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超実践的 経営戦略メソッド
6社を再生させたプロ経営者が教える
山田 修(著)
出版社:日本実業出版社 (2011/8/25)
Amazon.co.jp:超実践的 経営戦略メソッド
下がり続けた売上が3年で3倍200億円に、5億の経営赤字から半期で黒字化など、
社長として「あり得ない」実績を短期間で上げてきた手法を初公開!
誰にでもできる!
「戦略カード」と「シナリオ・ライティング」を使ったオリジナルかつ具体的な方法。
本書は、過去22年間、6社で社長として経営に携わり、それぞれの会社で業績を急回復してきた著者が、「何をやればうまくいくのか」を考え抜いた結果編み出した経営戦略の策定と実践方法について解説した一冊です。
特に、3C、4P、5Forces、7S、BCGマトリクスやブルー・オーシャン戦略、さらにはゲーム理論など、これまでの「戦略を立てるための分析論」や「実践された戦略の解説と分類」に対する課題をあげたうえで、戦略を策定し実践する経営者の立場から「課題解決型の戦略立案法」が記述されていますので、経営者に限らず部門責任者の方々にとって、実践書として大変役に立ちます。
著者が編み出した「戦略カード」や「シナリオ・ライティング」の作成及び活用方法について、著者が実際経営に携わった企業での展開事例を示しながら具体的に解説されていますので、本書を参考に実際の現場で即実践できそうです。
しかし、実際に成果を生み出していくためには、経営に対する強い志(意志)を持ち、主体的にリードすることが必要であることは言うまでもありません。
繁栄の黄金律
- ・4つの大きな戦略を設計し実践すれば、業績が大きく伸び、急速に改善できる。
- ・「成長戦略」「組織効率」「モチベーション」の経営行動を充実し、バランスとる。
- ・「コミュニケーション」を的確に発動し、実施する。
社内コミュニケーションなくして戦略の策定はあり得ない
成長戦略 組織効率 モチベーション
↑ ↑ ↑
コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン
「戦略カード」を一定の構成に従って書き出し、吟味選択して並べると「経営戦略」が出現し、それらの構成やステップを貫く「シナリオ」を展開する。
「戦略カード」活用のメリット
- ・アイデアが顕在化される
- ・思索が言語化される
- ・連想が働き、次々に思っていたことを定着させられる
よいシナリオの条件は、「あり得る話」であること
戦略シナリオ:創造力、展開力、叙述力、論理性 →「気づき」「思いつき」が大切
戦略カードを使った「戦略立案の5ステップ」と10の作業
STEP1.目標設定
- 作業1:「3年目標」の設定
- 作業2:重要目標カードを選定し、理由を裏書き
STEP2.目標合意
- 作業3:目標合意
STEP3.課題の発見
- 作業4:「課題の洗い出し」と重要課題の認識
- 作業5:3つの重要課題カードを選定し、理由を裏書き
STEP4.解決策の設定
- 作業6:重要課題それぞれに解決策カード出し
- 作業7:3つの重要課題解決策カードを選定し、理由を裏書き
- 作業8:重要課題解決カードに戦術カードを追加
STEP5.派生問題と対処
- 作業9:解決策それぞれに対して「派生問題カード」出し
- 作業10:「最大障害カード」を選定
PSRDモデル(Progressing Strategy by Resource Development)
「経営資源の発展段階に伴って進化前進する経営戦略」
著者が名づけた、「企業の業績を伸ばすための有効な経営戦略」です。
事業の発展に伴って、それまで持っていなかった経営資源が加わる。
そうすると新しく獲得した経営資源に応じた経営戦略をその時点で組み直してみる。
それが次の段階での発展に寄与する。
その他、特に参考になったテーマ
- ・リーダーシップを担保する要件:カリスマ、コミュニケーション
- ・組織を活かすための3要素:ヒト、ジョブスペック、組み合わせ
- ・課題の領域:自部門だけの課題、他部門と関係する課題、外部と関係する課題
- ・プレイヤーズセオリー
- ・ランチェスター戦略
両輪:特定市場におけるマーケットシェア、そこでの競合他社との相対的優劣関係
競争原則:ナンバーワン主義、競争目標と攻撃目標の分離、一点集中主義 - ・戦略発表の仕方
- ・モチベーション向上の要素:コミュニケーション、インセンティブ、トレーニング
- ・リソースベーストビュー(ジェイバーニー)
経営資源カテゴリー:財務資本、物的資本、人的資本、組織資本
VRIOフレームワーク:経済価値(Value)、希少性(Rarity)、模倣困難性(Inimitability)、組織(Organization)
本書の最終ページには、「発表用スライド」を作成できるテンプレート(パワーポイント版)を無料ダウンロードできるURLが紹介されていますので、有効に活用すれば「実践的な経営戦略を立案、発表する」ことができそうです。
最終章からの引用
経営責任とは結局、実践責任なのです。
よい経営戦略を考え、それを徹底的に導入実践する。
それができなければ、経営者ではなく評論家という誹りを受けてしまうでしょう。
私は経営戦略の立案と推進をご支援する立場で、多くの経営者や部門長と接していますが、本書で言及されている内容に賛成です。
ご支援の流れは、当サイト「ご支援サービス概要の基本的なフレームワーク」でもご紹介していますが、昔は経営環境の分析論に終始していました。
いわゆる、様々な分析手法を使って、企業の経営環境を分析しているだけで、
「真に経営課題を解決するための戦略立案」になっていなかった。
これを、ある経営者から指摘を受け、気づきました。
その意味においては、本書で言及されている内容は、私自身の取り組みを改めて振り返るきっかけを与えてくださいました。
参考:著者の山田修氏関連サイト
参考:著者の山田修氏の書籍
・当グログで紹介書籍:2010.6.3 あなたの会社は部長がつぶす!
・新書:2012年3月15日発刊予定
22年で6社を復活させた経験に基づいた
「経営を上手くやる根本の4つの要素:繁栄の黄金律」を解説
「雇われ社長」のプロの仕事術~企業再生請負人が実証してきた~
山田 修(著)
出版社:ぱる出版 (2012/3/15)
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