書籍 スティーブ・ジョブズⅡ

書籍 スティーブ・ジョブズⅡ

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20111104

スティーブ・ジョブズⅡ
ウォルター・アイザックソン(著)、井口 耕二(翻訳)

出版社:講談社

スティーブ・ジョブズⅡ

待ちに待った「スティーブ・ジョブスⅠ」の続編がやっと発売されましたので、早速購入して読みました。

前著では、子供時代から始まり、アップル創業から株式公開、アップルを追放されピクサーで『トイ・ストーリー』をヒットさせるまでで、スティーブ・ジョブズ氏の創業精神や経営の極意、そしてモノ作りへのこだわりや背景が書かれていました。

本著では、アップルCEO復帰への葛藤から、復帰後の社内改革、iMac、アップルストア、iTunesストア、iPhone、iPadなどの製品開発の舞台裏が綴られています。

そして本著で感動するところは、死を覚悟したスティーブ・ジョブス氏が、家族との絆や経営に対する想いについて、そしてラリー・ペイジやビル・ゲイツなどのライバルとの最後の会話が書かれていることろです。

さらに最終章「受け継がれてゆくもの」で、スティーブ・ジョブス氏が何をしてきて何を後世に残すのかについての自身の言葉が紹介されていることです。

「すごく幸運なキャリアだったし、すごく幸運な人生だったよ。やれることはやり尽くしたんだ」とスティーブ・ジョブス氏は語っていたようですが、まだまだ驚くような製品やサービスを生み出して欲しかったと私個人的は思います。

受け継がれたDNA、今後のアップルの動向が楽しみです。

以下は、私の印象に残った記述を引用しておきますが、他にも多くのスティーブ・ジョブス氏語録、関係者のインタビューが満載です。

我々も常識とは違うことを考え、アップルの製品をずっと買い続けてくれている人々のためにいい仕事をしたいと思う。

自分はおかしいんじゃないかと思う瞬間が人にはある。でも、その異常こそ天賦の才の表れなんだ。 

自分が世界を変えられると本気で信じている人たちこそが、本当に世界を変えている。

なにをしないのかを決めるのは、なにをするのか決めるのと同じくらい大事だ。
会社もそうだし、製品についてもそうだ。

本当にシンプルなものを作るためには、本当に深いところまで掘り下げなければならないのです。

対象のあらゆる面を理解する、それがどう作られるのかも理解する。
つまり製品の本質を深く理解しなければ、不可欠ではない部分を削ることはできません。

優れた会社は「印象」を大切にしなければならない。
パッケージからマーケティングにいたるまで、すべての面で会社の価値と重要性を伝えければならない。

デジタルハブ:創造的なアートの世界のモノを優れたエンジニアリングで結びつける。
「リベラルアーツ」と「テクノロジー」の交差点

自分で自分を食わなければ、誰かに食われるだけだ。

事業の世界には、昔から”2作目シンドローム”と呼ばれるものがある。
最初の製品がなぜ成功したか本当にわかっていないとき、往々にして2作目は失敗する。

人生を左右する分かれ道を選ぶとき、一番頼りになるのは、いつかは死ぬ身だと知っていることだと私は思います。

ほとんどのことが ― 周囲の期待、プライド、ばつの悪い思いや失敗の恐怖など ―
そういうものがすべて、死に直面するとどこかに行ってしまい、本当に大事なことだけが残るからです。

自分はいつか死ぬという意識があれば、なにかを失うと心配する落とし穴にはまらずにすむのです。

人とは脆弱なものです。自分の心に従わない理由などありません。

アップルはエンドツーエンドで統合した製品を作り、マイクロソフトはオープン戦略でほかのハードウェアメーカーにソフトウェアをライセンスしている。
音楽市場ではiTunes/iPodのパッケージが示すように統合アプローチのほうが優れているが、パーソナルコンピュータ市場ではマイクロソフトの分離アプローチのほうがうまく機能している。

我々は、すごい製品を作るためにこの地上に存在しているのだと考えており、それは今後も変わることがありません。
我々はイノベーションに集中しています。
複雑なものではなく、シンプルなものがいいと信じています。
自分たちが作る製品を支える基礎技術は自分たちで確保し、コントロールする必要があると信じていますし、大きな貢献ができる市場にのみ参加すべきとも考えています。

ものごとをオープンにして分断を許すことから本物の創造性やシンプルさは生まれない。
本物の創造性とシンプルさは、ハードウェアとソフトウェア、さらにはコンテンツとカバーと販売員にいたるまで、すべてをウィジェットとして統合することから生まれる。

アップルのDNAには、技術だけでは不十分だと刻まれている。
我々の心を震わせるような成果をもたらすのは人間性と結びついた技術だと、我々は信じている。

僕は、いつまでも続く会社を作ることに情熱を燃やしてきた。すごい製品を作りたいと社員が猛烈にがんばる会社を。

顧客が今後、なにを望むようになるか、それを顧客本人より早くつかむのが僕らの仕事なんだ。

僕らは自分が持つ才能を使って心の奥底にある感情を表現しようとするんだ。
僕らの先人が遺してくれたあらゆる成果に対する感謝を表現しようとするんだ。
そして、その流れになにかを追加しようとするんだ。

当サイト

2011.10.25 書籍 スティーブ・ジョブズⅠ

・スピーチとプレゼンの極意とYouTubeからの引用(注目の講演動画もご紹介)
 2011.7.25 書籍 スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン

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