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あなたの会社は部長がつぶす!
山田 修 (著)
出版社:フォレスト出版㈱
短時間で会社の業績を急回復させるためには、「組織作り」とくに「経営幹部(部長や課長)の改革」に注力する。
会社をつぶすのも、うまくいかせるのも部長(経営幹部)にかかっている。
本書は、MBAを取得し、6社の外資系企業の社長として業績を建て直し、現在は主に中小企業を中心にコンサルティング活動をされている山田氏が、ご自身の経験に基づいた経営手法を紹介されています。
大企業の経営手法ではなく、中小企業向け、特に業績回復を狙った手法が解説されています。
環境変化に対して、自分自身も含め自分のチームを適応させ、変化できないリーダーは一掃すべきである。
「背中で示す」とか「飲みニケーション」など、中小企業にありがちなマネジメントスタイルを否定し、やるべきことを淡々とやる。
マネジメントにおいて、リーダーシップを確立するために必要な要素はコミュニケーションであり、部下が上司に報告する方向ではなく、上司から部下に対し働きかけることが重要である。
この記述は同感です。
往々にして、報告は部下(下位)から上司(上位)にするものと決めつけてはいないでしょうか?
上司は待ちの姿勢ではなく、部下に適時声をかけ、コミュニケーションの機会をつくるべきだと思います。
時には飲みニケーションも必要でしょうが、やはり昼間にきちんと議論すべきではないでしょうか。
また、トップは自社の進むべき方向を中長期に見極め、各種の戦略を立案しなければなりません。
そして組織というチームを通じて、「売れる仕組み」と「儲かる仕組み」を構築し、実践していきます。
業績回復のためには組織改革が必要であり、その際の「パートナーとなる人材の選び方」、「最低レベル5%を毎年切り続ける」などの手法も紹介されています。
そして、組織改革の手法を10項目示し、各項目を詳細に解説され、最後には、「50日で会社が変わる!即席プログラム」の紹介もあります。
著者は、外資系企業に、外部からヘットハンティングされて単身乗り込み、改革を成功されています。
この功績はすばらしいと思いますし、その経験から来る手法も説得力あります。
しかし私は、これらの手法は理解できますが、実際に実行できないのが日本企業の多くではないかと思います。
まして内部から昇進して経営幹部(リーダー)になった人は、人員削減を伴う組織再編は難しいでしょう。
逆に考えれば、短期間で大胆に企業を改革するためには、外部からリーダーを招聘すべきかもしれません。
そうなる前に、現場で指揮をとる部長自らが変わり、自分のチームを変革し、全社を改革していくべきですね。
本書の中に、「自分が変わることへの意識が高まる」方法の紹介があります。
1.本を読む
2.外部セミナーに行く
3.異業種交流会に行く
4.社会人学校に通う
5.山田修の話を聞く
1~4については、私の経験上からも全く賛成です。
(5は聞いたことがないので判断できない)
社内政治に時間を費やすより、世間に出て自分自身を鍛えるべきです。
山田修氏 公式ホームページ:https://senryaku.p1.bindsite.jp/
山田修の戦略ブログ:https://yamadaosamu.blogspot.com/
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