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TRANSFORMED イノベーションを起こし真のDXへと導くプロダクトモデル
Moving to the Product Operating Model
マーティ・ケーガン (著)、横道 稔 (翻訳)
出版社:日本能率協会マネジメントセンター (2024/9/30)
Amazon.co.jp:TRANSFORMED
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INSPIREDのSVPGシリーズ4作目!
日本が見失った目指すべきDXはここにある!
作り方、問題解決の方法、解決すべき問題を変えるトランスフォーメーション
世界で実践されているシリコンバレー企業への変革モデル
本書は、SVPG(Silicon Valley Product Group)の5人のパートナーが、トランスフォーメーションを成功させる要因を詳細に解説した一冊です。
シリコンバレーが世界を席巻する理由は「プロダクト・オペレーティング・モデル(プロダクトモデル)」で運営しているとして、著者らが長年にわたる企業支援の実績に基づいて、トランスフォーメーションを進める上での重要なトピックや、想定される反対意見への対処法まで詳しく解説しています。
トランスフォーメーションを推進しているビジネスリーダーの方々が、顧客に愛され、ビジネスにも有効なソリューションを継続的に生み出す方法を学ぶことができます。
本書は11のPARTで構成しており、プロダクト・オペレーティング・モデルを実践するための方法を詳細に解説しています。
- ・PARTⅠでは、読者を想定したうえで、プロダクトモデルについて解説し、トランスフォーメーションに乗り出す要因と典型的な失敗例を示して、本書の全体像を紹介しています。
- ・PARTⅡでは、プロダクトモデルへのトランスフォーメーションが真に意味するものを包括的に定義しています。
- ・PARTⅢでは、プロダクトモデルへの移行に必要な新しいスキルや考え方の一つ目として、トランスフォーメーションに必要なプロダクトモデル・コンピテンシーについて説明しています。
- ・PARTⅣでは、二つ目として、プロダクトモデルの基礎となるプロダクトモデル・コンセプトと、そのもととなるプロダクトモデルの原則を紹介し、この二つはトランスフォーメーションの土台となることを解説しています。
- ・PARTⅤでは、テクノロジーパワードなプロダクトイノベーションにおいて、ヨーロッパで最も優れた事例の一つとなった鉄道業界のTrainline社について、動機から問題解決方法と解くべき問題の決定方法、それらの成果など、トランスフォーメーションのストーリーを紹介しています。
- ・PARTⅥでは、プロダクト組織が、顧客、営業、マーケティング、財務、ステークホルダー、経営幹部と、建設的かつ効果的なパートナーシップをどのように構築すれば良いかを説明しています。
- ・PARTⅦでは、レガシーな金融印刷事業から、グローバルなSaaS型M&Aプラットフォームに転換したDatasite社について、トランスフォーメーションのストーリーを紹介しています。
- ・PARTⅧでは、困難であるがトランスフォーメーションを促進するためにデザインされた重要なテクニックと戦術があるとして、組織を大規模な変化へ導くのに役立つテクニックを説明しています。
- ・PARTⅨでは、1982年に設立され、いくつものテクノロジー時代にわたって事業を展開してきたAdobe社について、トランスフォーメーションのストーリーを紹介しています。
- ・PARTⅩでは、営業、マーケティング、カスタマーサクセス、財務、人事、CIO、PMO、CEO、取締役会など、主なステークホルダーからよく出る懸念、組織内部から生じる反対意見を紹介し、それらを乗り越えるための方法について説明しています。
- ・PARTⅩⅠでは、トランスフォーメーションのケーススタディに共通するテーマや成功の鍵など、これまで議論した重要なポイントを要約しています。
トランスフォーメーションを成功させるにはどのような要素が影響しており、何が必要となるのかを現実的に理解してもらうことが重要だと、私たちは考えている。
単に必要な人材を雇いさえすれば簡単に成功できる、とあなたに言ってくる人も多くいるだろう。
しかし現実は大きく違う。
同時に、トランスフォーメーションを成功させることは可能だと確信してもらうことも重要だと考えている。
さらに、この新しい能力を身につけたら、企業として何ができるようになるかも理解してもらいたい。
プロダクト・オペレーティング・モデル
『TRANSFORMED』を参考にしてATY-Japanで作成
プロダクト・オペレーティング・モデルは、プロセスでもなければ、一つの決まったやり方でもなく、強いプロダクト企業が真実であり、第一級原則のもとに成り立つ概念的なモデルである。
実験の必要性や予測可能性よりもイノベーションを優先させるといった、さまざまな原則に基づいている。
本質的には、顧客に愛され、かつビジネスにも有効な、テクノロジーパワードなソリューションを継続的に生み出すことにある。
財務的な観点では、テクノロジーへの投資から最大限の利益を得ることにある。
トランスフォーメーションに乗り出す主な動機
動機はどうであれ、基本的に企業がトランスフォーメーションする理由は、新たに生まれる機会をうまく活用し、また同時に深刻な脅威に効果的に対処できると考えるからである。
1.競争上の脅威
- ・ほとんどすべての業界で、顧客にとって明らかに優れたソリューションを提供する新たな競争相手が登場し、既存の企業に攻撃を仕掛けている。
- ・新技術を活用し、顧客の長年の問題を今だからこそ可能な方法で解決する企業がある一方で、そこから取り残される企業もある。
- ・既存企業は、かつて通用した武器や戦略を使って顧客争奪戦に参戦しているものの、新たな敵の能力やツールに太刀打ちできない。
2.魅力的な報酬
- ・顧客のために継続的に革新的な能力を発揮してきた企業だけが得られる金銭的な報酬が存在し、それが動機になっている企業もある。
- ・新世代の企業やトランスフォーメーションに成功した企業の市場評価額や利益の多さを目のあたりにし、この報酬を獲得することがこの道を進む動機となる。
3.不満を抱える企業リーダー
- ・プロダクトモデルへの移行を推進する企業の中には、技術的な取り組みに資金を注ぎ込んでいるものの、リターンがあまりに少ないことに不満を募らせている企業もある。
- ・企業リーダーたちは、もっと少ないコストで成果をあげている企業を見聞きしており、そのやり方を自分たちにも当てはめられないかを知りたがっている。
- ・リーダーたちがトランスフォーメーションに踏み切らなければならないと感じるところまで、企業が追い込まれていることもある。
先に述べたように、この本に書かれていることは私たちが発明したものではない。
私たちは単に、トップクラスのプロダクト企業で実際に目にした、うまく機能していることを共有し、その原則や行動を他の企業にも適用できるように支援しているだけである。
私たちのコンテンツの多くは、グローバルなプロダクトコミュニティから情報を得ている。
私たちが記事を発表し、カンファレンスで講演し、ウェビナーやワークショップを主催するときに、私たちはテクニックやケーススタディの多くをテストしている。
人々は常にフィードバックを惜しまず、多くの人が追加の質問を送ってくれる。
本書の多くは、このような交流からインスピレーションを得たものである。
まとめ(私見)
本書は、強力なプロダクトを創り出す成功モデルを「プロダクト・オペレーティング・モデル(プロダクトモデル)」と表現し、それを実践するための方法を詳細に解説した一冊です。
執筆はSVPG(Silicon Valley Product Group)の5人のパートナーによるものですが、SVPGは「プロダクトモデルへの効果的なトランスフォーメーションをリードするためには、自らそこに立ち合い、実行し、成功の姿を実際にしていることが重要である」という信念のもとに活動しています。
数十年にわたって各パートナーがプロダクトをつくり上げてきた豊富な実績に基づいて解説していますので、トランスフォーメーションを推進しているビジネスリーダーの方々が、顧客に愛され、ビジネスにも有効なソリューションを継続的に生み出す方法を学ぶことができます。
なお、本書が指しているプロダクトとは、顧客向けに直接または間接的に提供するモノやサービス、プラットフォームサービス、バックオフィス型のシステムなども含めて支援できるようにデザインされています。
プロダクト・オペレーティング・モデルは、プロダクトやサービスを構築する人たち特有の課題に対処するためのものであるとして解説を展開しています。
本書は、SVPGシリーズの4作目で、困難なDXを可能にし、企業を競争力の高いトップテクノロジー企業のように革新するシリコンバレー式DXを解説しています。
なお、本書にはプロダクト・オペレーティング・モデルの概念や基礎も解説していますので、前著を読んでいなくても大まかな内容は理解できます。
1作目は『INSPIRED 熱狂させる製品を生み出すプロダクトマネジメント』日本能率協会マネジメントセンター (2019/11/1)で、プロダクト・オペレーティング・モデルで活動するプロダクトチームが使っているベストプラクティスやテクニックをを解説しています。
2作目は『EMPOWERED 普通のチームが並外れた製品を生み出すプロダクトリーダーシップ』日本能率協会マネジメントセンター (2021/6/22)で、プロダクト・オペレーティング・モデルで成功するために必要な環境をプロダクトチームに提供するために、プロダクトリーダーが使っているベストプラクティスやテクニックを解説しています。
3作目は『LOVED 市場を形づくり製品を定着に導くプロダクトマーケティング』日本能率協会マネジメントセンター (2023/7/16)で、Apple、Netflix、Microsoft、Salesforceのような先進企業から、自社のプロダクトマーケティングを変革する方法を解説しています。
Amazon、Google、Apple、Netflix、Adobeなどの世界中で成功している企業は、売るものをデザインし、構築し、ビジネスを運用しています。
プロダクト・オペレーティング・モデルは、テクノロジーでビジネスを動かすべきだと信じている企業のためのものです。
本書には、トランスフォーメーションに成功した企業のケーススタディ(トランスフォーメーションのストーリー)と、トランスフォーメーションした企業が生み出した革新的なソリューションのケーススタディ(イノベーションのストーリー)を随所で紹介しています。
- ・トランスフォーメーションのストーリーからは、トランスフォーメーションは困難であるものの、絶対に成功できるという確信を得ることができます。
- ・イノベーションのストーリーからは、トランスフォーメーションが完了すれば何ができるようになるのかを知って、興奮を感じるとともに勇気づけられます。
起こすべき変化は、「作り方を変える」「問題解決の方法を変える」「解くべき問題の決定方法を変える」であるとして、これらを支えるのがプロダクトマネジャーに代表される「プロダクトモデル・コンピテンシー」と、プロダクトチームの指針となる第一級原則群の「プロダクトモデル・コンセプト」であるとしています。
- ・作り方を変える
四半期ごとの大きなリリースから、小さく、継続的で、頻繁なリリースへと移行する。
- ・問題解決の方法を変える
ステークホルダー主導でロードマップが与えられる機能開発チームから、解くべき問題が与えられたエンパワーされたプロダクトチームに移行する。
- ・解くべき問題の決定方法を変える
顧客に愛され、かつビジネスにも有効な方法で、チームが難しい問題を継続的に素早く解決できるようになる。
強いプロダクト企業には、人を焚き付けるプロダクトビジョンとインサイト(洞察、深い理解)に基づいたプロダクト戦略があります。
その戦略を実践していくためには、CEOの積極的な支援の下で、強力なプロダクトリーダーの存在が欠かせないと、本書は主張しています。
しかし、多くの企業は、DXの現状と理想の姿の間にギャップがあります。
本書はそのギャップを埋めるために、成功を収めている企業の働き方の原則、イノベーションを生み出す構造を自分たちの企業に組み込んで、現在必要な本当の変革を実行できることを示してくれる一冊です。
目次
PART Ⅰ トランスフォーメーションはなぜ困難か
PART Ⅱ トランスフォーメーションの定義
PART Ⅲ プロダクトモデル・コンピテンシー
PART Ⅳ プロダクトモデル・コンセプト
PART Ⅴ トランスフォーメーションのストーリー:Trainline社
PART Ⅵ プロダクトモデルの実践
PART Ⅶ トランスフォーメーションのストーリー:Datasite社
PART Ⅷ トランスフォーメーションのテクニック
PART Ⅸ トランスフォーメーションのストーリー:Adobe社
PART Ⅹ 反対を乗り越える
PART ⅩⅠ トランスフォーメーションに不可欠なこと
参考
TRANSFORMED - JMAM 日本能率協会マネジメントセンター
SVPG : Silicon Valley Product Group
SVPGシリーズ
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INSPIRED
熱狂させる製品を生み出すプロダクトマネジメント
マーティ・ケーガン (著)、佐藤 真治 (監修)、関 満徳 (監修)
出版社:日本能率協会マネジメントセンター (2019/11/1)
Amazon.co.jp:INSPIRED -
EMPOWERED
普通のチームが並外れた製品を生み出すプロダクトリーダーシップ
マーティ・ケーガン (著)、クリス・ジョーンズ (著)、及川 卓也 (その他)、二木 夢子 (翻訳)
出版社:日本能率協会マネジメントセンター (2021/6/22)
Amazon.co.jp:EMPOWERED -
LOVED
市場を形づくり製品を定着に導くプロダクトマーケティング
マルティナ・ラウチェンコ (著)、横道 稔 (翻訳)
出版社:日本能率協会マネジメントセンター (2023/7/16)
Amazon.co.jp:LOVED
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Amazon.co.jp:なぜ、DXは失敗するのか?
TRANSFORMED
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TRANSFORMED
イノベーションを起こし真のDXへと導くプロダクトモデル
マーティ・ケーガン (著)、横道 稔 (翻訳)
出版社:日本能率協会マネジメントセンター (2024/9/30)
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