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The Intelligent Sales
AIを活用した最速・最良でクリエイティブな営業プロセス
今井 晶也(著)
出版社:翔泳社 (2024/4/25)
Amazon.co.jp:The Intelligent Sales
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「営業×AI」の新時代が到来
どんな業種、どんな相手、どんあプロダクトにも適用できる「究極の営業手法」とは?
劇的な業務効率化が可能に!
関連書籍
2024年11月06日 川上 エリカ『レベニューオペレーション(RevOps)の教科書』翔泳社 (2024/9/25)
本書は、営業やマーケティングフェーズにおいて様々なサービスを展開している株式会社セレブリックスの執行役員カンパニーCMOの著者が、営業活動のプロセスを生成AIやデジタルを活用することで、インテリジェント(知性的)でスマートな営業活動を実行するためのアドバイスをまとめた一冊です。
株式会社セレブリックスは、営業代行、営業研修、営業コンサル、営業採用代行などありとあらゆる「営業」に関わる業務を行う企業で、その中で著者は、営業総合研究所の所長およびセールスエバンジェリストとして、法人営業・法人購買・営業とAIの実務に関する研究を行っている、多くの知識と経験を持っている方です。
その著者が、法人営業の直販を中心に、生成AIの活用に関する考え方や新しいセールスプロセス設計を具体的に示していますので、営業の方々だけでなく、営業プロセス改革を推進するリーダーの方々にとって、旧式の営業プロセスをスマートに磨き上げるうえで大変参考になります。
本書は7章で構成しており、営業が生成AIを活用した「インテリジェントセールス」を実現する方法を解説しています。
- ・第1章では、未来から逆算して今を見据えた時に、生成AIとどう向き合うべきかを判断することが必要であるとして、取り巻く生成AIと営業の実態を紹介しています。
- ・第2章では、生成AIは営業にとって正しい「サプリメント」であるべきとして、生成AIを営業活動で利用するメリット7つを詳細に解説したうえで、生成AIの得意・苦手を明らかにし、生成AIを有効活用できる4つの条件と活用するうえでの5つの留意点を示しています。
- ・第3章では、生成AIを活用したセールスプロセスのリエンジニアリング(再構築)は営業生産性を向上させるポテンシャルを秘めているとして、「インテリジェントセールスプロセス」の全体像を紹介し、各プロセスにおける活動を旧来型セールスプロセスと対比しながら詳細に示しています。
- ・第4章では、AIとは会話の「ラリー」であり、継続的なやり取りを行うことが重要であるとして、欲しい情報を引き出すための14種類のツボに加え、生成AIとの対話ラリーの応酬、拡散・深掘り・収束に向けた質問を具体的に示しています。
- ・第5章では、リーダーの役割は生成AIを活用したインテリジェントセールスの実証実験を繰り返し、「正しい提言」をもって組織を導くことが求められるとして、AI活用組織になるための段階的な目標の描き方を示しています。
- ・第6章では、手法論だけを切り取るのではなく考え方や向き合い方を学び、抽象度を高めて営業組織やセールスプロセスに活用すべきとして、生成AIの活用によって「AIパフォーマー」の育成や「インテリジェントセールスプロセス」の導入が成功するよう先駆者の取り組みを2パターン紹介しています。
- ・第7章では、「知的でスマートな営業」は必ずしも近道ばかりではなく、一見遠回りに見える行動や姿勢の先にも存在するとして、AI時代に「あなたから買いたい」と選ばれる理由となる、情緒的な部分や人情的な考え方を示しています。
生成AIで実現できる営業の改革は、あまりに可能性に溢れ、未来的でした。
生成AIが出す回答、示唆、アドバイスはどれも「プロ顔負け」の営業ノウハウで彩られ、営業支援会社のセレブリックスが26年間こしらえたきた営業のノウハウや秘伝の技術と似たようなアウトプットが、生成AIによっていとも簡単にされていく様子に、開いた口がふさがらなかったのです。
生成AIとインテリジェントセールス
生成AIとは
生成AIとは、ジェネレーティブAIとも呼ばれる人工知能の一種である。
テキスト・音声・動画・画像・コードなど、様々なコンテンツを生成できるAIを指す。
単純な質疑に対応するだけでなく、物語や作品・アイデアの提案に至るまで、クリエイティブな成果物を出力できる。
生成AIの活用はビジネスシーンにおいて、業務効率や壁打ち相手、アイデアの創出など、幅広い活用シーンと多くのメリットが期待できる。
主な生成AI
ChatGPT
- ・自然な対話形式でAIがテキストなどを生成するサービスで、世界中に生成AIブームを引き起こした立役者。
- ・元々はテキスト系の生成AIを得意としていたが、短期間でバージョンアップや進化を繰り返し、イラストなどの画像も生成可能。
Copilot
- ・Microsoftが提供する最新の検索エンジン(以前はBing)。
- ・ChatGTP-4を搭載し、ユーザーは一部無料でGTP-4の恩恵を受けられる。
Copilot for Microsoft 365
- ・Excel、Word、PowerPoint、teams、OutlookなどのMicrosoftの基本シリーズに生成AIが実装されたもの。
- ・Wordで生成したテキストを基にPowerPointのスライドを生成するなど、Microsoftシリーズ内で互換。
Gemini
- ・Googleが提供するAIチャットサービス(以前はGoogle Bard)。
- ・「Bard」から使用している大規模言語モデル「Gemini」へ名称を変更することにより、核心技術である大規模言語モデルを中心にしたブランド認知と理解を向上。
インテリジェントセールス
『The Intelligent Sales』を参考にしてATY-Japanで作成
生成AIを営業プロセスに取り入れた営業活動、知的でスマートな営業活動を「インテリジェントセールス」と呼ぶ。
営業活動に生成AIを駆使した活動を行う人を「(セールス)AIパフォーマー」と呼ぶ。
生成AIを有効活用できる主なビジネスシーン(場面)
- ・動画やテキストなど、特定のコンテンツを作成する。
- ・従来のSaasやICTサービスに、生成AIが実装されたものを利用する。
- ・リストアップやターゲティングで、生成AIに受注や商談企業のデータを分析させ「今、アプローチすべき会社」をレコメンドさせる。
- ・テンプレ営業からの脱却として、「なぜ今」「なぜあなたに」「どのように役に立てるのか」というトークスクリプトのキーワードを選定する。
- ・提案書作成で、相手先の属性やビジネスモデル、想定ニーズへの仮説さえあれば、トークスクリプトを個社ごとにアレンジする。
- ・商談後のフォローメールで、メール文章作成、まだ聞けていない情報のピックアップと次の商談での確認事項をリストアップする。
- ・「買われなかった」というマーケティングデータを分析し、セールスプロセスにおけるターゲティングや訴求トーク、ツールを改善する。
営業にとっての価値は、お客様の購買活動にとって最良なパートナーであることに価値を置くべきなのです。
このように、市場感で受動的に「価値が上がってしまった」のではなく、正しいあり方や正しい技術を身に付けた、ホンモノ営業職が増えていくことが私の理想です。
そうした先に、クリエイティブでインテリジェンスな営業活動を推進できる人が増えていき、「営業って優秀だし、なんかカッコいい」という世界観を築きたいと考えています。
それが「Sales is Cool」構想であり、私のスローガンなのです。
まとめ(私見)
本書は、営業活動のプロセスを生成AIやデジタルを活用することで、インテリジェント(知性的)でスマートな営業活動を実行するためのアドバイスをまとめた一冊です。
法人営業の直販を中心に、生成AIの活用に関する考え方や新しいセールスプロセス設計を具体的に示していますので、営業の方々だけでなく、営業プロセス改革を推進するリーダーの方々にとって、旧式の営業プロセスをスマートに磨き上げるうえで大変参考になります。
本書では、生成AIを営業プロセスに取り入れた営業活動のことを、知的でスマートな営業活動として「インテリジェントセールス」と呼んでいます。
一方、現段階で即座に生成AIが営業パーソンに取って代わるという考えは時期尚早としています。
生成AIを活用して営業活動をインテリジェント(知性的)でスマートにする部分と生身の人間の方が効果的な部分との融合が必要であると思います。
本書では、営業という職業における「役割」を整理して、どの「役割」で生成AIを活用できるのか、さらには業界別に求められる営業スキルの違いを示してくれています。
そして、営業という職業は、お客様と向き合っている純粋な時間よりも、社内会議や社内業務、提案書や見積書作成といった対人対応以外の作業時間が多いのが実態で、自分の仕事は生成AIに奪われるのではなく、「生成AIを使える同僚」に奪われていくのかもしれないと警告しています。
さらに、自分のスキルは業界や職種を変えても持ち運び可能な「ポータブルなスキル」なのか、特定分野で輝く「専門スキル」なのかを判断して蓄積すべきであると提言しています。
そのうえで、そのスキルは本物のノウハウなのか、会社に長くいただけの「その人しか知らないこと」なのかを正しく見究める必要があるとしています。
本書によれば、営業組織で生成AIを日常的に利用しているのは11.1%で、半年たっても増えていないようです。
そして、生成AIを社内で導入していない理由や懸念は、「そもそも求めていない、必要でない」が24%を占めています。
また、生成AIを活用するうえでの課題は、以下の通りと分析しています。
- ・「わからない」が23%、「そもそも求めていない、必要でない」が12%で、新しいことを覚えたり、仕事が増えることへの拒否感があることがうかがえます。
- ・さらに、「使えるかが不明、不安、使いこなせない」が13%、「使えるかイメージが湧かない」が11%など、生成AIでできることへのイメージ不足の回答が47%を占めているようです。
少なくとも生成AIを活用して何ができるのか、営業組織や営業活動、さらには自分のキャリアにどのような影響があるのかなど、生成AIの全容を理解して段階的に活用していくべきだと思います。
生成AI、デジタルやデータを効率的に活用するためのテクニックではなく、営業自身の心構えや商談に向き合う姿勢、保有スキルや経験、心の余裕がますます重要になってきていることを教えてくれています。
本書には、著者の豊富な経験に基づいた事例や考察に加え、法人への直販営業を中心とした営業プロセスに、生成AIをどのように活用していきべきかを具体的に示しています。
さらに、生成AIを日常的に活用するための「ツボ」となるプロンプト(質問)に加え、拡散・深掘り・収束の質問と回答パターンの具体例、実践付録にはプロンプトコレクションを惜しみなく紹介しています。
まさに「営業のためのAI活用上達本」です。
目次
まえがき
本書の扱い
第1章 「AIパフォーマー」の誕生
生成AIと「インテリジェントセールス」
生成AIを利用していない、禁止しているのは「72・1%」
なぜ、社内で生成AIを導入しないのか?
生成AIを使いこなせる「営業マン」になる!
第2章 「AIスピリット」を手に入れろ
セールスプロセスの最適化を生成AIで実現する
生成AIを営業活動で利用するメリット
(1)営業活動周辺における知識の向上
(2)営業活動の効率化
(3)営業活動の品質アップ
(4)営業マネジメントの効率化
(5)営業マネジメントの品質アップ
(6)戦略や戦術をつくるための分析効率向上
(7)再現性のある営業活動の推進
生成AIの甘い蜜を味わえるかどうかは、使い手のリテラシー次第
生成AIの得意なこと、苦手なこと
生成AIを有効活用できる4つの条件
(1)質問の精度を高める
(2)「プロンプト」への正しい理解と活用
(3)「ハルシネーション」に惑わされない
(4)生成AIが出す回答に対して“対話を重ねる”
生成AIのリスクをコントロールする上で大切なこと
第3章 知的でスマートな「セールスプロセス」のデザイン
生成AIをブレンドしたプロセスが営業生産性を改善する
生成AI×営業モデル=インテリジェントセールスプロセス
そもそも「スマートな営業活動」とは何か?
インテリジェントセールス(プロセス)とは何か?
インテリジェントセールスプロセスと旧来型セールスプロセスの違い
用途に合わせた生成AIの活用シチュエーション
「分析」で生成AIを活用する
「準備」で生成AIを活用する
「相談」で生成AIを活用する
(1)自分が「何がわからないのか」を把握するために相談する
(2)模擬商談の相手役・相談役になってもらう
(3)より多くのアイデアを出してもらう
「整理」で生成AIを活用する
第4章 生成AIから「欲しい回答」を引き出すポイント
生成AIの回答を理想に近づけるためには「ツボ」がある
【ツボその1】具体的な情報や指示を与える
【ツボその2】どんなアウトプットの形式がいいのかを明確にする
【ツボその3】「主語」を細かく定義する
【ツボその4】目的やゴールをしっかり明文化する
【ツボその5】「不足している情報があったら教えて」と初めから示唆しておく
【ツボその6】生成AIの情報は「開発国優位」を意識する
【ツボその7】1つでもいい回答があればそれを採用して再度出しなおさせる
【ツボその8】情報をクロスして生成AIに考えさせる
【ツボその9】「誰を演じさせるか」「どんな振る舞いをさせる」かが重要
【ツボその10】「違うな」と思ったら、「どんな指示をすればいいか?」を考えさせる
【ツボその11】一問一答ではなく、ラリーで辿り着く意識を持つ
【ツボその12】時間がかかる作業を時短してもらう意識で「今のところは」使う
【ツボその13】まずは「生成AIで遊んでみる」ことから始める
【ツボその14】生成AIの「#」は「項目の粒度」を指しているもの
「生成AIが有効な回答をしない」とあきらめるその前に
(1)初期プロンプト(指示文)の入力
(2)1回目のAI回答パターン
2度目のプロンプト(追加質問)~AIの回答パターンからラリーを深める~
話題を拡げる「拡散質問」の6つのパターン
話を掘り下げる「深堀質問」の4つのパターン
情報をとりまとめる「収束質問」の2つのパターン
拡散・深堀・収束と生成AIの回答パターンの組み合わせ
第5章 営業組織で「インテリジェントセールス」を
「AI脳」を持たないマネージャーは役立たず?
「マネージャーより生成AIを信頼する」状態は危険
営業組織を不幸にする3つの「無」
AI活用組織になるための段階目標の描き方
生成AIの活用は「2年後の約束を果たす」ための投資
第6章 「先駆者に学ぶ」インテリジェントセールスプロセス
事例(1) ディップ株式会社
事例(2) 株式会社セレブリックス
第7章 人間らしさと生成AI
「足で稼ぐ営業」に未来はあるのか?
3K営業が差別化になることだってある
購買する側だって「3K」だ
3K営業はなくならない、変わるのはシチュエーション
営業は専門化の時代へ~求められるニューヒーローの存在~
あとがき・謝辞
実践付録 営業パーソンのための生成AI活用素材
参考
The Intelligent Sales AIを活用した最速・最良でクリエイティブな営業プロセス(今井 晶也)|翔泳社の本
営業代行・営業コンサルティングのセレブリックス|1,300社 12,600商材の支援実績
生成AIを活用した営業スタイル「インテリジェントセールスプロセス」とは? | 株式会社セレブリックス
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ザ・モデル THE MODEL(MarkeZine BOOKS)
マーケティング・インサイドセールス・営業・カスタマーサクセスの共業プロセス
福田 康隆(著)
出版社:翔泳社(2019/1/30)
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