富士通の2020年度(2021年3月期)第2四半期決算は減収減益、採算性改善するもコロナの影響大

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富士通の2020年度(2021年3月期)第2四半期決算

 

富士通の2020年度(2021年3月期)第2四半期決算(2020年4月1日~9月30日)が発表されましたので、概況を整理します。

富士通は、前年同期に対して、売上収益は減収、営業利益及び当期利益も減益となりました。

売上収益は、前年同期に対して1,969億円(10.8%)減収で1憶6,318億円(コロナ影響△851億円、コロナ影響を除くと△1,117憶円)

営業利益は、前年同期に対して88億円減益で622億円(コロナ影響△281憶円)

税引前利益は、前年同期に対して127憶円減益で680憶円

親会社の所有者に帰属する当期利益は、前年同期に対して165憶円減の471憶円

 

2020年度(2021年3月期)の連結業績は、前回予想値を維持しています。

新型コロナの経済活動への影響は、ユビキタスソリューションの売上収益を300憶円増収を見込むものの、テクノロジーソリューションで1,310憶円の減収で、全体で1,100憶円の減収を見込んでいます。

  • ・売上収益は、前年同期に対して2,477億円(6.4%)減収で3兆6,100億円(コロナ影響△1,100億円)
  • ・営業利益は、同5億円増益で2,120億円(コロナ影響△380憶円)
  • ・親会社の所有者に帰属する当期利益は、1,600憶円

1株あたりの中間配当は、2019年度の80円に対し、2020年度は100円を予定しています。(年間配当の予想は、2019年度100円に対し、2020年度は100円))

 

富士通の2020年度第2四半期(2020年4~9月)連結業績

富士通の2020年度(2021年3月期)第2四半期決算

 

売上収益は前年同期に対して1,969億円(10.8%)減収で1兆6,318億円、営業利益は同88億円減益で622億円

  • ■売上収益1,969億円減収の内訳は、
    ・本業では、コロナの影響でテクノロジーソリューション中心にマイナス影響で851億円の減収
    コロナ影響を除くと、ユビキタスが前年特需の反動△1,000憶円規模の減少影響を受けて607憶円の減収
    ・デバイス事業の再編と、北米・欧州再編の影響で509億円の減収
  • ■営業利益88億円減益の内訳は、
    ・本業では、コロナ影響でテクノロジーソリューションを中心としたマイナス影響で281憶円の減益
    コロナ影響を除くと、PCの大きな減収影響に対して、ソリューション・サービスやデバイスの採算性改善、営業費用の圧縮などでカバーして187憶円の増益
    ・前年のデバイス事業の再編費と、北米・欧州再編の影響で24億円の増益
    ・特殊事項として、システムプラットフォームの製造工場再編他で48憶円の減益、デバイス事業の再編他で30憶円の増益
  • ■新型コロナウィルスの影響は、売上収益で△851憶円、営業利益で△281憶円
    ・売上収益のマイナス影響:売上収益△1,381憶円、プラス影響:売上収益529憶円
    ・エンタープライズ:製造、自動車中心にプロジェクト開始時期の見直し影響大
    ・ファイナンス&リテール:小売りに若干の影響あるものの、影響は軽微
    ・JAPAN-BG:ヘルスケアや自治体向けで開始時期の見直し及び商談の停滞影響大、中堅や小規模企業に対する商談活動が停滞
    ・社会インフラ:影響は軽微
    ・海外リージョン:欧州中心に厳格なロックダウンの影響大
  • ■売上総利益率で0.8%の改善
    ・ソリューション・サービスで、保守・運用サービスでの原価改善が進み、上流工程含めたアシュアランス強化によるPJ損益が改善
  • ■営業費用減で237憶円(前年度から5.5%の費用圧縮)
    ・一般経費の効率化で110憶円
    ・システムプラットフォームの開発効率化他で127憶円
  • ■海外ビジネスモデルの変革は計画通り進捗
    ・欧州プロダクトビジネスの再編では、アウグスブルグ工場の閉鎖、EMSへの製造移管、R&D機能の集約が完了
    ・欧州の低採算国からの撤退は、当初計画23ヶ国のうち20ヵ国で完了し、残り3ヵ国についても契約締結の最終段階(MBO、事業売却、閉鎖等)
    ・北米事業の再編(事業ポートフォリオ見直し)は、プロダクト製品の販売停止、一部事業の譲渡の交渉を推進中(年度内での完了に向け計画通りの進捗)

税引前利益は前年同期に対して127憶円減の680憶円、親会社の所有者に帰属する当期利益は同165憶円減の471憶円

国内の受注(単独)の状況は、全体では前年同期に対して91%(PC特需の反動を除いても同94%)で、分野別は以下の通りとしています。

大規模、長期間のプロジェクトが多いため、経済動向から少し遅れて業績に影響する傾向があり、業種ごとの強弱はあるが第2四半期以降の売上が低調な水準になることが懸念されるとしています。

  • ・エンタープライズ(産業・流通)は前年同期に対して89%
  • ・ファイナンス(金融・小売)は同86%
  • ・JAPAN(地方自治体・ヘルスケア他)は同82%
  • ・公共・社会インフラは同103%

 

セグメント別の業績

セグメント別の業績は以下の通りで、デバイスソリューションが減収増益で、テクノロジーソリューションとユビキタスソリューションは減収減益となっています。

テクノロジーソリューションは減収減益

  • ・売上収益が前年同期比1,067億円減の1兆3,774億円(コロナ影響△1,002億円)、営業利益は同215億円減の423億円(コロナ影響△309憶円)
    売上収益はコロナと再編事業の影響により大きく減収、営業利益はコロナの減収影響が大きく減益(コロナ影響を除くと大きく増益)
  • ■ソリューション・サービス事業は減収減益
    ・売上収益が前年同期比766億円減の7,955億円(コロナ影響△608億円)、営業利益が同73億円減の542億円(コロナ影響197憶円)
    ・売上収益は、コロナの影響を大きく受けて減収、コロナの影響以外でも、ヘルスケアの前年大口反動減、PC展開支援サービス等のハード一体型ビジネスが減少
    ・営業利益は、コロナの減収影響を多く受けるも、それ以外では原価改善と費用圧縮(コロナの影響:△197憶円、コロナの影響除く:124憶円)
  • ■システムプラットフォーム事業は増収減益
    ・売上収益が前年同期比30億円増の2,917億円(コロナ影響△231億円)、営業利益は同25億円減の73億円(コロナ影響△58憶円)
    ・内、システムプロダクトの売上収益は、スーパーコンピュータ富岳の増はあるものの、コロナの影響が大きく減収
    ・ネットワークプロダクトの売上収益は、5G基地局の所要増加により増収
    ・営業利益は、コロナの影響に加え、ビジネスモデル変革費用による減益が大きいが、それ以外は増益を確保(コロナの影響:△58憶円、特殊事項の影響:△46憶円、ネットワークの増収効果と開発費の効率化:79憶円)
  • ■海外リージョン事業は減収減益
    ・売上収益が前年同期比338億円減の3,349億円(コロナ影響△137億円)、営業利益は同37億円減の8億円の赤字(コロナ影響△37憶円)
    ・売上収益は、コロナや事業再編の減収影響が大きいことに加え、それ以外も低調に推移し減収
    ・営業利益は、コロナの影響を中心に減益
  • ■テクノロジーソリューション共通
    ・Work Life Shift加速に向けたネットワーク増強・セキュリティー対策投資に加え、社内DX実現に向け、経営・業務プロセス・データ・ITを標準化するOne ERP等の活動を始動
    ・For Growth : デジタル(DX、モダナイゼーション)お客様の事業の変革と成長に貢献する事業領域
    売上収益内構成比:2018年度28%、2019年度31%、2020年度33%
    ・For Stability : 従来型IT(システムの保守や運用、プロダクトの提供)お客様のIT基盤の安定稼働への貢献と品質向上に取り組む領域
    売上収益内構成比:2018年度72%、2019年度69%、2020年度67%

ユビキタスソリューションは減収減益

  • ・売上収益が前年同期比838億円減の1,576億円(コロナ影響203億円)、営業利益は同52億円減の87億円(コロナ影響48憶円)
  • ・売上収益は、前年度Windows7、消費増税による買替特需の反動を大きく受け減収
  • ・営業利益は、減収影響が大きく減益

デバイスソリューションは減収増益

  • ・売上収益は前年同期比300億円減の1,386億円(コロナ影響△53憶円)、営業利益は同179億円増の111億円(コロナ影響△20憶円)
  • ・売上収益は、本業はコロナの影響を受けるも4.6%の増収、事業再編の影響で△361億円(2019年3Qから半導体三重工場が連結対象外)
  • ・営業利益は、本業では電子部品の増収効果と採算性改善で111憶円の増益に加え、事業再編の影響で8憶円の増益、特殊事項の影響で60憶円の増益

 

その他

海外売上比率:33.5%の5,460億円(前年同期:32.9%の6,024億円)

キャッシュフローの状況

  • ・フリー・キャッシュフロー:前年同期比454億円増の1,127億円
    営業活動によるキャッシュ・フロー:同417億円増の1,569億円(棚卸資産の圧縮等の資産効率化に加え、構造改革に関する支出の減少もあり好転)
    投資活動によるキャッシュ・フロー:同36億円増の△441億円(国内サービスを中心に前年と同水準の投資)
  • ・財務活動によるキャッシュ・フロー:同167億円減の△755億円
  • ・現金及び現金同等物の期末残高:同691億円増の4,931億円

資産、負債、資本の状況

  • ・資産:前年同期比1,979億円減の2兆9,894億円
  • ・負債:同2,052億円減の1兆6,337億円
  • ・資本(純資産):同72億円増の1兆3,557億円
    親会社所有者帰属持分(自己資本):同266億円増の1兆2,676億円
    自己資本比率:同3.5ポイント増の42.4%

 

2020年度(2021年3月期)の通期決算予想

富士通の2020年度(2021年3月期)通期決算予想

 

2020年度(2021年3月期)の連結業績は、前回予想値を維持しています。

新型コロナウイルスの影響で売上収益は減少するが、営業利益率は前年度並を確保でき、特に、本業となるテクノロジーソリューションは、利益率の高いサービスにシフトすることで営業利益率は6%となり、前年度並みの営業利益を確保すると予想しています。

  • ・売上収益は、前年同期に対して2,477億円(6.4%)減収で3兆6,100億円(コロナ影響△1,100億円)
  • ・営業利益は、同5億円増益で2,120億円(コロナ影響△380憶円)
  • ・親会社の所有者に帰属する当期利益は、1,600憶円

 

参考:電機各社の決算発表

富士通 株式会社(2020年10月27日発表)

日本電気 株式会社(2020年10月29日発表予定)

株式会社 日立製作所(2020年10月28日発表予定)

株式会社 東芝(2020年11月11日発表予定)

ソニー 株式会社(2020年10月28日発表予定)

パナソニック 株式会社(2020年10月29日発表予定)

三菱電機 株式会社(2020年10月29日発表予定)

シャープ 株式会社(2020年11月6日発表予定)

 

 

電機とITの決算

2020.11.11 2020年度第2四半期決算と通期予想:日立製作所、東芝、三菱電機

2020.11.06 2020年度第2四半期決算と通期予想:ソニー、パナソニック、シャープ

2020.11.03 2020年度第2四半期決算と通期予想:NEC、富士通のコロナ影響

2020.10.29 2020年度第2四半期決算と通期予想:NEC

2020.10.27 2020年度第2四半期決算と通期予想:富士通

 

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