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衰退産業・崖っぷち会社の起死回生
遠藤 咲子(著)
出版社:日本経済新聞出版社
生き残る道は、本業強化にあった!
成熟企業にもまだまだ成長の「伸びしろ」はある。
崖っぷちから復活するために経営は何を見直したのか?
成熟産業でも生き残る道はある!
放っておけば倒産するのは明らかなのに、延命措置で危機感は乏しかった大企業子会社が、スポンサーシップの変革で「どのようにして再生し、活路を開いたか」を描いた復活ドラマです。
風土改革で実績豊富な㈱スコラ・コンサルタントに所属し、プロセスデザイナーとして活躍中の著者が、ご自身が支援された企業の再生記であり、風土改革のポイントが随所に整理されています。
実際の風土改革では、トップや社員の方々との議論や場の盛り上げなどが重要であり、書物からはノウハウを得ることは困難です。
しかし、そのプロセスやポイントは、本書から参考にすることができます。
衰退産業の子会社トップが「あきらめの縮小計画」を捨て、事業と戦力(人・風土)の両輪改革で、社員と一緒に会社を蘇らせていくプロセス
- ・山積する問題ばかりに目を向けるのではなく、自社の「強み」を徹底的に探ってポテンシャルを引き出す。
- ・市場創造と戦力強化を一体で進めるマネジメントで現場のブレイクスルーを生み出す。
- ・経営課題の先送りをやめて利益体質をつくる。
- ・判断基準を「顧客本位」に変えることで成熟市場を掘り起こす。
- ・ないない尽くしの会社に潜む「回生の底力」を呼び起こす。
自分たちが会社を守らなければ、本当に明日はなくなると気づいた現場の人たちの自発的な行動と、それをスポンサーシップで支える経営陣との協働
そのための視点は、
- ・成功の機会をつくり出すことができる「戦力(リソース)」
今ある人材のポテンシャルを信じ、本来持っている力をどのようにして引き出し、いかにチーム化していくか。
- ・市場で勝つための「本業」の見直し方
本業が時間をかけて育ててきた強みや特性、社員や経営のこだわり、思いがイノベーションの機会をつくり出す。
企業が存在し続けるための要件
「われわれは何のために社会に存在するのか」と自分に問い続け、創造を繰り返しながら、生きる理由を具体化していく。
企業の盛衰のカギ = 経営の意志と実行
㈱スコラ・コンサルタントは、「組織風土・体質の問題解決」を支援しているコンサルタント集団。
危機突破の風土改革ドラマ「なぜ会社はかわれないのか」柴田昌治(著)などがあり、特に「オフサイトミーティング」はよく知られています。
オフサイトミーティングのルール(参加者が考え話し合いやすい状態をつくる)
- ・人の話にじっくりと耳を傾ける
- ・肩書きをはずして、立場を離れる
- ・一人称で、自分の言葉で喋る
- ・正論(あるべき論)ばかりを言わない
- ・気持ちをキャッチボールする
- ・結論を出すことをノルマにしない
- ・無理に流れを仕切らない
プロセスデザイナー
トップ ⇔ スポンサー ⇔ コアネットワーク
風土改革のプロセス
立ち上げ → 風土改革の実行 → ふり返り → 維持・定着・発展
立ち上げ
- ・改革実施部門の選定:スポンサー(役員・部長クラス)を特定する
- ・風土改革に対する社内の理解を促進する
風土改革の実行
- ・コアの発掘:候補者をリストアップし、ミーティングを実施する
- ・コアネットワークの構築:スポンサー、コアのミーティングを実施する
- ・変革構想づくり(シナリオと成果イメージ):コアミーティングを実施する
- ・トップ、スポンサーの意思(経営の軸)の表明:
変革構想をもとに「こう変わろう」を見える形にする
- ・他部門への拡大
他部門の巻き込み:関連部門に働きかけて課題実行を促進する
活動の横展開:成功例に基づき、他部門でスタートする
ふり返り
- ・レビュー:活動成果を整理しナレッジとして使えるものにする
今後の課題を明らかにする
- ・レビュー内容の共有:トップ、スポンサー、コアによるミーティングを実施する
維持・定着・発展
- ・スポンサー、コアの増殖:活動と得られたナレッジを継承するための場をつくる
- ・制度や仕組みの整備:
新たな価値観を定着させるための制度や仕組みを見直す
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