書籍　本当に使える経営戦略・使えない経営戦略/山田修(著)

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本当に使える経営戦略・使えない経営戦略

山田修(著)
出版社:ぱる出版(2013/4/13)
Amazon.co.jp：本当に使える経営戦略・使えない経営戦略

9割の経営者が勘違いしている！

ポーターから楠木建まで、著名戦略セオリーの有効性と限界を読み解く！

本書は、37歳から57歳までの22年の間に外資4社と日本企業2社の6社の社長を歴任し「企業再生請負人」と評された著者が、これからの10年、実戦で使える経営戦略立案の具体的な方法を示した一冊です。

どの戦略を捨て、どれを使うか。経営者の力量が試される。

マイケル・ポーター以来、知られている主な経営セオリーを取り上げ、それぞれの限界や実経営にそぐわない点を挙げ、その理由が述べられています。

さらに、実際の経営に貢献できる経営セオリーを指摘するとともに、その活用方法も示されています。

本書は、著者が社長として、実務の中で苦労されてきた経験からくるもので、非常に切れ味よく納得感があります。

特に戦略立案に悩んでいる経営者やビジネスリーダーの方々にとって、新たな気づきを得ることができ、実践に向けたヒント満載の一冊です。

身近な事例を戦略セオリーと対比しながら解説されていますので、経営戦略を理論的に学ぶことができます。

ユニクロの成功要因と今後の課題、富士フィルムとコダックの戦略展開の明暗、星野リゾートのコンセプト経営、ヤマダ電機とシャープの戦略レベルの違いなど、戦略全般を学ぶことができ、経営視点での力量を磨くことができます。

有名な経営理論やフレームワークについて、わかりやすく整理されていますので、各フレームワークの大意を理解することができます。

「コア・コンピタンス経営」「ゲーム理論」「ブルー・オーシャン戦略」「ポーターの競争戦略」「環境分析フレームワーク（7C、3C、SWOT、PEST分析など）」「マーケティングの4Pや4C」「プロダクト・ライフサイクル」「プロダクト・ポートフォリオ（PPM）」など、それぞれの限界や実経営にそぐわない点とその理由を解説し、貢献できるフレームワークについての活用ポイントを理解することができます。

「戦略カード」と「シナリオ・ライティング」で自社戦略を立て、経営セオリーである「繁栄の黄金律」で、業績を伸ばす。（回復させる）

「フレームワークからだけでは戦略は出てこない」という著者の認識のもと、実務経験から編み出されたものであり、実践的かつ多くの企業で活用できると感じました。

重要なのは、フレームワークで整理した風景から押し進んでいって、当社が必要とするアクション・プランを立ち上げられるか、ということなのです。
つまり、経営戦略に進んでいけるか、経営戦略が出てくるか、ということです。

以前、当グログでご紹介した書籍『世界の経営学者はいま何を考えているのか　知られざるビジネスの知のフロンティア』（入山章栄、英治出版、2012/11/13)や『ヤバい経営学　世界のビジネスで行われている不都合な真実』（フリーク・ヴァーミューレン、東洋経済新報社、2013/3/1)も、通説とされている経営理論に疑問を投げかけ、経営学の視点から検証しています。

これに対して本書は、経営学を学ばれた著者の学問的な裏付けに基づいた考察に加え、学問よりも実務の視点に重きを置いて、理論やフレームワークの課題を指摘し、実務で活用できる「経営戦略の立て方」を提案しているところに特徴があります。

また、著者が主催されている「経営者ブートキャンプ」の紹介もあります。

著者の宣伝に思われる可能性もありますが、私には著者の高い「志」を感じました。