IT業界にとってのクラウド事業、ITベンダーの採るべき選択肢は3つ

IT業界にとってのクラウド事業、ITベンダーの採るべき選択肢は3つ

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近年、IT業界ではクラウド事業が注目されています。

と言うか、

グローバル化の中で、国内ITベンダーが全力を挙げて事業を開始していると言っても過言ではありません。

2010年4月12日のIDC Japan発表によると、

2014年の国内クラウドサービス市場規模は、2009年比4.6倍の1,432億円になる。

と予測しています。

IT業界では、過去「メイフレーム ⇒ クライアント・サーバー ⇒ オープン」と3つの大きな波がありました。

今回のクラウドは、第4の波となりそうです。

しかし既存のITベンダーにとっては、機会でも脅威でもあります。

クラウド事業は、

  • ・低迷するIT業界の救世主になれるのか?
  • ・IT業界を根底から再編成する「破壊的イノベーション」なのか?

今後、ITベンダーの採るべき選択肢は、3つと考えています。

1.ユーザ企業側にとってのクラウドサービス

ユーザ企業側にとってのクラウドサービスは、

  • ・ビジネス変化に応じて必要な時に必要なだけITリソースを利用できる。
  • ・初期投資や運用の手間もかからない。

いわゆる、「ITの所有」から「ITサービスの利用」への流れです。

ユーザ企業にとっては、こんな素晴らしいことはありません。

しかし、こうした理想だけに惑わされていると、クラウドの実現を「目的」と捉えてしまいがちです。

クラウドサービスは、

あくまでもIT環境の最適化を実現するための「手段」のひとつであり、ITリソースを調達するための選択肢のひとつに過ぎないことを忘れてはなりません。

現状のクラウドサービスでは、セキュリティやサービスレベル(信頼性)等の課題はありますが、今後IT化を推進していくユーザ企業側にとっては、

  • ・クラウド利用を念頭に
  • ・自前で開発/所有する必要があるのかを検討することにより

IT投資を効率化することができます。

2.考察に当っての仮設

選択肢を考えるに当っては、以下の仮設を想定しています。

  • ・クラウドはまだ発展期の初期段階である。
    クラウドが発展するまでには、まだ3~5年はかかる。
  • ・今後様々なクラウドサービスが出現する。
    通信業者、ERPやデータベースベンダー、コンシューマー向けプロバイダー等の既存ベンダーがクラウド事業を展開する。
  • ・特に大手のユーザ企業が、業務ノウハウを蓄積した自社システムをクラウド化して外販する。
  • ・クラウドサービス間で連携できるよう、インターフェースの標準化が進む。

3.ITベンダーの採るべき選択肢

ITベンダーの採るべき選択肢は以下の3つと考えます。

いづれにしても、これまでの「ハード+ソフト→保守」というビジネスモデルから、新たな視点で事業戦略を展開していくことが必要となります。

選択1:自らクラウド事業者(プロバイダー)になる

選択2:クラウドのサプライヤーになる

選択3:市場から撤退する(せざるを得ない)

補足:クラウド IT業界再編の可能性あり

国内クラウドサービス市場予測を発表【出典:IDC Japan 2010年4月12日】

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