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2021年09月12日
もはや「ニューノーマル(新状態)」などは存在しないのではないかと思います。
「非ノーマル」な状態が次々と起こり、多くの人はそれが起こるまで予測することもできません。
だからこそ適切な組織を整え、その組織に「正しい人を選ぶ」という原則が、これまで以上に重要となります。
「適切なバス(組織)を用意し、バスの限られた席にふさわしい人(デジタル人材)に座ってもらう。」
デジタルを特別なものと考えるのではなく、絶え間ない変革とアジャイルな文化が根付いた組織で、日々の業務の中で当たり前のように顧客中心主義を実現するために連携・協力できる状態になる。
その最終地点の到達に向けては、デジタル成熟度に応じたけん引組織やサポート組織の存在が重要であり、事業部門のメンバーには企業文化に根差した進化が必要です。
DXを成功させ継続するデジタル化専門組織と事業部門
既存の企業においては、マネジメント構造や業務プロセスなど、長い年月を経て既存事業のために最適化されてきています。
さらに、新たな事業を展開するとなると、そのために資金負担や人材を手放したくないとか、既存事業と競合するなどの戦略矛盾(共食い)が起こる可能性もあります。
そのため、既存事業の抵抗はあるかもしれませんが、それらの解決に向けてはトップのリーダーシップが必要となります。
DXへの取り組みを「既存業務のデジタル化(デジタイゼーション:Digitization)」や「ビジネスプロセスやビジネスモデルの変革(デジタライゼーション:Digitalization)」ではなく、恒久的な人や組織の変革までを含めたものと捉えると、企業文化に根差したものでなくてはなりません。
デジタル化専門組織と事業部門の取り組み(役割)
企業規模によって多少は異なりますが、デジタル化をけん引またはサポートするデジタル化専門組織と事業部門の取り組み(役割)は以下のような形態になります。
1.デジタルを特別なものと考えるのではなく、絶え間ない変革とアジャイルな文化が根付いた組織で、日々の業務の中で当たり前のように顧客中心主義を実現するために連携・協力できる状態になっている。
2.デジタル化専門組織は、デジタル技術の動向を収集して適時発信することに加え、事業部門のデジタル化を推進または支援する。
- ・デジタル技術の動向を常に確認し、社内への適用を立案し、推進する。
- ・事業部門からのデジタル化案(要望)に対し、その有効性や実現可能性を見極め、その実現を支援する。
- ・既存事業のデジタル化を推進する際には、事業部門個別のデジタル化か全社のデジタル化かを見極める。
- ・全社への展開が適切であると判断した場合は、他の事業部門との橋渡しをして、全社的な取り組みに向けてリーダーシップを発揮する。
- ・新たな(デジタル)事業を展開する際は、事業戦略の実現に向けて貢献する。(新しいマインドセット、組織構造、働き方などの環境)
3.事業部門は、デジタル化を自分のこととして捉え、顧客への提供価値強化に向けたデジタル化を立案し、実践する。
- ・デジタル化に関する情報を自らも収集し、自分の事業への適用を常に考える。
- ・メンバーが学習できるよう、企業からの支援がある。(自社のモデルとなるスキルが定義されている)
- ・デジタル化に関する案や要望などを気軽に提案する雰囲気があり、(小規模で)仮説検証と学習することができる。(予算、技術支援などの協力が得られる)
- ・デジタル化に関する案や要望などについて、確認・精査・承認する社内制度も整っている。
4.デジタル成熟度に応じて、デジタル化専門組織と事業部門の役割が適切に進化する。
- ・初期および発展段階においては、専門組織がデジタル戦略を立案し、全社または事業部門に展開する。(デジタル文化を醸成する触媒となる)
- ・成熟段階では、専門組織はデジタル技術の動向確認や発信は継続し、事業部門のデジタル化のサポート役に移行する。
DXを成功させ継続する組織
2021.09.09 デジタル化を牽引する新たな組織が必要性
2021.09.10 デジタル化の領域や成熟度に応じた組織編成
2021.09.11 企業文化に根差した組織をデジタル成熟度に応じて進化
2021.09.12 デジタル化専門組織と事業部門とが融合した取り組み
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