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前回、salesforce.comの飛躍の要因と主な特徴を整理した。
そこで今回は、各特徴を詳細にまとめてみる。
1.自社業務に応じて、柔軟にカスタマイズできる。
ユーザ固有の情報を「カスタム情報テーブル」にまとめることで、ユーザインターフェースや他アプリケーション(AP)と連携できる。
(1)ユーザインターフェースを自由に変更できる。
(2)データベースのテーブルや項目の追加・変更ができる。
- ・最大50テーブル、2,000項目
(3)データベース参照・更新の作業画面も変更できる。
2.サードパーティ製APや企業独自のAPと連携できる。
「AppExchange」では、salesforceのデータベースを介してAP間でデータを連携する。
そのため、複数のAPを組み合わせてビジネスプロセスをつくったり、データの転記を自動化することができる。
(1)AP間でデータベース内の同一テーブルをリアルタイムで参照・更新できる。
- ・複数テーブルの連携のためのトランザクション管理は今年のバージョンアップで対応予定
(2)データベースアクセス用に6種類のAPIが公開されている。
- ・データ交換:XML、SOAP
- ・開発言語:Java、C#、Visual Basic、ASP.NET、PHP、Perl Ruby
(3)連携APが拡大しており、料金体系に応じて連携APを利用できる。
- ・連携AP数:約300本(日本語版:約30本)
- ・料金体系 Professional Edition 7,500円/月 5本まで利用可能
Enterprise Edition 15,000円/月 10本まで
Unlimited Edition 24,000円/月 無制限
- ・CRM関連に加えて、基幹システムも拡大中
- ・基本的には、サードパーティAPは有償、salesforceは無償
(但し、試用は無償、サードパーティによるAP販売には手数料は徴収しない)
(4)サードパーティや企業向けの支援が充実してきている。
- ・AP連携技術等の講習会の定期的開催や個別支援をしている。
- ・AP連携用テスト環境が整備されている。
本番と全く同じ環境で動作を検証できる「Salesforce Sandbox」がある。
3.セキュリティや性能等に関する信頼性が高い。
(1)「Trust.Salesforce.com」で稼動状況を確認できる。
- ・障害発生の時間、内容、復旧方法等を確認できる。
- ・トランザクション数や平均応答速度を確認できる。
(2)データセンターの信頼性向上に努めている。
- ・データセンターを3ケ所に分散している。
- ・入出管理、ITILに即した運用、ISO1799/BS7799のセキュリティ認証、内部統制基準SAS70に基づく監査 等
- ・地域ごとにデータベース領域を分散している。
「北米」「アジア太平洋」「欧州・中東・アフリカ」「テスト用」
Oracleクラスタリング機能「Oracle Real Application Clusters」を採用
以上、今回はsalesforce.comの主な特徴について整理してみた。
次回は、既存ベンダーの動向をまとめてみたい。
特に、SAP、マイクロソフト、オラクル、国内主要ベンダーについて、整理してみる。
SaaS:Software As A Service
かつてのASPサービスの形態をとっているが、カスタマイズや他のアプリケーションとの連動等の制約を解決したサービス。
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