NECの2017年度第3四半期決算、パブリック部門の伸長で増収増益し、通期予想も上方修正

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本日(2018年1月30日)、NECから2017年度第3四半期決算(2017年4月1日~12月31日)と通期予想が発表されましたので、概況を整理します。

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パブリックとシステムプラットフォームの2事業部門が増収増益になったことなどにより、全体では増収増益となりました。

このパブリック事業部門の増収増益は、2017年1月に日本航空電子工業を連結子会社にした影響で上乗せがあったとしています。

一方、製造業や流通業、金融業など企業向けの「エンタープライズ」事業部門、通信事業者向けの「テレコムキャリア」事業部門は、減収減益となりました。

そして、2017年度の通期決算予想は、売上高及び営業利益、純損益の全ての指標を上方修正しています。

また、今回の決算発表に合わせて、「2020中期経営計画」も発表されました。

「2018中期経営計画」では、2018年度の目標は売上高が3兆円、営業利益を1,500億円としていましたが、特に営業利益の2017年度予想では600億円となっており、達成は困難な状況にあります。

「2018中期経営方針」では、「収益構造の立て直しとして営業利益率5%を実現する収益構造の立て直し」、「成長軌道への回帰として注力事業への集中」を挙げていましたが、改善目標は概ね順調としながら、既存事業が予想以上に落ち込んでいると評価しています。

そこで、「2020中期経営計画」として、成長軌道に回帰するために必要な投資を実現するべく、固定費の削減を含む抜本的な収益構造改革に踏み切るとし、2020年度の売上高3兆円、営業利益1,500億円(利益率5%)を目標としています。

 

NECの2017年度第3四半期(2017年4月1日~12月31日)の決算概要は、以下の通りです。

売上高は、前年同期に対して1,768億円(9.9%)増の1兆9,713億円

営業損益は、同313億円増の143億円

純損益は、同204億円増の176億円

2017年度の通期決算予想は、売上高及び営業利益、純損益の全ての指標を上方修正しています。

  • ・売上高:2兆8,300円、営業損益:600億円、純損益:400億円
  • ・売上高は、前回予想から300億円上方修正しています。
    これは、指名停止の影響減200億円に加え、新規連結子会社の改善200億円などによるものです。
  • ・営業損益の100億円上方修正は、指名停止の影響減で50億円、新規連結子会社の改善で60億円、不採算案件の発生で△30億円、構造改革及び戦略投資などによるものです。
  • ・純利益の50億円上方修正は、営業利益の改善などによるものです。

 

売上高、営業損益、純損益(2017年度第2四半期累計)

売上高、営業損益及び純損益ともに、全指標増収増益となっています。

売上高は、前年同期に対して1,768億円(9.9%)増の1兆9,713億円

  • ・パブリックとシステムプラットフォームの2事業部門が増収となったことにより、全体では増収となっています。
  • ・なお海外売上比率は、26.9%(前年同期20.9%)となっています。

営業損益は、前年同期に対して313億円増の143億円

  • ・エンタープライズやテレコムキャリアの2事業部門が減益したものの、パブリックやシステムプラットフォーム、その他が増益したことにより、全体では増益となっています。

純損益は、前年同期に対して204億円増の176億円

  • ・営業利益の増益などが寄与して、全体では増益となっています。

 

セグメント別(2017年4月1日~12月31日)

セグメント別では、パブリックとシステムプラットフォーム及びその他の3事業部門が増収増益となり、エンタープライズとテレコムキャリの2事業部門が減収減益となっています。

 

パブリック事業

売上高:前年同期比39.6%増の6,299億円(営業損益:同155億円増の208億円)

  • ・売上高は、社会公共領域は消防・防災システムなどが減収したものの、社会基盤領域は日本航空電子工業の連結子会社化などにより増収し、全体では増収となっています。
  • ・営業損益は、売上が増加したことなどによります。

 

エンタープライズ事業

売上高:前年同期比2.5%減の2,912億円(営業損益:同12億円減の251億円)

  • ・売上高は、流通・サービス業向けの減収などにより、全体では減収となっています。
  • ・営業損益は、売上の減少に加え、IoT関連の投資費用の増加などにより減益となっています。

 

テレコムキャリア事業

売上高:前年同期比3.1%減の4,032億円(営業損益:同14億円減の10億円)

  • ・売上高は、海外においてTOMS(通信運用管理ソリューション)が増加したものの、モバイルバックホール(パソリンク)や海洋システムが減収したことに加え、国内の通信事業者の設備投資が低調に推移したことなどにより、全体では減収となっています。
  • ・営業損益は、売上が減少したことなどによります。

 

システムプラットフォーム事業

売上高:前年同期比0.9%増の5,088億円(営業損益:同79億円増の155億円)

  • ・売上高は、大型案件の影響に伴いハードウェアが増加したことなどにより、全体では増収となっています。
  • ・営業損益は、売上高の増加に加え、費用の効率化などにより、全体では増益となっています。

 

その他

売上高:前年同期比10.9%増の1,382億円(営業損益:同56億円改善の△110億円)

  • ・スマートエネルギー(電極、蓄電システム、ユーティリティ向けソリューションなど)などの事業を含んでいます。
  • ・売上高は、海外向けセーフティ事業が増加したことなどにより、全体では増収となっています。
  • ・営業損益は、売上の増加に加え、費用の効率化などにより改善しています。

 

その他

親会社の所有者に帰属する持分は8,746億円(持分比率32.3%、2017年3月末比0.4ポイント改善)

  • ・総資産:2017年3月末に対し263億円増の2兆7,103億円
  • ・負債:同5億円減の1兆6,675億円

現金及び現金同等物の期末残高は、2017年3月末の2,400億円に対し788億円増の3,188億円(前年同期:2,187億円)

  • ・フリーキャッシュ・フローは、前年同期比314億円増の382億円
    営業活動によるキャッシュ・フロー:同233億円増の202億円
    投資活動によるキャッシュ・フロー:同81億円増の180億円
  • ・財務活動によるキャッシュ・フローは、386億円

 

2017年度の通期決算予想

2017年度の通期決算予想は、売上高及び営業利益、純損益の全ての指標を上方修正しています。

  • ・売上高:2兆8,300円(対前年度:6.2%増)
  • ・営業損益:600億円(同:182億円)
  • ・純損益:400億円(同:127億円)

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エンタープライズとテレコムキャリアの2事業部門の減収はあるものの、パブリックやシステムプラットフォーム事業部門などの増収によるものです。

  • ・売上高は、前回予想から300億円上方修正しています。
    これは、指名停止の影響減200億円に加え、新規連結子会社の改善200億円などによるものです。
  • ・営業損益の100億円上方修正は、指名停止の影響減で50億円、新規連結子会社の改善で60億円、不採算案件の発生で△30億円、構造改革及び戦略投資などによるものです。
  • ・純利益の50億円上方修正は、営業利益の改善などによるものです。
  • ・なお、期末配当予想は、前回予想(1株につき60円)から変更はありません。

パブリック事業

  • ・売上高:前年度に対し1,888億円増の9,550億円(営業利益:同198億円増の530億円)
  • ・売上高は、社会公共領域は指名停止の影響により減収を見込むものの、社会基盤領域は日本航空電子工業の連結子会社化などによる増収を見込んでいます。
  • ・営業利益は、売上増に加え、宇宙事業の採算性改善や前年の偶発損失引当金繰入等の減少などにより増益を見込んでいます。

エンタープライズ事業

  • ・売上高:前年度に対し36億円減の4,050億円(営業利益:同57億円減の340億円)
  • ・売上高は、製造業向けが前年の大型案件の売上減により減少し、全体では微減を見込んでいます。
  • ・営業利益は、売上減に加え、IoT関連の投資費用の増加などにより減益を見込んでいます。

テレコムキャリア事業

  • ・売上高:前年度に対し304億円減の5,700億円(営業利益:同51億円減の130億円)
  • ・売上高は、海外のTOMSが伸長するものの、モバイルバックホールや海外システムの減収、国内は通信事業者の設備投資が低調に推移したことなどにより、全体では減収を見込んでいます。
  • ・営業利益は、売上減などにより、全体では減益を見込んでいます。

システムプラットフォーム事業

  • ・売上高:前年度に対し988億円減の7,100億円(営業利益:同24億円増の320億円)
  • ・売上高は、指名停止の影響に加え、携帯電話端末事業などのハードウェアの減収を見込んでいます。
  • ・営業利益は、売上減に伴う減益はあるものの、費用効率化などにより、全体では増益を見込んでいます。

その他

  • ・売上高:前年度に対し200億円増の1,900億円(営業利益:同50億円改善の△150億円)
  • ・売上高は、海外事業やスマートエネルギー事業で増収を見込んでいます。
  • ・営業利益は、IoT基盤の投資費用の増加があるものの、スマートエネルギー事業の改善に加え、海外事業の採算性改善を見込んでいます。

 

電機各社の決算発表

富士通 株式会社(2018年1月31日発表)

日本電気 株式会社(2018年1月30日発表)

株式会社 日立製作所(2018年1月31日発表)

株式会社 東芝(2018年2月14日発表)

ソニー 株式会社(2018年2月2日発表)

パナソニック 株式会社(2018年2月5日発表)

三菱電機 株式会社(2018年2月2日発表)

シャープ 株式会社(2018年1月31日発表)

 

 

電機とITの決算

2018.2.18 2017年度第3四半期決算:ソニー、パナソニック、シャープ

2018.2.15 2017年度第3四半期決算:日立、東芝、三菱電機

2018.2.10 NEC「2020中期経営計画」達成には相当の努力が必要

2018.2.03 2017年度第3四半期決算:富士通

2018.2.01 NECが「2020中期経営計画」を発表

2018.1.30 2017年度第3四半期決算:NEC

 

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