書籍 DXの真髄 日本企業が変革すべき21の習慣病/安部 慶喜、柳 剛洋(著)

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DXの真髄 日本企業が変革すべき21の習慣病

安部 慶喜、柳 剛洋(アビームコンサルティング株式会社)(著)
出版社:日経BP (2020/10/15)
Amazon.co.jp:DXの真髄 日本企業が変革すべき21の習慣病

 

DXの真髄 日本企業が変革すべき21の習慣病

CxOが語る企業変革の軌跡

なぜ日本企業のDXはうまくいかないのか

あなたの会社も該当しませんか?

 

 

本書は、経験豊富なコンサルタントの著者らが、「業務」「組織・人」「IT・新技術」の三つの分野にわたる「21の習慣病」とその対策を解説し、DX(デジタルトランスフォーメーション)成功に導くためのカギを提言した一冊です。

著者は、この5年間で、少なくとも300社以上でRPA(Robotic Process Automation:ロボティック・プロセス・オートメーション)を活用した改革を支援し、成功させてきたコンサルタントです。

本書では、日本企業の多くが当てはまる現象である「習慣病」への対応策を詳細に解説していますので、ビジネスリーダーの方々が「組織全体に変革を波及させ、一人ひとりの行動や意識までを改革していく」という本来のDXを成し遂げるうえで大変参考になります。

 

本書は6章で構成されており、変われない日本企業のDXの実情を示し、日本企業に染みついた21の習慣病のそれぞれの内容と対応策を詳細に解説した後、6つの日本企業の苦労と成功ストーリーを語りながら、DXを成功に導くカギを提言しています。

  • ・第1章では、変革を阻む根本原因は人・組織に染みついた「習慣病」にあるとして、日本企業の発展の歴史を振り返り、その過程で浸透してきた固有の文化や風土、ITや新技術に対する考え方などを紐解いています。
  • ・第2章では、習慣病の一つ目の分野「業務」から、日本固有の文化である「業務の属人化」「現場重視がもたらす個別最適化」「減点主義による前例踏襲」が習慣病を生み出していることを指摘し、業務本来の目的に立ち戻って最適な形への再構築を目指すことの必要性を提言しています。
  • ・第3章では、二つ目の分野「組織・人」から、未来像のないまま組織や人事制度を設計・運用し、社内に浸透・定着した結果が習慣病となってDXを妨げているとして、全社戦略と連動した組織と人事制度の改革が急務であることを提言しています。
  • ・第4章では、三つ目の分野「IT・新技術」から、日本企業はITを「モノ」と捉える傾向にあり、システムの「お守り役」というIT人財のあり方の実態を明らかにして、DXの成否はIT・新技術との向き合い方を思い切って転換できるかにかかっていると指摘しています。
  • ・第5章では、習慣病に対して抜本的な対策を講じて、DXに取り組み、大きな成功を挙げている日本企業6社の苦労とその成功ストーリーを、CxOへのインタビューを交えながら企業変革の軌跡を紹介しています。
    紹介企業:あいおいニッセイ同和損害保険、ブラザー工業、アコム、千葉銀行、ユニバーサル ミュージック、YKKベトナム
  • ・第6章では、本書のまとめとして、DXの本質は「X」のビジネスモデルや組織構造の「変革」であるとして、新しい成功体験を積み重ねながら変革し続けられる企業へ変身することが重要であり、そのための「DXを成功に導く3つのカギ」を提言しています。

 

本書では、DX(デジタルトランスフォーメーション)にフォーカスしている。

DXとは、「RPAをはじめとしたデジタル技術を活用して、全社的に業務プロセス、組織のあり方、人の行動を改革し、新たな価値を創造できるようにすること」を意味する。

DXはともすると、新しい技術やサービス(DXの「D」)に目を奪われがちだが、その本質は「X」=変革の方にこそある。

 

変われない日本企業の実態

内部構造とは、日本企業の業務プロセスや仕事のやり方、組織形態と運営方法、意思決定法、新技術やITへの取り組み姿勢などと、それらの根底にある思考法や文化を指す。

これらは戦後の日本経済と個々の企業の成長とともに形成され、その成功体験により強化されてきたもので、無意識のレベルで組織内に浸透している。

かつては成長を支えてきた「勝ちパターン」でもあるこの内部構造が、今では、業務の目的や意味を問わない形式主義、新しいことへのチャレンジ精神を損なう減点主義につながり、様々な局面で変革の障害となっている。

DXとは、単にデジタル技術を使うことを意味するのではなく、次々と生まれてくる新しい技術を取り入れ、ビジネスや業務を変革していく力、「変革力」を組織内に形成することを意味する。

日本企業のDXが進まない大きな要因は歴史の中にあり、それは様々な技術開発や製造原価の低減に注力して「よいもの」を「安く」つくり、カイゼンを重ね、大量に生産・販売してシェアを確保するという、基本的な経営方針であったといえる。

  • ・業務と担当社員が密接に結びついている。
  • ・現場重視の姿勢がある。
  • ・前例踏襲をよしとする文化がある。

IT・新技術に関しても、日本企業では「IT=情報システム」と意訳し、技術というより「モノ」(効率化の道具)と捉える傾向がある。

第4次産業革命が始まる局面で、日本企業は新たな経営スタイルを模索すべきであったが、強烈な成功体験に依拠した習慣を捨てられず、対処療法に終始してきた。

その結果、かつての「優れた習慣」は、時代遅れの「習慣病」に変質してしまっている。

日本企業が今取り組むべきは、習慣病を一つひとつ克服して、VUCA(不安定、不確実、複雑、曖昧)の時代にふさわしい、新しい企業文化をつくり、DXに取り組んでいくことである。

 

日本企業に染みついた21の習慣病

日本企業に染みついた21の習慣病

『DXの真髄 日本企業が変革すべき21の習慣病』日経BP(2020)を参考にしてATY-Japanで作成

 

「業務」の習慣病

業務の習慣病は、「業務の属人化」「現場重視がもたらす個別最適化」「減点主義による前例踏襲」といった日本独自の文化から生まれている。

「なぜ、この業務が必要なのか」といった業務の目的に立ち戻り、改善策を出し、業務そのものを変えていくことが必要である。

習慣病1.不明瞭な観点で何度も承認

  • ・一つひとつの承認の観点が不明瞭で整理されていないため、同じ観点で何度も承認を繰り返すムダが発生している。
  • ・「承認の観点」と「責任」の明確化
    業務に必要な承認観点を明確にし、それぞれ責任を持つべき人に承認させれば、より少ない承認者で制御を利かせることができる。
    単純な照合やチェックはデジタル化し、デジタルと人がそれぞれ担う部分を見極める。

習慣病2.おもてなし精神で過剰サービス

  • ・おもてなしに合理性がなく、顧客の言われるがまま対応してしるだけとか、勝手な判断で始める「おもてなし」が非効率を招いている。
  • ・コスト意識をもってサービス水準を判断
    顧客との間の慣例は変えられないと思い込まず、誠意をもって申し入れて変え、投資対効果を考慮した合理的なサービス水準に沿って判断することも必要である。

習慣病3.些細なことまで完璧主義

  • ・重要案件もそうでない案件も同様に全力投球することで、全体の業務効率と品櫃が悪くなっている。
  • ・業務に緩急をつけて全体効率・リターンを最大化
    業務の目的や理由を明確にし、重要な業務へ注力することにより、業務の効率と品質をともに高める。

習慣病4.やめられない紙文化

  • ・紙での運用を捨てきれず受け渡しや照合が必要、紙とデジタルのフローが併存していることで負荷が増大、読めない手書き文字の解読にも時間がかかっている。
  • ・より上流でデジタル化
    できる限り上流の工程で紙をデジタル化し、デジタルオペレーションによるフローの一本化を目指す。
    誰がいつ書類の内容を承認したかの記録を残し、それらが改ざんできない仕組みを構築する。

習慣病5.長い・決められない会議だらけ

  • ・会議の目的が曖昧で、「とりあえず情報共有する」会議や「とりあえず呼んでおく」参加者が増え、結論もよくわからない。
  • ・目的にかなった会議設計・運営
    会議は目的達成のための手段であり、会議自体を目的化しないことを意識して、短時間で次の行動につなげる会議体を目指す。
    会議の時間をあらかじめルールとして決めたり、最初に会議のゴールを宣言したりする。

習慣病6.組織に合わせた縦割り業務

  • ・部門がそれぞれ同じようなデータを集計・加工するなど、プロセスが同様なのに各組織で異なるオペレーションを行っている。
  • ・組織にとらわれない業務標準化
    組織にとらわれず、プロセスベースで合理的なオペレーションを設計・共通化する。
    組織重視のマネジメントから「プロセス・機能重視」のマネジメントに切り替える。

習慣病7.職位と業務内容のミスマッチ

  • ・業務が人と密接に結びついていることなどが要因で、単純作業や判断を伴わない業務に、高い職位の人財が時間を割いている。
  • ・業務の担い手の最適化
    デジタルを組み合わせた業務フォーメーションへ変革することにより、人が単純作業から解放し、職位に合った判断業務や、より高度な業務へ再配置する。

 

「組織・人」の習慣病

未来像のないまま組織や人事制度が設計・運用され、社内に浸透・定着した結果が「組織・人」の習慣病となり、DXを妨げている。

経営戦略と連動した「人財戦略」を策定・遂行し、必要となる人財を計画的に育成することが必要である。

そのためには、人事部門の役割を、単なる人事評価・異動の「管理者」から「事業戦略のビジネスパートナー」へ移行させることが必要となる。

人事戦略では、未来定義に基づく「人財像」を設定し、いつ・どのような構成で必要となるかの「人財ポートフォーリオ」を管理し、俊敏に対応していくことが必要となる。

習慣病8.人財戦略なき人事制度

  • ・経営戦略を支える「将来の人財像・人財ポートフォリオ」が描けておらず、経営戦略と無関係な人事制度となっている。
  • ・経営戦略に基づく人財戦略・人事制度
    経営戦略に基づく人財像・人財ポートフォリオと人財マネジメント方針を描き、それに即した人事制度を構築する。
    人事部門は、事業戦略に照らして、将来あるべき事業ポートフォリオから将来のあるべき人財ポートフォリオを割り出し、事業部門で人財を大胆に異動させる要員計画を策定する。

習慣病9.パッチワークの人事制度

  • ・個々の問題を個別に手直ししてきたため、採用・配置・評価・育成・代謝の人事制度に一貫性がない。
  • ・一貫性のある人事制度
    人財戦略を拠り所にして、採用・配置・評価・育成・代謝の各制度の整合性をとる。
    人財マネジメント方針を定めたうえで、採用・配置・評価・育成・代謝の仕組みを相互に連携させる。

習慣病10.全社視点なき足し算経営

  • ・全社視点での投資配分が行われず、各事業部門の現状の資源配分を前提とした目標と結果の管理になっている。
    事業のデジタル化の際に、既存の事業部門の抵抗により、必要な資源の投入が中途半端になっている。
  • ・全社視点に基づく目標設定と資源配分
    全社経営戦略から組織単位のミッションを決定し、それに応じて目標設定と資源配分を実施する。
    全社視点の目標を設定し、それに基づいた各事業部門のミッションを定め、そのうえで予算と人という経営資源を各事業部門の目標に応じて再配分する。

習慣病11.組織間の壁を生むピラミッド構造

  • ・単一事業、量的拡大時代につくりあげてきたピラミッド組織を踏襲してきた結果、意思決定の遅延、指示待ち人財傾向、横断的視点・活動の欠如を招いている。
  • ・フラットな組織構造
    迅速な意思決定と部門を超えた共創や問題解決を実現するために、必要最小限の階層で、柔軟なチーム編成が可能なフラット型組織にする。

習慣病12.世間知らずの職人集団

  • ・ローテーションがなく、単一部門育ちの「世間知らずの職人集団」を大量排出し、経営層も担当範囲のことしかわからず全社視点が弱い。
  • ・ジョブローテーションの積極活用
    ジョブローテーションを仕組み化し、多様な経験・多様な人財との関りを持ち、経営層には多様な部門を経験し、経営者として育成した、全社視点を持てる人財を登用する。
    ゼネラリストとスペシャリストといった人財タイプごとに必要な能力を定義したうえで、求められるキャリアパスを描き、体系的にローテーションする。

習慣病13.事なかれ人事評価

  • ・目標管理制度が形骸化し、育成視点がないままに運用され、非評価者に嫌われたくない思考から、無難で平均的に寄った評価となっている。
  • ・メリハリがあり、育成につながる評価
    目標管理・評価を育成の機会と捉え、メリハリのある評価を下し、適切にフィードバックする。
    評価に当たっては、能力に対する評価と目標達成に対する評価を切り分け、期間業績評価はあくまでもその期間における目標達成を基に判断する。

習慣病14.自分で考えない指示待ち人事

  • ・学校教育やこれまでの企業運営の結果として、自ら思考・行動する力が弱まっている。
  • ・挑戦する機会づくりと称賛
    人財マネジメント方針・人事制度全域を見直し、通常業務とは異なる分野・拠点・人の中で挑戦・創造する経験を積ませる。
    失敗を恐れず、新たなことにチャレンジできる精神、新たなものを生み出すことができる能力を養える環境をつくる。

 

「IT・新技術」の習慣病

企業内おけるIT人財の役割は、日本企業ではシステム「お守り役」にすぎないが、欧米企業では「高度な技術力を持ち、自社事業に精通するイノベーション人財」という位置づけとなっている。

DXを推進していくうえでは、IT・新技術との向き合い方を経営者自身が認識することが必要である。

そして、IT部門を社内に不可欠な機能の一つと位置づけ、ITに関する組織ミッション、人財育成の考え方、導入・開発プロセスなどを抜本的に変革し、IT・新技術を活用してイノベーションを起こす体制や文化に転換していくことが必要である。

習慣病15.IT戦略なきIT投資

  • ・将来の経営・事業に対してITでどのように貢献するかが不明確で、IT戦略・施策をIT部門に任せきりで経営課題として語られていない。
  • ・経営戦略に貢献するIT戦略
    IT戦略を経営課題として捉え、経営層がビジネス戦略と一体で論じる。
    企業全体としてビジネスにITをどう活用していくのか、それによって将来の価値創出をどう実現していくのか、そのためにどのようなIT投資が必要となるのかを明確にしたIT戦略を策定する。

習慣病16.責任・検証なき投資プロセス

  • ・投資に対する効果が問われず効果検証も行われていない、経営層・IT部門・ユーザー部門それぞれの責任が曖昧である。
  • ・効果重視の投資・検証プロセス
    事業投資と同様に効果検証プロセスを整備するとともに、ユーザー部門に実行後の効果の獲得までの責任を持たせる。
    ユーザー部門がIT投資に対する目的意識を明確にし、経営層が投資対効果を適切に検証できるプロセスを整備する。

習慣病17.「つくる」ことが目的化

  • ・ITプロジェクトは「システム稼働をもって終了」という認識で、結局ユーザーに使われず、投資に見合う効果が得られていない。
  • ・「つくる」より「使う」が大事
    システム開発(ものづくり)だけではなく、「使わせて効果を出す」までをPJチームがコミットする。
    DXプロジェクトのゴールは稼働ではなく、ユーザー部門に使わせる施策を打ち、ユーザーが使うのを見届け、効果を確認することである。

習慣病18.過剰な完璧主義・安全志向

  • ・「リスクをとってやってみる」ができず、失敗を恐れ、あらゆる案件で必要以上に完璧主義・安全志向となっている。
  • ・アジャイル型PJ推進
    「まず試してみる」「試してダメなら戻せばよい」の思想を持ち、新技術の試用・検証サイクルを短期間で回す。
    IT部門を中心とする開発チームと、システムを利用するユーザー部門が一体となってプロジェクトを推進し、必要最低限の機能を備えたプロトタイプシステムをつくって実際に試用し、開発・導入・検証のサイクルを短期間で回す。

習慣病19.同業他社との横並び

  • ・IT・新技術について、同業他社の取り組み状況や実績しか見ていない。
  • ・業種を超えた情報収集・共創
    技術活用を競争力の源泉と捉え、視野を広げて情報収集し、業種を超えて共創することで自らが事業や市場を創造する。
    業界の横並び意識を捨て、自社なりの判断基準を持つ。

習慣病20.ベンダー依存体質

  • ・「内」と「外」に持つべきノウハウの基本方針が確立されておらず、ベンダー任せになっている。
  • ・自社主体の推進プロセス確立
    構想策定から自社で主導し、必要な情報や開発リソースを必要な分だけ適切なベンダーから調達する。
    ベンダー依存体質から脱却し、自社主体のIT推進プロセスを確立する。

習慣病21.低いIT・デジタルリテラシー

  • ・「ITは特殊なもの」という固定概念から、全社的にIT・デジタルリテラシーが低く、向上意識や向上機会もない。
  • ・IT・デジタル活用機会の拡充
    あらゆる階層に対して触れる・学ぶ・経験する機会を拡充し、全社的なIT・デジタル活用力を向上する。
    ビジネスや業務の視点からうまく活用しようとするセンス、使えそうなツールや技術を敏感にキャッチするアンテナ、成果を生み出すために求められるノウハウなど、技術面の知識以外の要素を養う。

 

成長期に形成された「単一事業・量的拡大モデル」というべき、日本企業の経営スタイルは、長く続いた成功体験によって深く浸透し、強化され、無意識のうちに行動や思考を制御する習慣病と化していた。

90年代半ばに起こった「第4次産業革命」の局面では、大量生産・大量消費による成長期が終焉し、VUCAの時代が到来したが、日本企業は新たな経営スタイルを生み出すことができず、表面的な対応に終始した。

結果として、かつて成長を支えた習慣は「習慣病」に転じ、変革を阻む足かせとなっている。

これが「失われた20年(30年になりつつあるが)」の本質である。

 

まとめ(私見)

本書は、経験豊富なコンサルタントの著者らが、「業務」「組織・人」「IT・新技術」の三つの分野にわたる「21の習慣病」とその対策を解説し、DX成功に導くためのカギを提言した一冊です。

日本企業の多くが当てはまる現象である「習慣病」への対応策を詳細に解説していますので、ビジネスリーダーの方々が「組織全体に改革を波及させ、一人ひとりの行動や意識までを改革していく」という本来のDXを成し遂げるうえで大変参考になります。

本書は、『RPAの威力 ~ロボットと共に生きる働き方改革~(日経BP、2017年11月)』『RPAの真髄(日経BP、2019年1月)』に続く第三弾となります。

前著では、RPAの活用を部分的な自動化ツール導入ではなく「全社改革の契機」として捉え、多くの成果をあげている企業の分析から共通する成功の秘訣を明らかにしているのに対し、本書では、RPAをはじめとするデジタル技術を活用し、業務プロセス、組織のあり方、人の行動を全社的に変革し、新たな価値創造に向けたDXに焦点を当てています。

VUCA(不安定、不確実、複雑、曖昧)の現代では、単発の変革を成功させることではなく、絶え間ない変化に対して継続的に変革し続けていくことが必要となります。

そのためには、社員一人ひとりが変革し続ける力を身に着け、それが企業文化となり、組織としての意思決定の判断軸となっていくことが重要となります。

 

DXというと、多くは「D」の新しいデジタル技術を活用した取り組みや事例が出てきますが、本書は「X」の変革に重心を置いており、しかも代表的な日本企業の体質の改革策を提言しています。

本書であげている「21の習慣病」は、多くの企業で当てはまることであり、最新のデジタル技術を紹介したものではありませんが、実際に多くの変革を支援してきた著者ならではの現実的(本質的)な改革策を詳細に語っています。

特に、日本企業のDXが進まないのは内部構造にあるとして、日本企業の業務プロセスや仕事のやり方、組織形態と運営方法、意思決定法、新技術やITへの取り組み姿勢などに加え、それらの根底にある思考法や文化に切り込んでいます。

その意味においては、理論や戦略的な書籍ではなく、実務書として活用できる一冊です。

 

RPAとは、Robotic Process Automation(ロボティック・プロセス・オートメーション)の略語で、ソフトウェアのロボットが情報システムのオペレーションを代行・自動化する概念として、近年多くの企業で導入されているツールです。

 

目次

この本を手にしたあなたへ

はじめに

第1章 「変われない日本企業」のDXの実態

 1-1 日本企業の発展の歴史に「変われない原因」がある
 1-2 第4次産業革命によりデジタルと共創の時代が始まる

第2章 「業務」の習慣病

第3章 「組織・人」の習慣病

第4章 「IT・新技術」の習慣病

第5章 変革を遂げた先進6社の取り組み

 5-1 あいおいニッセイ同和損害保険
 5-2 ブラザー工業
 5-3 アコム
 5-4 千葉銀行
 5-5 ユニバーサル ミュージック
 5-6 YKKベトナム

第6章 DXを成功に導くカギとは

 6-1 DXとはデジタル技術を活用することなのか
 6-2 DXを成功に導く3つのカギとは
 6-3 DXで日本企業復活へ

おわりに

 

参考

DXの真髄 日本企業が変革すべき21の習慣病|日経BPブックナビ

書籍『DXの真髄 日本企業が変革すべき21の習慣病』発売 | アビームコンサルティング

 

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