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IT業界にとってのクラウド事業
自らがクラウド事業を展開する戦略ですが、様々なクラウドサービスが出現する中、クラウド事業者(プロバイダー)としての事業戦略を明確にすることが必要です。
既に米国をはじめとしたクラウドサービスが国内に展開されている中、既存の国内大手ベンダーといえども、迅速な戦略実行が必要です。
- ・多くのベンダーは、保有パッケージをシングルテナント型でサービス開始していますが、本来のクラウドサービスを実現するためには、マルチテナント型に移行することが必要です。
- ・ハードやソフトの展開を中心とした既存のビジネスモデルの「販売店」を意識し過ぎるあまりに、クラウドサービスに出遅れたり競争力を低下させることは避けなければなりません。
ここにIT業界を根底から覆す隙があります。
そこで、クラウド事業者(プロバイダー)になるためのは、
- ・提供するリソース範囲(サービス範囲)での分類3タイプ
- ・サービス提供対象(利用者範囲)による分類2タイプ
を考慮し、中長期的な視点で新たな事業戦略を実行していくことが必要です。
しかし国内ベンダーは、先行する米国ベンダーに比べるとスケーラビリティと価格の両面では苦戦することは避けられず、基本サービスの他に付加価値をつけることが必要です。
当面は、機密性やサービスレベルなどを重視した個別企業向けの「プライベートクラウド」事業があるでしょうが、その間に次なる手「サービスプロバイダー」としての展開を目指すべきです。
そのためには、コアとなるアプロケーション開発、しかもSaaS形態で提供し、他サービスと連携することも視野に入れて構築すべきです。
さらに、以下の付加サービスを加えた総合サービスへ拡大することも視野に入れておくべきです。
- ・選択2で紹介する「ハイブリッド」な利用に向けた支援サービス
- ・「蓄積された情報を、様々な形式でユーザー企業にフォードバックする」や「ユーザ企業間や業界間を越えて、ビジネス連携を支援する」など
【サービス範囲】
HaaS:Hardware as a Service(IaaS:Infrastructure as a Service)
- ・サーバーやCPUなどのインフラ環境のみを提供
- ・利用企業がアプリケーション基盤とアプリケーションを用意します。
PaaS:Platform as a Service
- ・インフラ環境に加え、データベースや開発環境等のアプリケーション基盤を提供
- ・利用企業はアプロケーションを用意し管理するだけで、サーバーの負荷分散は提供事業者が代行します。
SaaS:Software as a Service
- ・インフラ環境とアプリケーション基盤に加え、アプリケーションまでを提供
- ・利用企業はネットワークを介して様々なサービスを利用でき、アプリケーション
- ・開発や維持保守から開放されます。
【利用者範囲】
パブリッククラウド:不特定多数のユーザーを対象にしたサービス
- ・膨大な数のサーバーをデータセンターに集約し、規模の経済性を最大限に追求する傾向があり、データの機密性に関する課題もあります。
プライベートクラウド:企業内などの特定ユーザーに限定したサービス
- ・サーバの仮想化技術や分散処理技術などを応用し、企業グループ内や企業専用の場所にデータを置いて効率よく運用することを目指しています。
- ・最近では、パブリッククラウド内に論理的に区切ったユーザー専用の領域を作る「仮想プライベートクラウド」も発表され、パブリッククラウドのスケールメリットを生かしながら、安全性をある程度担保するサービスもあります。
- ・また今後の技術開発により、パブリッククラウド自体のサービスレベルも向上し、プライベートクラウドとの違いがなくなることも予想されます。
≫ 選択1:自らクラウド事業者(プロバイダー)になる。
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