DXを成功させ継続する組織、デジタル化の領域や成熟度に応じた組織を編成することが必要

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デジタル化に向けた組織の変革ステージ

『両極化時代のデジタル経営』を参考にしてATY-Japanで作成

 

既存事業をデジタル化により強化する際には、デジタルに関する課題を統括して、事業部門個別の課題に加え、事業部門を超えた課題の両方の解決をしながら全体最適を目指していくことが必要となります。

一方、デジタルによる新たな事業を展開する際には、既存事業とは切り離した組織で、社内のしがらみに振り回されることなく、柔軟に活動していくことが効果的です。

そして、全社視点から管理監督し、既存事業と新規事業を連携し、相乗効果が生まれるようにしていかなければなりません。

そのためには、デジタル化の領域に応じた推進組織を編成することに加え、デジタル成熟度に応じてけん引部門の役割を変えていくことが必要です。

なお、けん引役となる組織規模には決まった目安はありませんが、企業独自のデジタル化の段階にふさわしい規模にすべきです。

 

デジタル組織の4つの形態

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これまで数多くの企業をご支援してきた経験から、デジタル化を推進していく組織は領域に応じて4つの形態に分類できます。

  • ・全社横断型組織
    経営陣の一部又は近い組織で、全社のデジタル化を推進
  • ・新規事業開発型組織
    事業部門の一つとして、新たなビジネスモデルの構築や新サービスの開発を先導
  • ・事業特化型組織
    個別の事業部門に特化し、当該事業のデジタル化を推進
  • ・機能特化型組織
    複数の事業部門で共通する業務を標準化して、デジタル化を推進

DXは、事業の「複数」の側面に大きな変化を起こすことです。

そのため、複数のもつれた組織に大きな変化を起こすためには、従来のチェンジ・マネジメントでは対応できません。

いづれにしても、デジタル技術を戦略的に活用していくためには、IT化の延長線でデジタル化を捉えるだけでなく、より経営的な視点やビジネス指向で、しかも業界や国という垣根を越えた新たな視点からアプローチしていくことが必要になります。

 

参考:デジタル組織の4つの形態とCDOの重要性(当サイト)

 

DXのジレンマを乗り越える組織構造パターン

組織構造の典型パターン

『DXナビゲーター コア事業の「強化」と「破壊」を両立する実践ガイド』を参考にしてATY-Japanで作成

 

『DX(デジタルトランスフォーメーション)ナビゲーター コア事業の「強化」と「破壊」を両立する実践ガイド』(翔泳社、2021年7月)では、「現在のビジネスを強化しながら新たなビジネスモデルを導入する」というDXのジレンマを乗り越えて成功するための実践的な手法を詳細に解説しています。

「Why(なぜ行動するのか?)」「What(何をするのか?)」「How(どのように実現するのか?)」「Where(どこで結果を見るか?)」の4つのパートに分けて、具体的な取り組みを示しています。

その中で「How(どのように実現するのか?)」では、適切な体制とインフラ構築(ハード要因)のひとつとして、既存事業と新たな(デジタル)事業に役立つ柔軟な組織をつくることを提言し、5つの組織構造の典型パターンを紹介しています。

デジタル活動と能力の連携がとれておらず、企業全体に散在している状態の「基本モデル」から、DX開始時の「独立型デジタル事業部門」「デジタルコンピテンスセンター」「デジタルサポートセンター」を経て、「ニューノーマルとしてのデジタル」へと進化していきます。

主に従来の事業に注力した組織構造

  • ・デジタルコンピテンスセンター
    最高デジタル責任者(CDO)が存在し、統制と連携をとりつつ中核事業の変革を推進
  • ・デジタルサポートセンター
    各中核事業部門がより多くのデジタル機能と責任を有し、任務はデジタルプロジェクトを推進し軌道に乗せることから、知識の共有とサポートへ移行

新たな(デジタル)事業に注力した組織構造

  • ・独立型デジタル事業部門
    社内組織から独立して、特定の事業課題や事業アイデアに焦点を絞ったデジタルプロジェクトを実行

最終的には「ニューノーマルとしてのデジタル」という組織構造で、従業員はデジタル化された仕事の進め方を日常に組み込み、十分な専門知識を身に着けている状態を目指します。

 

多くの既存企業は、既存の事業を変革する方がより成功率が高いため、新規事業の創出と既存事業の変革とのバランスを適切にとることが重要となります。

デジタルによる変革を推進する際に中心的な役割を果たす人財群を、社内で正しく定義したうえで発掘・育成し、活躍させることが成否を分けることになります。

初期段階では、DXけん引部門とその他の事業部門の両方のデジタル能力を再起動するため、場合によっては「デジタル再編成」を行うことも必要となります。

そしてDXが完了した後は、DXけん引部門は、継続的な運用を成功させるために、急速に進化するデジタル化の状況を常に把握し、新たなデジタル技術情報を収集し、事業部門への適用可能性を考え、事業部門のデジタル化を支援する役割に移行していくことになります。

 

参考:DXのジレンマから抜け出す方法(当サイト)

 

DXを成功させ継続する組織

2021.09.09 デジタル化を牽引する新たな組織が必要性

2021.09.10 デジタル化の領域や成熟度に応じた組織編成

2021.09.11 企業文化に根差した組織をデジタル成熟度に応じて進化

2021.09.12 デジタル化専門組織と事業部門とが融合した取り組み

 

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