書籍 間違いだらけの会社選び

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間違いだらけの会社選び
~「会社を見る眼」を鍛え、内定を勝ち取る~

原正 紀(著)
出版社:アチーブメント出版 (2011/11/30)

Amazon.co.jp:間違いだらけの会社選び

就活に失敗するのは見る眼がないからです!

3000社の採用支援2000人の経営者面談でわかった「失敗しない会社選び」の秘訣

本書は、新時代の人財ビジネス(株)クオリティ・オブ・ライフを設立し、企業への人財活用支援を中心に産学官で活動を行っている著者が、「自分だけの会社(マイ社)」を選び抜く力を身につけるためのノウハウを綴った一冊です。

就活に失敗するのは「見る眼」がないからであり、失敗しない会社選びの秘訣として、以下を詳しく解説しています。

  • ・会社を見る眼の身に着け方
  • ・企業選択で成功する人、しない人
  • ・自分を知るためのの軸の持ち方、見つけ方
  • ・社会、業界、会社の理解
  • ・相性のいい会社を探す眼と見抜く眼
  • ・ちょうどよい会社選びのチェックポイント

就職は人生において最も大事な「働くこと」を得る場であり、自分のベストと思える会社に巡り合うことは、充実した人生を実現することにも繋がります。

厳しい就職戦線の真っただ中にいる方、来年または再来年に就活を迎える方にとっては、本書で紹介されている「企業を見る眼のフロー」「会社選びのチェック」など大いに役に立ちます。

私も採用の面接官をしていますが、本書で記述されているようなことを自分で考え、自分の言葉で語ってくれる学生に好感を覚えるのも事実です。

なお既に企業で勤務されている方には、「選ばれる会社、先輩や上司」になるための指針になります。

企業選びの重要なポイント

自分の価値観やスタイルとの一致
企業の知名度よりも自分に合った企業探しをする。

今の人気だけでなく10年後に、その会社が市場においてどの位置を占めているか考える。

自分の生き方や考え方に合った会社、本気で自分の力を発揮したいと思える会社、
そんな会社を発見する。

キャリアとは、自分がこれまで経験してきた様々なことであり、これから仕事に就き、労働するなかで新しい足跡をつけていけるもの

源流キャリア論 = 「力をつける」「道を見出す」「考動する」の組み合わせでキャリアが明確になってくる。

企業を見る眼のフロー

自分の軸を持つ
   ↓
社会、経済を知る
   ↓
業界を知る
   ↓
会社を知る:環境、経営、組織
   ↓
直接チェック:深く知る、職場を知る
   ↓
選ぶ、受ける、決める
   ↓
働く充実

自分の軸を持つためには

自分の軸を持つためには、自分の内側にある軸のヒントを見つけ、その上で客観的に自分の軸を設定する。

  • ・環境や経験の積み重ねによって進化していく。
  • ・キャリアアンカー
    = 「これだけは譲れない」という優先順位で考え、絶対的な軸を一つに絞る。
[自分の軸を持つフロー]

  軸がある ⇒ 軸の確認、修正 ⇒ 自分の軸決定

  軸がない ⇒ 働く目的を考える、自己分析する ⇒ 考える、動く、聞く
   ⇒ 自分の軸決定

会社を見つける眼

会社を見る眼 = 会社を見つける眼 + 会社を見極める眼

[会社を見つける眼]

社会や経済全体の考察
    ↓
マーケットの分類:業界、業種、職種、地域、規模、歴史、ポジションなど
    ↓
会社探し:情報源 = プロモーションや獲得容易情報 → 客観情報 → 主観情報
    ↓
絞り込み:ポイント例 = 人材育成に積極的か、人が育つ風土・文化があるか

  • ・他人の価値観に振り回されない「マイ社」を見つける。
    自分なりの「マイ社」を見つける決意で活動する。
  • 見る眼行動量 (見る眼は、多くの企業を見ることで、磨き上げられる)
[会社を見極める眼]

①ビジネスモデル考察

ビジネスモデル:会社が提供する商品やサービスが利益を生む事業の構造

見るポイント:差別化されているか、他社に比べて優位性をもっているか、収益やシェアなどの成果につながっているか

業界全体のビジネスモデルの将来性分析 → 個別企業のビジネスモデル分析

ホームページは会社を知る宝の山
確認する順番:企業理念 ⇒ トップメッセージ ⇒ 事業内容 ⇒ 社史
          ⇒ 財務データ ⇒ 人と組織 ⇒ 取引先 ⇒ 採用情報

②数字の視点(財務分析的視点)

最新の業績だけでなく、数年の推移を確認する。

確認する主な指標:収益性、安全性、生産性、成長性

③フレームワークの活用

3C分析:顧客、競合、会社の3つの観点から、企業のポジショニングや競争状況を分析し、将来性を判断する。

5F分析:取り巻く環境の中の5つの要因において、企業と競争相手との力関係を分析する。

SWOT分析:企業活動の現状を「強み」「弱み」「機会」「脅威」4軸で分類し、企業の内部環境と外部環境を把握し、対策を検討する。

成長マトリックス:企業が発展していくための戦略の方向性を分析評価する。

会社を見る6軸

  • ・経営視点:「経営・理念」「事業戦略・業績」「経営資源」
  • ・職場視点:「人材・組織」「仕事」「評価・処遇」

以上の「会社を見る眼」プロセスの解説に加え、以下のチェックポイントが詳細に記述されています。

その中でも、「自分なりの会社ノート」「優良企業チェックリスト」を活用すれば、本書のノウハウの多くが整理できると思います。

  • ・全体的なチェックポイントや志望企業を絞り込むときの要点
  • ・会社訪問や社員面談など、直接会社と接するときの視点
  • ・目指す会社に合格するために押さえるべきポイント

近年、就職活動が厳しい状況です。
私も、企業の若手社員向け研修の中で、その厳しい実態を聞いています。

大手やブランド力のある有名企業、公共機関などへの就職希望という傾向が強い状況かもしれませんが、中堅中小企業やベンチャー企業もすばらしい企業が多くあります。
どんな企業を希望するにしても、自分に合った企業を「見つける眼」、見つけた企業の中から「見極める眼」を身に着けることの重要性を説いた本書には同感する部分が多くありました。

グローバル化の進展により、日本企業が海外に進出し、海外の労働者が日本で就労する時代がすでにやってきています。

就職した企業で一生働くつもりの人、将来「独立したい」「転職したい」と考えている人、
どんな人にとっても、生き残っていくためには自分の得意領域をつくっていかなければなりません。

そのためには、自分なりの「マイ社」を見つけ、厳しい就職戦線を勝ち抜き、就職したら一時の感情で会社を辞めることなく、一生懸命に目の前の仕事をこなすことでキャリアを磨いていって欲しいと思います。

参考

株式会社クオリティ・オブ・ライフ

企業のホームページ

・運営する就活支援サイト
  就活の栞:すごい社会人を目指す就活生を応援するノウハウサイト
  会社を見る眼

当サイトでご紹介した著者の書籍

・2011.5.17 インタビューの教科書

私が主にIT企業や企業内IT部門の若手社員向け研修でお話ししていること

・2011.  1.24 IT人材 自分ブランドの構築 目指す人材像=ビジョン

・2010.11.23 IT業界 仕事に対する満足度と不安

・2010. 7.  6 人財・人材・人在・人罪 あなたは?

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