書籍 あのサービスが選ばれる理由

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20110103

あのサービスが選ばれる理由

ハリー・ベックウィス(著)、花塚 恵(翻訳)
出版社:海と月社

あのサービスが選ばれる理由

『アメリカCEOのベストビジネス書100』(講談社)でも絶賛

サービス・マーケティングのバイブル、待望の復刊!

サービスという「目に見えない商品」を売るには、製品のマーケティングとは違う特別なルールがある。

本著は、コンサルティング会社ベックウィス・パートナーズ創業者であり、マイクロスフト、GM、ターゲットなど、フォーチュン500企業の20社以上を顧客に持つほか、ベンチャー企業のマーケティング戦略も数多く手がける著者が、長年の経験から得たサービスマーケティングに関する実践的知識がまとめられています。

サービスをマーケティングするとは?、消費者が本当に買っているのは何か?、
消費者の思考パターンを知り、ポジショニングとフォーカスで競合に差をつけ、サービスならではの適正価格、ネーミングとブランディングのコツなど、

具体的なテクニックだけではなく、その根底にある「考え方」そのものにも言及しており、非常に役に立つ一冊です。

なお本著は、原題『Selling the Invisible』(1997年)、邦訳『逆転のサービス発想法』(1998年)を新たに翻訳されたものです。

翻訳者の他の訳書『WOMマーケティング入門』と同様、翻訳に当ってマーケティングに関する勉強もされたのではないかと思うくらい、非常に解りやすく表現されています。

今やコモディティ化の時代

製品マーケティングの中心的存在としてしてきた「差別化」は意味なさない。

競合他社と似たような「製品」を前にしたマーケターの選択肢は2つ価格を下げるか付加価値をつけるかしかない。

「付加価値」とは、ほぼ例外なく「サービス」のことである。

製 品サービス
形ある 形がない
見ることも触ることもできる 購入する段階では存在すらない
五感で感じることができる 体験してから感じることができる
価格が事前にわかる 価格は事前にわからない
不具合がはっきりわかる 不具合がわかりにくい
一定の品質を保つことができる 質を常に同じにすることは難しい

成功しているマーケター

製品やサービスの特徴やメリットの宣伝よりも、顧客との関係を重視している。

顧客の目にどう映るかを常に意識し、実情に目を向け、改善に努めている。

サービス業で成功したいなら

全方位に気を配らねばならない。
マーケティングはその一部であり、社員全員に責任がある。

ブランド力が大切である。

サービスの「質」の良し悪しは目に見えない。
消費者や顧客にわかるかたちでサービスを改善し、質の向上を図る必要がある。

いくらサービスの質が高くても、その高さを伝える努力をしなければ伝わらない。

サービスとは、人が人に提供するものである。
だからサービス業の成功は、消費者との関係にかかっている。

人間の行動には、いくつかのパターンがある。
そのパターンを見つけて理解を深めていけば、確実に成功に近づける。

今や、製品だけで圧倒的優位に立つは難しく、仮に差別化できてもすぐに模倣されてしまいます。
サービスの重要性は言うまでもありません。

本著で指摘しているように、サービスは目に見えるものでもないし、相手によって感じ方も違います。

相手に応じたサービスを適切に提供する。

しかも、提供する人たちの普段の言動が信頼関係を築き、その積み重ねがブランドとして確立していく。

しかし僅かなミスで、時間をかけて確立したブランドが一瞬に崩壊するのも事実です。

サービスマーケティングのテクニカル面に限らず、その根底の「考え方」の重要性を示唆してくれる一冊でした。

【目次】

はじめに 誰もがサービスを買う時代に

1章 「サービスをマーケティングする」とはどういうことか

2章 利益に貢献するリサーチの実施報

3章 社員はすべてマーケターである

4章 サービスマーケティングにありがちな十八の間違い

5章 知っておくべき消費者の“思考パターン”

6章 ポジショニングとフォーカスで差をつける

7章 サービスならではの「適正価格」の定め方

8章 失敗しないネーミングとブランディングのコツ

9章 大金を無駄にしない宣伝と販売の方法

10章 新規顧客をつかみ、得意客を離さないために

11章 今日からできる具体策

終章 要点整理と推薦図書について

【本著で紹介されている推薦図書】

日本語版が出版されている書籍

組織に関する本

最強組織の法則―新時代のチームワークとは何か
 ピーター・M・センゲ(著) 徳間書店(1995/06)

人間の思考や記憶に関する本

影響力の武器[第二版]―なぜ、人は動かされるのか
 ロバート・B・チャルディーニ(著) 誠信書房 第2版版(2007/9/14)

人間この信じやすきもの―迷信・誤信はどうして生まれるか
 トーマス ギロビッチ(著) 新曜社(1993/06)

サービス業に不可欠なことが学べる本

顧客との関係

真実の瞬間―SAS(スカンジナビア航空)のサービス戦略はなぜ成功したか
 ヤン カールソン(著) ダイヤモンド社(1990/03)

エクセレント・カンパニーのサービス戦略
 R.ゼンケ、D.シャーフ(著) HBJ出版局(1991/07)

人間関係を築くことの大切さ

勝利の本質
 レジス マッケンナ(著) 三笠書房(1986/04)

ビジネスを育てる
 ポール・ホーケン(著) バジリコ(2005/4/2)

メッセージの伝え方

英語文章ルールブック
 ウィリアム・ストランク(著) 荒竹出版(1985/01)

ある広告人の告白[新版]
 デイヴィッド・オグルヴィ(著) 海と月社(2006/6/15)

ポジショニングに関する本

ポジショニング戦略[新版]
 アル・ライズ、ジャック・トラウト(著) 海と月社 新版版(2008/4/14)

プレゼンテーションに関する本

プレゼン・成功の秘訣―このコツで、あなたも説得の達人に!
 ボブ ボイラン(著) 新潮社(2002/07)

マーケティング全般

マーケティング・イマジネーション
 T.レビット(著) ダイヤモンド社(1984/01)

【個人的に参考にしたい書籍】

最強リーダーシップの法則 正確に原因を知れば、組織は強くなる
 ブルース・ボダケン、ロバート・フリッツ(著) 徳間書店(2010/7/21)

フォーカス! 利益を出しつづける会社にする究極の方法
 アル・ライズ(著)

WOMマーケティング入門(2010/06/01 当サイト掲載)
 アンディ・セルノヴィッツ(著) 海と月社(2010/5/24)

リ・ポジショニング戦略(2010/07/10 当サイト掲載)
 ジャック・トラウト 、スティーブ・リブキン(著) 翔泳社(2010/7/2)

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