このページ内の目次
ハーバードの人生を変える授業
タル・ベン・シャハー (著)
成瀬 まゆみ (訳)
出版社:大和書房
あなたの人生に幸運を呼びこむ本
数々の学生の人生を変え、ハーバードで最大の履修者がつめよせた「幸せになるための授業」
今日から、すべてが変わる。
「歩きなさい」「手放しなさい」「すべてをシンプルにしなさい」・・・
これが、世界最高府の学生達を最も熱狂させた授業。
本著は、ハーバード大学で哲学と心理学を学び、組織行動論で博士号を取得したタル・ベン・シャハー氏はが、リーダーが知っておくべき心の話や、組織作りに必要なやる気や嫉妬といった感情の話など、社会や組織、さらに家庭内における様々な心理学について解説した一冊です。
2006年の1学期当りの受講者数が1,400人(ハーバードの全学生の2割)を記録し、その年の人気No.1授業となった「ポジティブ心理学」のエッセンスを52講にまとめ、各講では理論・読者への問いかけ・アクションプランが提示されており、「生産的知識」を育むことができます。
リフラクション(反映させて行動する)
授業中に教えてもらったことを実際の行動に移すこと
生産的知識
単なる知識ではなく、自分達を取り巻く世界をよく理解して、状況にうまく対処
するための知識
各講の流れ(例)
第1講:感謝する
理論:感謝をしていた人々はよく眠れるようになり、より多く運動をするようになり、身体的な不調も減る。
Think:あなたが感謝できることは何ですか。
自分の人生でありがたいと思うことは何ですか。
Action:感謝ノートをつくる。
- ・この1週間、感謝することを毎日5つ書きとめるようにしてください。
- ・書いていることを目の前に思い浮かべたり、書きながらもう一度経験しているように感じてください。
全ての講が参考になりますが、私が特に覚えておきたいポイントは以下の通りです。
第2講:習慣化する
変化するために必要なのは、自制心を養うことではなく、習慣を取り入れることである。
習慣をつくるには、確固たる価値観に基づいて、決められた行動を、特定の時間に行うことが必要である。
野心的になりすぎて失敗するよりも、緩やかに変化し続けるほうが好ましい。
成功は、それ自体がさらなる成功の源となる。
第4講:仕事への考え方を変える
フロー状態:その行為に完全に没頭し、最高の成果を出し、それを心から楽しんでいる状態のことである。
幸福で成功している人は、ずっと学び続けている。
勉強の内容は、「自己啓発」と「仕事に関する知識習得」とし、それぞれの分野において、現在および将来的に役立つことを学ぶようにする。
そして、毎日決まった時間を勉強にあてるようにする。
第7講:困難から学ぶ
人は困難を克服することで幸福になれる。
人間が本当に必要としているのは不安のない状態ではなく、価値ある目標のために努力することである。
人間に必要なのは何としてでも不安を取り除くことではなく、意義の達成に使命を感じることである。
第8講:すべてをシンプルにする
すべきことを減らして生活をシンプルにしても、成功は妨げられるわけではない。
「意義」と「楽しみ」の両方を感じられる活動に没頭する時間を、定期的にとるようにする。
第11講:失敗から学ぶ
あきらめずに立ち向かうことは、「勝ち負け」や「失敗か成功か」という結果より、自尊心にとって長期的にいい結果をもたらす。
実際に失敗したときのつらさよりも、失敗するかもしれないと感じるときの恐怖の方が、実はは私達を痛めつける。
失敗からより賢く、強くなったということに気づけば、これからもずっと生き延びていけると自信を持つことができる。
人は逆境で試されて初めて、真の自分自身や人間関係の強さを知る。
第24講:解釈を変える
認知療法の基本は、「人は出来事そのものに対して反応するというより、その出来事への自分の解釈に反応する」というものである。
不安な感情に対処するのに役立つ方法の一つに、PRP法を使う。
- ・P(Permission):自分自身が人間であることを許すこと
- ・R(Reconstruction):状況を再構築すること
- ・P(Perspective):広い視野から見ること
第39講:可能性を信じる
固定型思考:知性や身体的能力や人柄や対人スキルなどの能力は、固定的なものであり、変えることはできない。
発展型思考:自分達の能力は柔軟で、生きているうちに変えることができる。
持って生まれた知的能力よりも努力を褒める言葉をかけられらたグループの生徒の方が、同じ課題をうまくこなし、より幸せを感じる。
第41講:決断をする
ビジネスは決断だ。決断をしなければ失敗もない。
リスクを冒さなければ成長はあり得ない。
成功している会社はどこも、山のような失敗をしている。
第47講:天職を見つける
人は仕事を「労働」「キャリア」「天職」の3つの内の1つとしてとらえる。
労働は、基本的に退屈なものであり、個人の充足感よりも金銭的な報酬に関心がおかれている。
キャリアは、お金や昇進といった外的要因や、権力や特権を獲得することが働くための主な動機となっている。
天職は、働くこと自体が目的である。働きたいから働いているのです。
MPS質問
- ・Meaning(意義):私にとって意義あることは何だろう?
- ・Pleasure(楽しみ):私にとって楽しいことは何だろう?
- ・Strength(強み):私の強みは何だろう?
日々、仕事や家庭で忙しくしている中、組織内や家庭内の人々との関わりを通して、本著を参考に生産的知識をリフラクション(反映させて行動する)し、自分自身の「心の健康」を育むことができそうです。
但し、本著を読んだ時に1度実行するだけではなく、継続することが大切です。
参考:関連する書籍(当サイト紹介)
2010.6. 4 書籍 20歳のときに知っておきたかったこと
2010.9.12 書籍 ハーバードの「世界を動かす授業」
関連記事
前へ
研修3回目終了-クラウドは中小ITベンダーにとって事業機会-
次へ
IT人材の今後 - ITベンダー(供給側)とユーザ企業(利用側)の両面から考察