日経BP社「第6回クラウドランキング」ベストサービスを選出

日経BP社「第6回クラウドランキング」ベストサービスを選出

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先日、日経コンピュータとITproから「第6回クラウドランキング」が発表され、当サイトでも前回「ベストブランド」を整理しました。

今回は、「ベストサービス(7部門)」について整理します。
なお、詳細を確認したい方は、日経コンピュータ(2013.3.7号)をご覧ください。

ベストサービス

  • ・これまでと同様、7部門において企業利用の視点から優れた特徴を備えたクラウドサービスや提供ベンダーを評価しています。
  • ・今回から、複数の部門で「セキュリティ/信頼性」関係の評価が厳しくなりました。
    クラウドサービスの普及に伴い、「セキュリティ/信頼性」が求められてきたことが背景となっています。
  • ・今回新たに8サービスが選出されています。

1.クラウド基盤サービス部門:IaaS/PaaS

【調査分野】9分野、44項目 ⇒ 選出:11サービス(前回:11サービス)

ハードリソース、ソフトリソース、料金、契約、運用、信頼性、保守、セキュリティ、実績

【今回の変更された評価】

  • ・「料金関連」分野に「標準で支払できる通貨」項目を追加
  • ・「セキュリティ」分野の評価基準を厳格化:監査、認証の内容を確認
  • ・「実績」分野の評価基準の見直し:満点を獲得するためには前回より多くの法人ユーザ数が必要

【動向】

  • ・今回、KDDIの「KDDIクラウドプラットフォームサービス」が新たに選出されました。
  • ・アマゾンデータサービス(AWS)は「料金」を除く全ての評価項目でほぼ満点を獲得しています。
    特に今回厳しくなった「実績」で満点を獲得しているのは当社だけで、法人ユーザ国内5,000社以上(全世界10,000社以上)保持していることが評価されています。
  • ・「セキュリティ」分野で厳格化された「監査、認証」では、選出されたサービスの中では「ISO27001/ISMS」の認証を受けているのが最も多く、さらに「SSAE16(旧SAS70)」「ISO/IEC2000」など複数を取得しているのが常識となっているようです。

【上位5サービス】

1位:NTTコミュニケーションズ(Bizホスティング)
2位:IDCフロンティア(IDCフロンティアクラウドサービス)
3位:アマゾン データ サービス ジャパン(AWS)
4位:富士通(FGCP/S5)
5位:SCSK(USIZE)

2.パブリッククラウド導入支援サービス部門

【調査分野】6分野、26項目 ⇒ 選出:3サービス(前回:1サービス)

サービス内容、提供要員、提供拠点、利用開始支援、保守運用支援、実績

【今回の変更された評価】

  • ・「サービス内容」と「実績」分野の評価基準を厳しくし、配点を増加

【動向】

  • ・今回新たに選出されたのは、SCSKの「USIZEパブリッククラウドモデル(AWS)/ハイブリッドクラウド環境構築サービス」のみでした。
    「サービス内容」「利用開始支援」「保守運用支援」の各分野で満点を獲得しています。
  • ・前回に続きテラスカイがトップで、6調査分野中4分野で満点を獲得しています。
    特に、今回厳しくなった「実績」で満点を獲得したのは当社のみでした。
  • ・選出されなかった他サービスも含めた全体の傾向は「保守運用支援」分野に比重が移っています。
    高信頼性/高可用性、セキュリティ対策や障害対策、バックアップや障害復旧支援などにおいて、独自のサービスを用意しているかが評価のポイントとなっています。

【選出されたサービス】

1位:テラスカイ(クラウド導入コンサルティング・支援サービス)
2位:SCSK(USIZEパブリッククラウドモデル(AWS)サービス)
3位:日立製作所(クラウド導入コンサルテーション/支援サービス)

3.プライベートクラウド構築支援サービス部門

【調査分野】7分野、28項目 ⇒ 選出:5サービス(前回:5サービス)

サービス内容、提供要員、提供拠点、料金、製品/技術、運用、実績

【今回の変更された評価】

  • ・「実績」分野の評価基準を厳格化

【動向】

  • ・今回新たに選出されたのは、日本ヒューレット・パッカードの「HP CloudStart」のみで、全ての分野で満点を獲得しています。
  • ・選出された他のサービスの顔ぶれは前回と変わりませんが、各サービスも「サービス内容」「実績」分野ともに満点で、他分野においても高評価を獲得しています。

【選出されたサービス】

1位:日本ヒューレット・パッカード(HP CloudStart)
2位:NTTコミュニケーションズ(クラウドマイグレーションサービス)
3位:日立製作所(プライベートクラウドソリューション)
4位:新日鉄住金ソリューションズ(NSGRANDIR+)
5位:富士通(プライベートクラウドサービス)

4.データセンター部門

【調査分野】7分野、32項目 ⇒ 選出:4サービス(前回:4サービス)

規模、建物性能、ネットワーク、料金、保守サポート、実績

【今回の変更された評価】

  • ・「建物性能」分野で、「外部機関によるセキュリティ監査・認証」をきめ細かく確認
  • ・「実績」分野の評価基準を厳格化

【動向】

  • ・今回新たにNECが選出されている以外、他4サービスは過去4回以上連続で選出されています。
    NECは、他サービスと共に「保守サポート」分野で満点を獲得し、「実績」分野の満点と「料金」の高得点獲得が寄与しています。
  • ・選出された4サービスは、「ネットワーク」「保守サポート」「実績」分野ともに満点もしくは満点に近い評価を獲得しています。
  • ・「規模」分野においても高い評価を得ており、選出されたサービスは国内でも30拠点以上、海外で5拠点以上利用できる点が共通しています。
    NECは全国57ヶ所(延べ床面積10万㎡)、NTTコミュニケーションは全世界に約140拠点(延べ床面積10万㎡以上)
  • ・「外部機関によるセキュリティ監査・認証」では、全てのサービスで「ISO27001/ISMS」の認証を受けています。
  • ・「ネットワーク」分野では、接続可能なインターネット回線業者や閉域網回線業者で5種類以上選択でき、提供可能な付加サービスも5種類以上が当たり前となっています。
  • ・「料金」分野に関しては、最低契約期間「なし」とするサービスが高い評価につながっているようです。

【選出されたサービス】

1位:富士通(データセンターアウトソーシング)
2位:NTTコミュニケーションズ(NTTコミュニケーションズデータセンター)
3位:KDDI(KDDIデータセンターサービス)
4位:NEC(データセンターサービス)

5.SaaS部門

【調査分野】8分野、34項目

サービス内容、カスタマイズ、料金、契約、信頼性、保守、セキュリティ、実績

【今回の変更された評価】

  • ・「料金」分野で、「標準で支払いに選択できる通貨」を追加
  • ・「信頼性」分野で、「保証するサービス稼働率」に99.99%以上のランクを設置
①汎用業務系SaaS部門:ERP、人事、CRMなど

【選出】6サービス(前回:4サービス)

【動向】

  • ・今回新たに選出されたのは、2位にサイボウズ「kintone」、3位にスマイルワークス「ClearWorks」の2サービスでした。
    「契約」「実績」の両分野で高得点を獲得したのが寄与しています。
  • ・1位は前回と同じ日立製作所(企業間ビジネスメディアサービス)ですが、「サービス内容」「実績」分野で満点を獲得しています。
  • ・5位のNTTコミュニケーションズは「カスタマイズ」分野で満点を獲得しており、他社を引き離しています。

【上位5サービス】

1位:日立製作所(企業間ビジネスメディアサービス)
2位:サイボウズ(kintone)
3位:スマイルワークス(ClearWorks)
4位:ネットスイート(NetSuite/NetSuite OneWorldなど)
5位:NTTコミュニケーションズ(Salesforce over VPN)

②汎用情報系SaaS部門:Web会議、eラーニング、セキュリティなど

【選出】16サービス(前回:16サービス)

【動向】

  • ・再選出の2サービス以外は順位の変動はあるものの、選出された顔ぶれに大きな変化はありませんでした。
  • ・今回再選出されたのは、2サービスでした。
    6位にサイボウズ「cybozu.com」が第4回以来、11位にグーグル「Google Apps for Business」が第3回以来の再選出
  • ・選出された16サービス中15サービスが「サービス内容」分野で満点を獲得していますが、総合で上位になるためには「契約」「実績」分野での高得点獲得が必要となりそうです。

【上位5サービス】

1位:ネットラーニング(Multiverse)
2位:ブイキューブ(V-CUBE セミナー)
3位:日本マイクロソフト(Microsoft Office 365)
4位:ブイキューブ(V-CUBE ミーティング)
5位:ブイキューブ(V-CUBE ドキュメント)

③特定業種業務向けSaaS部門:金融系、教育機関、電子カルテ、自治体向けなど

【選出】8サービス(前回:8サービス)

【動向】

  • ・今回新たに選出されたのは日立システムズが提供する2サービスで、5位に「電子自治体ソリューション」、8位に「美容室・サロン向け顧客管理」でした。
  • ・選出されたサービス全般では、「実績」分野の評価が低く、今後の課題となりそうです。

【上位5サービス】

1位:wiwiw(wiwiw)
2位:日本ユニシス(RENANDI)
3位:日本ユニシス(TRADEBASE for FX)
4位:TDCソフトウェアエンジニアリング(HANDyTRUSt)
5位:日立システムズ(電子自治体ソリューション)

参考:関連する当サイト記事

2012.10.25
日経BP社「第5回クラウドランキング」ベストサービスに選出された注目のサービス

2012.10.23 
日経BP社「第5回クラウドランキング」ベストブランドから見えるベンダーの取り組み

参考:クラウドランキング

第6回 クラウドランキング SaaS部門:2部門に新顔登場
2013年3月27日、ITpro ACTIVE

第6回 クラウドランキング 8サービス、1社を初選出
2013年3月25日、ITpro ACTIVE

ベストサービス/ベストブランドに続々と新顔、「第6回クラウドランキング」を発表
2013年2月26日、ITpro

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