ERP検討時の留意点 -A社の奮闘記- IT戦略との整合、業務プロセスの適合、企業文化の醸成

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今日は、夕方からA社との打合せでした。

先週、ベンダー2社に対して詳細提案を個別に依頼し、その後の状況確認のため訪問致しました。

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提案依頼に当っては、一次選定時に使用した提案依頼書(RFP)に加え、IT戦略企画書次期業務プロセス案を詳細に説明されました。

2社とも誠意を持って受け止めてくれ、今週は様々な質問や詳細打合せの申し入れがあったそうです。

その状況から、各社の提案方針は当初通りの様です。

  • ・W社:既存ベンダー(メーカ系)で、現状システムの機能強化
  • ・X社:独立系ベンダーで、ERPを基本として一部改造と追加

具体的には、

  • ・W社は、現状システムの流用を基本に、これまでの問題点解決のための改造と今回要望している機能を個別開発で追加するアプローチです。
  • ・一方X社は、ERPが持っている標準モデルとテンプレート利用を基本として、必要最低限を個別開発で追加するというアプローチです。

W社のアプローチは、現状システムにレベルアップされる時と同様のため違和感がない様ですが、X社のアプローチはA社にとって初めてで少し不安を持っていらっしゃる様でした。

そこで今日の打合せでは、ERP導入検討時の主な留意点として、以下のお話を急遽しました。

1.IT戦略との整合性を確認する。

これまでの積上げ的発想ではなく抜本的再構築の視点で、ERPの特性導入時のリスクを確認する。

2.目指す業務プロセスとの適合性を確認する。

検討した次期業務プロセスは尊重し、ERP標準モデルやテンプレートを最大限利用する。(特に気づかなかった機能や脆弱なプロセスには有効)

自社の強みとなっている業務に関してのみ追加をする。

その場合は、ERPの特性を失うような仕組みは回避する。

3.活用に当っての企業文化を醸成する。

「経営トップの決断、ユーザ部門の業務改革、IT部門の支援」の全社的な取組みを推進する。そして、企業文化として醸成させる。

これまでとの操作性の違いに批判的にならず、ERP特性を引き出す運用を心がける。

あくまでも、自社のIT戦略を実現するためには、W社/X社の提案システムのどちらが有効なのかを見極める必要があります。

そして、

今後、自社が既存の業界(事業ドメイン)の枠組みを変え、

その定義を拡大し、「新たな」又は「これまでよりも大きい」土俵で競争する。

その際に対応できる可能性のあるシステムにすべきです。

最終提案の締め切りまでには、両社のシステム内容の確認や打合せが続くと思いますが、プロジェクトメンバーの方々にはがんばって頂きたいと思います。

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