クラウド 国内データセンターに期待 - 従来のデータセンターとは違った形態をとることが必要

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20100507

近年、注目されているクラウドコンピューティング

このクラウドコンピューティングをささえるデータセンターも、従来のアウトソーシングを想定したデータセンターとは違った形態をとることが必要となります。

クラウドコンピューティングにおいては、

  • ・契約時に合意したサービスレベルを、センター側が満たしているかどうかをユーザーがチェックするだけです。
  • ・ユーザーの業務量やデータ量に応じて、ダイナミックもしくははオンデマンドで、必要なITリソースがアロケートされます。

そこで、クラウド・データーセンターに求められる主な要件は、信頼性、セキュリティ、運用性、拡張性、省電力があります。

特に国内ベンダーは、先行する米国ベンダーに比べるとスケーラビリティと価格の両面では苦戦することが予想され、対応策としては拡張性と省電力への対応が必要となります。(前回、当ブログでの指摘

なお、省電力を示す指標として、PUE(Power Usage Effectiveness)があります。

  • ・一般的に日本のデータセンターは平均2.3~2.5程度といわれていますが、
  • ・GoogleやMicrosoftなどのクラウドのリーダー企業は、1.2程度です。

省電力を示す指標のPUEは、

PUE = データセンター全体の消費電力 IT機器の消費電力

という計算式で、最も効率が良いセンターはPUEが1.0となります。

1.0以上になる要因は、空調装置、電力設備、照明装置、監視装置などが消費する電力がデータセンター全体の消費電力を押し上げているためです。

クラウドのリーダー企業が1.2という数値を達成しているのは、外気を利用して機器の冷却をするなど、消費電力を極力低減する努力をしているためです。

GoogleはPUEが1.13~1.2、MicrosoftのシカゴのDC(Web専用、サーバー50万台)は1.2といわれているのに対し、国内データーセンターは平均2.3~2.5程度で、最近発表したIBMが1.8、日立が1.6となっている状況です。

そんな中、さくらインターネット㈱[1999年設立、本社大阪市]が、クラウドコンピューティングに最適化した郊外型大規模データセンターを北海道石狩市に建設し、2011年秋竣工を予定すると発表しました。

このデーターセンターが目論見通り稼動すれば、インフラにおける日本のITコストを一気に世界標準にまで押し下げることが可能になりそうです。

具体的には、

  • ・東京ドームの約1.1倍という広大な敷地を活かし、スケールメリットと柔軟性の高いデータセンターを実現(延床面積6,325㎡(1期棟)、最大8棟まで増築可能)
    最終的には60万台以上のサーバが稼働する計算となる。
  • ・北海道の低温外気を活用することにより通年外気冷房のみで1.11、夏季に従来型の空調運転をおこなった場合でも1.21を実現。

国内ベンダーのセンターは、都市型や都市近郊の立地で作られる場合がほとんどで、海外のセンターと比較して高コスト・低効率となる主な理由となっています。

今回のコストと効率性を特に追求したさくらインターネット㈱の取り組みが、ユーザー側にどの様に受け入れられるか、引き続き注目していきたいと思います。

特に、センター設置場所が沿岸部の北海道石狩市であり、緊急時対応への距離感、第三国からの攻撃の可能性など、ユーザー側の評価が分かれるところではないでしょうか?

 

参考:さくらインターネット㈱ 発表

 

 

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