日立製作所と東芝及び三菱電機の2017年度第3四半期決算(2017年4月~12月)と通期予想

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日立製作所東芝三菱電機から2017年度第3四半期決算(2017年4月1日~12月31日)と通期予想が発表されましたので、概況を整理します。

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日立製作所と三菱電機ともに主力事業が好調で、第3四半期は前年同期に対して増収増益となり、三菱電機は通期予想を前回予想から上方修正しています。

東芝の第3四半期は、前年同期に対して売上高及び営業利益ともに減収減益となったものの、純損益は大幅に改善して黒字となっています。、

通期予想は、メモリ事業を非継続事業へ組み替えたことなどにより、売上高及び営業利益は前回予想から下方修正し、純利益はウェスチングハウス社関連債権譲渡による売却益とメモリ事業の分割に伴う税額影響の減少などにより、一転黒字に大幅上方修正して7期ぶりに最高益を更新しそうです。

電機とITの決算 ≫ 日立、東芝、三菱電機の2017年度第3四半期決算

 

2017年度第3四半期(2017年4月1日~12月31日)の各社の決算概況は、以下の通りです。

 

日立製作所

2017年度第3四半期累計

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売上高は、前年同期比2.4%増の6兆6,740億円となっています。

日立物流、日立キャピタル、日立工機の事業ポートフォリオ再編影響及び為替影響を除けば、前年同期比5%の増加としています。

国内は前年同期比3%減の3兆1,905億円、海外は8%増の3兆4,835億円(海外売上比率は52%)で、事業ポートフォリオの再編影響や為替影響を除くと、国内は前年並、海外は9%増となっています。

海外で伸びが高かったのは、アジア地域で10%以上の増加となり、特に中国は建設機械、オートモービルが大きく伸びたとしています。

営業利益は、前年同期比1,014億円増の4,746億円となり、第3四半期累計としては過去最高値となっています。

再編影響と為替影響を除くと、前年同期比1,054億円の増加となり、情報・通信システム、社会・産業システム、建設機械の3部門が、営業利益の改善に大きく貢献しています。

また、当期純利益についても、2,586億円で過去最高値となっています。

IoT中心の基盤サービス「Lumada」関連の事業も順調

  • ・売上高は6,770億円で、その内Lumadaコア事業が1,340億円、Lumada SI事業が5,430億円となったとしています。
  • ・年間見通しの9,500億円に対する進捗率は71%(当初計画の65%を上回る状況)
  • ・「Hitachi AI Technology/計画支援サービス」では、新日鉄住金との共同実証を推進
  • ・住信SBIネット銀行とAIを活用した審査サービス創出に向けた検討を開始
  • ・2018年4月には、ファナックおよびPreferred Networkと合弁会社を設立する予定で、産業・社会インフラ分野向けインテリジェント・エッジ・システムの開発を目指す

事業ポートフォリオの改革状況

  • ・2017年12月買付け終了
    HKEホールディングスによる日立国際電気の公開買い付けを終了
  • ・2018年1月買収完了
    画像診断のデータ分析などを行う米VidiStarを買収完了
  • ・2018年3月株式譲渡予定
    ネットワーク機器の開発などを手掛けるアラクサラネットワークスの株式を日本産業パートナーズに譲渡予定
  • ・2018年4月買収予定
    ヘルスケア事業において、三菱電機の粒子線治療システム事業を買収予定

 

2017年度の通期決算予想

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2017年度の通期決算予想は、前回予想を据え置き(部門別では一部見直しあり)

  • ・営業利益の上方修正
    情報・通信システムは90億円、建設機械は200億円
  • ・営業利益の下方修正
    社会・産業システムは50億円、高機能材料は150億円、オートモーティブシステムは90億円

なお、来年度(2019年3月期)は中期経営計画の最終年度となり、営業利益率8%、純利益4,000億円の目標に対して、「十分に狙えるベースができたものの、さらなる収益アップを目指す」としています。

しかし、南アフリカでの石炭火力発電プロジェクトをめぐって三菱重工業から支払いを求められている費用(約7,743億円)の負担問題、英国で進める原子力発電プロジェクト・ホライズンの非連結化、という2つの解題解決の動向次第では、今後の業績に影響がありそうです。

 

東芝

2017年度第3四半期累計

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売上高と営業利益は減収減益となり、純損益は前年同期の5,325億円の赤字から今期270億円の黒字へ浮上しています。

売上高は、前年同期比1.2%減の2兆8,003億円となっています。

ストレージ&デバイスソリューション部門などが増収したものの、エネルギーシステムソリューション部門がランディス・ギア・グループの株式上場による連結除外の影響で減収に、インフラシステムソリューション部門の減収が影響しています。

特に営業利益は、緊急対策の規模縮小の影響があり、前年同期比266億円減の496億円となっています。

非継続事業当期純損益について、メモリ事業が営業利益の37%に相当する利益を達成したものの、会社分割に伴う税額影響を反映し△273億円となり、純損益は、前年同期比5,596億円改善して270億円と黒字となっています。

 

2017年度の通期決算予想

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売上高、営業利益、税引前当期純利益ともに大幅に下方修正し、当期純利益は一転黒字に上方修正しています。

当期純利益で約4,200億円改善

  • ・2018年1月22日に完了したウェスチングハウス社(WEC)関連債権譲渡による売却益約2,400億円(税控除後で約1,700億円)
  • ・メモリ事業の分割に伴う税額影響の減少による約2,400億円
  • ・LC Collateral SPV LLCの譲渡による売却益約113億円

継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況は解消したと判断し、繰延税金資産約1,100億円を計上して純利益見込みが改善

  • ・メモリ事業の譲渡実現性が高まったこと、WEC関連債権譲渡の実現及び増資が完了したことなどで、資金繰りや債務超過による財務体質への懸念が解消
  • ・特定建設業の許可等を有している会社を承継会社とした会社分割を行うなどの対策により、特定建設業の許可等が得られないことで生じる事業への悪影響の懸念を解消

メモリ事業を非継続事業へ組み替えたことにより、売上高で△10,900億円、営業利益及び税引前当期純利益でそれぞれ△4,400億円の影響

  • ・株式譲渡が2018年3月末までに完了した場合は、約10,800億円(税引前)の改善影響があることを公表しているものの、改善影響については織り込まない
  • ・メモリ事業の分割に伴う2017年度通期の税額費用のみを織込む

本業に関しては堅調に推移しているとして、前回予想値に対して以下を織り込んでいます。

  • ・売上高は200億円、営業利益は100億円の改善
  • ・税引前当期純利益は、東芝映像ソリューション株式会社の株式譲渡による売却益などによる合計600億円の改善
  • ・当期純利益は、税引前当期純利益の改善に加え、株式の譲渡による税額影響などの400億円を加えた1,000億円の改善

 

三菱電機

2017年度第3四半期累計

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売上高は、重電システム部門、産業メカトロニクス部門、電子デバイス部門及び家庭電器部門の増収などにより、全体では前年同期比6%増の3兆1,150億円となっています。

国内外の景気としては、中国は横ばい、米国では堅調な拡大、日本や欧州では緩やかな回復基調で推移したとしています。

営業利益は、重電システム部門、産業メカトロニクス部門、情報通信システム部門及び電子デバイス部門の増益により、全体では前年同期比568億円増の2,324億円となっています。

税引前純利益は、営業利益の増加に加え、ルネサス エレクトロニクス株式売却益の計上や為替差損益の改善などにより、前年同期比810億円増の2,772億円となっています。

重電システム部門は増収増益

  • ・社会インフラ事業は、海外の電力事業や国内の交通事業の減少などにより、受注は前年同期を下回ったものの、売上は前年同期並みとなっています。
  • ・ビルシステム事業は、受注は前年同期並みとなり、国内のリニューアル事業及び海外の昇降機新設事業等が堅調に推移したことにより、売上は前年同期を上回っています。

産業メカトロニクス部門は増収増益

  • ・FAシステム事業は、韓国などでの有機EL関連や中国でのスマートフォン・電気自動車関連の設備投資の増加に加え、国内の機械メーカーによる輸出が堅調に推移したことが貢献しています。
  • ・自動車関連事業は、北米における新車販売台数の減少があったものの、中国での日系自動車メーカーの販売増加や円安の影響によるものとしています。

一方、情報通信システム部門は減収増益

  • ・通信システム事業は、通信インフラ機器の需要減少などにより、受注・売上ともに前年同期を下回っています。
  • ・情報システム・サービス事業は、システムインテグレーション事業等の増加により、売上は前年同期を上回っています。
  • ・電子システム事業は、防衛システム事業の大口案件の増加などにより、受注は前年同期を上回ったものの、防衛・宇宙システム事業の大口案件の変動などにより、売上は前年同期を下回っています。

 

2017年度の通期決算予想

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2017年度の通期決算予想は、全指標を前回予想から上方修正

円安の影響に加え、アジアでの設備投資需要などの増加を背景とした産業メカトロニクス部門の伸長などにより、前回予想値を上回る業績が見込まれるためとしています。

 

2017年度(2018年3月期)

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電機各社の決算発表

富士通 株式会社(2018年1月31日発表)

日本電気 株式会社(2018年1月30日発表)

株式会社 日立製作所(2018年1月31日発表)

株式会社 東芝(2018年2月14日発表)

ソニー 株式会社(2018年2月2日発表)

パナソニック 株式会社(2018年2月5日発表)

三菱電機 株式会社(2018年2月2日発表)

シャープ 株式会社(2018年1月31日発表)

 

 

電機とITの決算

2018.2.18 2017年度第3四半期決算:ソニー、パナソニック、シャープ

2018.2.15 2017年度第3四半期決算:日立、東芝、三菱電機

2018.2.10 NEC「2020中期経営計画」達成には相当の努力が必要

2018.2.03 2017年度第3四半期決算:富士通

2018.2.01 NECが「2020中期経営計画」を発表

2018.1.30 2017年度第3四半期決算:NEC

 

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