SaaSとOS2.0 その1

SaaSとOS2.0 その1

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SaaS

かつてのASPサービスの形態をとっているが、カスタマイズや他のアプリケーションとの連動等の制約を解決したサービス。

OS2.0:私の造語。

これまでのノンコア業務を切り出すためにアウトソーサーに委託するのではなく、アウトソーサーの得意なサービスと都度柔軟に連携して新たなビジネスモデルを構築する形態。

各社が得意領域で横断的に連携する「ネットワークアライアンス」ともいう。

1.ソフトウェア産業の新たな動き

SaaSプロバイダの代表であるセールスフォース・ドットコム(Salesforce.com)は、「End of Software(ソフトウェアの終焉)」を唱えた。

企業がパッケージを購入する時代は終わり、ソフトウェア産業はサービス産業に変わっていくだろう。

実際、セールスフォース・ドットコムのユーザ数も、連携利用できるアプリケーション数も急激に増加しているし、SAPやマイクロソフト等のパッケージベンダーばかりか、オラクルもSaaSへの対応を打ち出している。

かつて2000年ごろ、ネットワークを通じてアプリケーションをオンデマンドで使用し、その使用量に応じて課金されるASPが注目された。

しかし、主に以下の理由でユーザ数が増えなかった。

①当時のネットワークは、使用に耐えうる回線速度を確保するには高額になる。

②アプリケーションも利用企業に応じたカスタマイズが制限される。

③自社や他社のアプリケーションとの連動が困難である。

④外部にデータを預けることに対し不安がある。

ユーザ数が増えなければ、先行投資してサービス基盤を構築したアウトソーサーも資金回収できず、ASPは沈静化していった。

しかし現在、上記の課題がほぼ解決され、アプリケーションをオンデマンドで提供する動きが再び活発化してきた。しかもWebアプリケーションである。

そこで、セールスフォース・ドットコムを例に、SaaSの特徴と既存ベンダーの動向について、次回に整理してみたい。

2.アウトソーシングの新たな動き

一方、アウトソーシングにおいても新たな動きが始まろうとしている。

2000年前後にITを中心に積極的にアウトソーシングされたが、その契約が更新時期にきている。

その間、委託する企業と受託するアウトソーサーとの間で様々な課題が浮き彫りになり、近年のSOAやEAの進展、さらにはグリッド技術の発達等により、アウトソーシングのサービス内容や形態も変わってくるであろう。

この方向性については、また別途まとめることにする。

SaaSとOS2.0 その2
ASP(SaaS)の市場予測、その市場拡大の可能性

SaaSとOS2.0 その3
SaaSの特徴、セールスフォース・ドットコムを例に整理

SaaS その4 特徴(詳細)
セールスフォース・ドットコム、主な特徴について整理

SaaS:Software As A Service
ASP:Application Service Provider
OS:Outsorcing

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