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企業は、社会に価値を提供して永続していくことを目指します。
そこで、ミッションや経営理念を明らかにし、取り巻く外部環境の変化に対し、経営資源を有効に活用して、持続的に発展していかなければなりません。
そのためには、経営戦略を策定・実行し、常にその実行状況を把握し、必要により見直していくことが必要です。
経営戦略を策定する場合、主に5つの思考タイプがあると考えていますが、それぞれを単独で行うのではなく、組み合わせて行うことが有効です。
また、各思考タイプの代表的なフレームも適切に利用して、自社独自の戦略を策し自社に合った実行策を考えることが必要です。
戦略思考のタイプ
1.戦略計画型
2.ポジショニング型
3.リソース・ベース型
4.創発型
5.ゲーム論型
ほとんどが欧米からの戦略思考ですが、その中でも創発型は日本企業が得意としてきたものです。
ピラミッド組織を前提として、企業が「大切にしてきたこと」や「価値観」だけではなく、それらの「教え方や伝え方」を時代に応じて変えながら受け継がれてきました。
それらが、組織の暗黙知となり、企業文化となって、現場の努力の蓄積から生み出される戦略が創発型です。
欧米型の思考からくるトップダウン的な戦略だけではなく、整合のとれた価値観や行動指針に基づいて、現場が主体的に行動し改善を繰り返す日本型思考を融合すべきです。
戦略思考タイプの組み合わせ案
1.自社の経営理念やビジョンを再確認する → 戦略計画型
2.強みと弱み、機会と脅威を分析し、進むべき方向(主成功要因)を明らかにする
→ 戦略計画型
3.利益の出る条件が整っている事業ドメインを明らかにし、そこに自社をどの様に位置付けるかを決める → ポジショニング型
4.経営資源またはコアコンピタンスを考え抜き、そのコアコンピタンスを磨き、現状事業内でさらに強化、また現状以外での展開の可能性を探索する
→ リソース・ベース型
5.自社が採る手に対し、顧客及び競合相手や取引先などが、どの様に反応するか
また、その相互作用の結果として、業界構造がどの様に変化するか予測する
→ ゲーム論型
6.環境変化に応じて、自社の組織プロセスを適合する
→ ポジショニング型 + リソース・ベース型
7.ミドル層に適度な自由度を与え、そこから自由な戦略が発達してくるように促す
→ 創発型
8.ミドル層の自主的な努力の結果、実現した事業展開を振り返り、そのプロセスを体系化する
→ 創発型
9.以上のプロセスの成果を考慮し、次の目指すべき戦略の方向性と計画を考える
→ 戦略計画型
環境変化が激しい近年においては、戦略実行の全てを自社で行っていると手遅れになる場合もあります。
そのためには、他社との戦略的な連携や吸収・合併も想定に入れて、戦略を実行することも必要です。
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