える。小さく始める。
 すばやく拡大する。」
マネージャーとその部下で構成されている。 リーダーと、リーダーに権限を委譲された
 アントレプレナーで構成されている。
・プロジェクトが「的確」であることを求め、
 費用がかさみ時間のかかる巨大プロジェクトを
 推進しがちである。
・財源は給付型で、毎年ほぼ同額である。
・多くの小さな実験で構成される
 ポートフォリオを追い求めるとともに、
 当りに集中することで失敗のコストを
 引き下げようとする。
・財源は計量的で、
 成功しそうだと証明できれば資金が増える。
・効率とは、全員がいつも忙しいことを指す。
 そのため、効率よく間違ったものを作り、
 「失敗を達成」してしまうことが多い。
・効率とは、必要であれば手間をいとわず、
 顧客のためになるのは何かを把握する
 ことを指す。
・「失敗という選択肢はない」を信じる会社で、
 マネージャーは隠蔽で失敗をなかったことにする
 技に長けている。
・「失敗をチャンスととらえる」と
 口では称賛したりするが、
 それとまったく異なるメッセージが報酬や昇進、
 評価から発されている。
・適切な方向転換につながったり、
 有益な情報がもたらされたりする生産的な
 失敗に報いる。
参入障壁で、競争から守られている。 継続的イノベーションで、ライバルに
 後塵を浴びせ続けている。

課題を解決する新しい組織機能

創造的でエネルギッシュな人々に、望むプロジェクトをきっちりと遂行できる仕組みを与え、成果に応え、スキルを評価する。

アントレプレナーシップ機能を追加することにより、実験を奨励する環境を生み出せる。

  • ・アイデアを試し、文化に組み込むことのできる環境
  • ・想定外を追い求める情熱が疎まれるのではなく、体系的に活用される環境
  • ・拒まれるのではなく支えられる環境

1.適切な責任を伴う形で、実験空間を生み出す。

2.投資利益率(ROI)がわからない状態でも、プロジェクトに資金を投入する。
無益なプロジェクトに無駄金を費やすことなく、証拠と実験とビジョンに基づいて投資をする。

3.自主性を持つチームの中間目標を設定する。
予測が正確にできない状況でも、使える中間目標を設定する。

4.スキルとしてアントレプレナーシップが身につく能力開発やコーチングを提供する。
アントレプレナーとしての能力を伸ばす助言などをするメンターを内部に用意する。

5.「社内起業家だ」と社員に思ってもらえる仕組みを、社内外に用意する。
不確実でリスクが大きく、みんなが嫌がるプロジェクトに社内起業家をたきつける仕組みをつくる。

6.インセンティブや昇進の新しい仕組みを用意する。

変革のロードマップ

少人数のチームに社内スタートアップとして活動させ、実用最小限の製品(MVP)を作っては顧客に売ってみて、結果を確認する。

それらを全体的な仕組みとして機能させていくには、実験、ピボット、学びの仕組みを社内の隅々にまで、社員全員に浸透させる。

スタートアップにおけるインセンティブで重要なのはお金とは限らない。
仕事をする人と結果を一蓮托生にする、運命をともにしていると感じてもらうことも大事である。

既存の製品や組織の仕組みに応用しただけでは、スタートアップ・ウェイ採用が真に成功したとは言えない。
一番大きなインパクトが得られるのは、その考え方ややり方を組織のDNAにしっかり焼き込んだときである。

変革に向けた3つのフェーズ

1.実験、適応、解釈によって基礎をつくる時期

  • ・クリティカルマスと呼ばれるレベルまで成功談が積み重なり、新しいやり方が実行可能であることが実証され、大きな変化が可能になるまでの時期
  • ・データの収集、将来果たすべき大きな役割を準備する。
  • ・スタートアップ・ウェイを自社の文化に合うよう解釈する。

2.スケールアップと展開を進める時期

  • ・フェーズ1ではっきりっした手法をスケールアップして全社に広げていく時期
  • ・様々なところから文句や抵抗が噴出するが、政治的力で乗り越える。
  • ・組織内で勢力を拡大し、フェーズ3の難しい課題に対処できるだけの政治力を確保する。

3.組織の根幹をなす深層の仕組みに切り込む時期

  • ・再創業
    有象無象のひとつだった組織が、永続するしっかりした組織に変わる時期
    成長し、管理の文化を導入する時期
  • ・変革を継続できる組織的能力を醸成する。
  • ・組織深層の仕組みを変えることで、イノベーションを支え、長期にわたって価値を生み出して会社が長生きできるようにする。
革新会計

組織を変革し、仕事のやり方を変革するには、会計も変革しなければならない。

変革会計とは、普通の会社で使われている評価基準(売上、顧客数、ROI、市場シェアなど)が全てほぼゼロのとき、前進度合いが評価できる手法である。

  • ・スターアップ同士を同じ基準で比べ、継続投資すべきものを選ぶことができる。
  • ・将来のキャッシュフローという形で学びを定量化でき、株式持ち分に直結させることもできる。

「イノベーションフィールド」でチームがどこまで進んでいるのかを追跡することができるスコアカードとして使える。
将来に得られる可能性のある利益について正味現在価値(NPV)を計算する場合、成功の規模は考慮するがその実現準備は考慮しない。

3つのレベル

  • 1.ダッシュボード
    顧客の行動がどう変化したのかを見る。
    (コンバージョンレート、顧客一人当たりの売上・生涯価値・コスト、定着率、紹介率など)
  • 2.ビジネスケース
    レベル1を掘り下げる。
    ダッシュボードの評価基準と事業計画から導きかれた仮説とが一対一で対応、価値仮説と成長仮説を必ず入れる。
  • 3.正味現在価値
    データが得られるごとにビジネスケースを再計算し、学びをお金に換算する。
    進み具合を刻一刻とチェックできるフィールドが得られる。

規模の大きい革新会計:ビンゴカード方式

  • ・組織が進めるイノベーションプロジェクト全てを同じ言葉で表現できるようになるし、責任の基準もひとつにまとめられる。
  • ・実験を進めていくときには、チームレベルから事業部、そして企業という3段階のスケールを考える。
  • ・そして、実践、行動の変化、顧客インパクト、財務インパクトという4段階の時間的な進歩も考える。

継続的変革のエンジン

変革の規模が拡大したときになすべきなのは、創業者とスタートアップチームを改めて用意し、新たな変革を始めることである。

試し、実験し、学ぶ。
新しいやり方が、それまでより優れているのか、優れているならどう優れているのかを検証しする。
実験の結果次第で、既存のシステムに新しいやり方を組み込んだり、全く新しいシステムに作り替えたりする。

周囲の環境に適応するよう組織を「進化」

すごく特殊なリーダーシップ
変革を進めるリーダーは、現状に最適化することでキャリアを築いてきた経験豊富な人々の反感に対処しなければならない。

大胆な実験
環境に自分たちはどう対応するのか、自分たちはどういう組織になるのか、一般的な枠組みの外側で見つけなければならない。

会社全体を隅々まで変えようという思い切りの良さと、それを実現できる瞬間まで待つ忍耐力
大きくなり過ぎる、膨れ過ぎる、早く進み過ぎるなどのミスを回避しつつ、小さな実験でその瞬間の到来が早まる可能性を追求する。

一番実現が難しいタイプの機能横断的な協力体制
競合するであろう機能の新設に、機能リーダーの協力を取り付けることで、タコツボ化した機能間の壁を壊し、旧敵同士が共闘できるようにする。

アントレプレナーシップの統一理論

1.アントレプレナーシップ機能の担当者を決める。

2.担当者を単なる未来信者とするのではなく、責任を持って業務を推進する立場とする。

3.アントレプレナー型人材のキャリアパスとパフォーマンス開発プロセスを用意する。

4.複数の柱をカバーするクロストレーニングをアントレプレナーに提供する。

5.組織全域でアントレプレナーシップを醸成するため、研修、指導、支援、コーチング、ベストプラクティスなどを提供する。

6.アントレプレナーではない社員の教育も行う。
変化を推進する役割を担わない人々にも、アントレプレナー的な仕事のやり方を身に着けてもらう。

7.企業全体の方針を決定する際、ゲートキーパーなどの他の機能と同じテーブルにアントレプレナーシップ機能も座らせる。

最近の企業は四半期ごとに厳しく社員を査定することが多いが、そういう会社ののほうがさっと実験してスケジュールの短縮を図るはずだと思うかもしれない。

逆だ。短期の圧力がかかると、四半期で終わるものはなんでも測定可能でなければ困る。

(略)

そのやり方がいまも効果的であるかどうかなど考えもせずに、長期プロジェクトのチームに適した責任の仕組みがないのも、短期の予測性を重視する企業の欠点である。

本書が提唱する新たな枠組みを活用すれば、このジレンマを乗り越え、長期的な成長と柔軟性が得られる持続可能なシステムを生み出せるはずだと私は考えている。

我々は、この不確実な未来に向けて準備を整えておかなければならない。

私の提唱する組織図がマネジメントの終着点でないことは、本書でくり返してきたとおりだ。
こうすれば万事解決というマネジメントの万能薬でもない。
あくまで、進化の種を内包した出発点である。

組織構造そのものについて実験をくり返せば、技術面のブレークスルーを活用して組織をもつとパワフルにできるはずだ。
そのためには、アントレプレナーシップを社員全員に求める必要がある。
驚くようなアイデアがどこで生まれるかなど、わかるはずもないからだ。

(略)

リーダーシップの喪失はマネジメントの劣化に直結するし、マネジメントが劣化すれば成長も低くなることが調査で確認されている。

だから、未来に対応できるマネジメント手法を開発し、広めなければならないし、私としては、そのなかに本書で訴えたようなアントレプレナー的システムを入れたいと思う。

まとめ(私見)

本書は、先行きが予測できない、これまでのやり方は通用しない、輝いていた企業でも数年で衰退してしまう現代において、GEやトヨタなどの先進企業も採用している仕組みについて解説した一冊です。

組織、社員の思考、人事制度も変革していく様を、生々しい事例とともにスタートアップ・ウェイの実行方法が手にとるように理解できます。

特に、大企業になっても成功し続けるため実践的な取り組みを研究し、それらを零細企業や非営利組織にも展開できるようにしているところに特徴があります。

そして、その仕組みを機能させていくために、リーダとしてどの様な役割を果たすべきなのかを提言していますので、ビジネスリーダの方々にとって多くの気づきが得ることができます。

『リーン・スタートアップ』が出版されて以降も、アドバイスを求められた多くの大企業で問題に直面し、協力して解決してきた成果がまとめられています。

シリコンバレーの構造や仕組みを企業に適用しようとするものですが、スタートアップのような小さな組織でうまく行ったやり方が、必ずしも大きな組織でそのまま適用できるわけではなく、その工夫が随所で提案されています。

アントレプレナー的リーダーが育つような構造とインセンティブを用意する。
アントレプレナーシップが、企業の文化となり、組織やメンバーのDNAとなる。

従来的な枠組みと、イノベーションと相性がよい起業の枠組みの良いところを組み合わせた多くの提案があり、組織を生まれ変わらせるためのヒント満載の一冊です。

目次

はじめに

自己紹介
欠けている能力を身につける
スタートアップ・ウェイを支える5原則
本書について
長期的思考にいたる道

第1部 先進企業

第1章 過去を尊重し、未来に投資する――先進企業の構築

不確実な市場
マネジメントポートフォリオ
従来型マネジメントツールが不確実性を苦手とする理由
失敗にはどう対処すればいいのか
会社の「成長」形式を変える
リーダーの役割
アマゾンの失敗に学ぶ
遺産に着目する
トヨタに欠けている仕組み
真の先進企業とは?

第2章 アントレプレナーシップ――いまの組織に欠けている機能

アントレプレナー機能
秘密のネットワーク
欠けている組織機能

第3章 スタートアップの精神状態

「すべてはチーム」
小さなチームが大きなチームに勝つ
チームの中核には機能横断的構造が存在する
プロジェクトは顧客が出発点
シリコンバレー型スタートアップに特徴的な財政構造
先行指標に注目する
計量型財源でリスクを管理する
取締役会と投資家の関係が鍵
能力主義の信奉
実験と反復の文化
スタートアップを駆動するのはミッションやビジョン
アントレプレナーシップというキャリアパス

第4章 リーン・スタートアップの教訓

リーン・スタートアップの仕組み
米教育省がリーン・スタートアップを実践
リーン・スタートアップのツールとプロセス
リーダーにとってのリーン・スタートアップ

第5章 大規模イノベーションのマネジメント方法

どうすべきなのか
マネジメントの基礎は責任
新しい組織の形
変革の成果

第2部 変革のロードマップ

第6章 フェーズ1─クリティカルマス

シリーズX─「この予測が正しいと思う人は手を挙げてください」
フェーズ1─共通パターン
変革のエネルギー
シリーズXの成功がGEをどう変えたか

第7章 フェーズ2─スケールアップ

フェーズ2─共通するパターン
ファストワークスのフェーズ2
魔法のような復活劇

第8章 フェーズ3─深層の仕組み

エアビーアンドビーの再創業
飛行機を作る
10ページが1ページに
ゲートキーパー機能を後押し機能に変える
全社的なイノベーション
スタートアップ・ウェイで文化的順応を進める
最後にもうひとつ

第9章 革新会計

命取りの一言
革新会計─どういうものか
革新会計の3レベル
規模の大きい革新会計─「ビンゴカード方式」
成長委員会とは?
成長委員会の運営方法
会社レベルの成長委員会

第3部 大局的見地

第10章 アントレプレナーシップの統一理論

企業内アントレプレナーシップ
アントレプレナーシップの統一理論
継続的変革

第11章 アントレプレナーシップを支援する社会政策をめざして

政策の話であって政治の話ではない
アントレプレナーになる動機
人材の育成
失業保険とスタートアップ
零細事業用の貸し付け
ユニバーサルベーシックインカム
スタートアップ向けの規制緩和
長期株式取引所

おわりに 新たなる市民宗教

研究手法について
ディスクロージャー
謝辞
訳者あとがき

補足資料2 MVPカタログ

補足資料1 参考資料

参考

What does it really mean to manage entrepreneurially?
How companies can keep their 'start-up DNA': Eric Ries

How companies can keep their 'start-up DNA': Eric Ries from CNBC.

Learn to create a modern company, the Startup Way.

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