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先日、ガートナーから「ハイプ・サイクル (Hype Cycle)」リポート」が発表されました。
今年は、75のハイプ・サイクル(1,800のテクノロジ)で、特に「先進テクノロジのハイプ・サイクル (Hype Cycle for Emerging Technologies)」はIT関連の人でしたら、見たことのあるグラフだと思います。
このハイプサイクルは、先進のテクノロジが現在どのくらいの成熟度にあるのかを表しており、IT業界に限らすユーザ企業が「新しいテクノロジのポートフォリオを定義する上で考慮すべきテクノロジとトレンド」として参考にしているところも多いと思います。
グラフの見方は以下の通りです。
- ・横軸:テクノロジ登場後の時間経過
- ・縦軸:期待度
- ・各ドットの位置は「成熟度」で、マーク記号は「主流の採用までに要する年数」
を表しています。
昨年度と比較しながら、今年度の主な特徴を見ると以下の通りです。
(今回、注目したテクノロジをGartner's 2010 Hype Cycle内に「→」マーク印)
「過度な期待」のピーク期に入ってきたのは、
- ・Private Cloud Computing(プライベートクラウド):採用まで2~5年
- ・Augmented Reality(拡張現実):採用まで5~10年
- ・Media Tablet(iPad、スレートPCなどのタブレット):採用まで2~5年
- ・その他、Wireless Power(ワイヤレス給電)、3D Flat-Panel(3Dテレビ/ディスプレイ)、Activity Streams(TwitterやFacebook等のリアルタイムフィード)
などのテクノロジでした。
昨年、「過度な期待」のピーク期にあった
- ・Cloud Computing(クラウド全般)は、もうすぐで「幻滅期」に入りそうですが依然として「期待度」は高いところにあります。
- ・E-Book Readers(電子書籍リーダ)は、ファイル形式やデジタル著作権管理テクノロジという課題及び価格と相まって「幻滅期」に入っており、期待度は低下してきました。
- ・Microblogging(Twitterなど)は、昨年は「ピーク期」なありましたが、今年「幻滅期」に入りました。
昨年、爆発的人気で広まったTwitter等は、「チャネル汚染(利用者が必要としない情報が大量にあふれること)」に伴って避けることのできない「幻滅期」に入りました。
その他
- ・Mobile Application Stores(モバイル・アプリケーションのオンライン販売)は、「啓蒙活動期」直前で、採用まで2年未満となっています。
- ・Location-Aware Applications(位置情報を利用したアプリケーション)は、「安定期」直前で、「『過度な期待』のピーク期」にあるAugmented Reality(拡張現実)に移行していきそうです。
多少は、時間と異なる要素もありますが、各テクノロジの動向を予想する上では参考になります。
テクノロジが将来どの時期に採用されるかを予想し、そのテクノロジを利用した製品やサービスを考えることが必要です。
テクノロジ推移の順(グラフの横軸)
Technology Trigger(テクノロジの黎明期)
Peak of Inflated Expectations(『過度な期待』のピーク期)
Through of Disillusionment(幻滅期)
Slope of Enlightenment(啓蒙活動期)
Plateau of Productivity(生産性の安定期)
出展:ガートナー関連サイト
【Hype Cycle】
2010年度
2009年度
【Gartner YouTubeチャンネル】
ガートナー・アナリストへのインタビュー動画
参考:当サイト内
クラウド全般:2010.5.8 IT業界にとってのクラウド事業
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