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イノベーションOps 組織を動かすDX&AI導入プロセスのすべて
藤岡 稔大、小泉 信也、大塚 貴行、寺田 瑛、大堀 敬広、片山 祐輔(著)
出版社:インプレス (2025/11/20)
Amazon.co.jp:イノベーションOps
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組織を動かすDX & AI導入プロセスのすべて
変革を加速する実践的手法
本書は、DX推進や生成AI活用を推進する専門家の著者らが、生成AIに代表される先端技術を導入し、持続的に運用するための実践ノウハウを具体的に解説した一冊です。
加速する技術革新にどのように対応すべきかを日々考えているビジネスリーダーの方々にとって、変化を前向きに受け入れ、それを持続的な成長へとつなげるための視座を得ることができます。
本書は8章で構成しており、生成AIを企業の中に根づかせるためのOps(オペレーション)について、構想から運用、評価に至るまでを多面的に解説しています。
- 第1章では、経営に求められる再設計、価値ドライバー、生成AIの成果を出す鍵など、イノベーションOpsを企業内で実際にどのように運用し、導入していくか、その具体的なステップを解説しています。
- ・第2章では、価値創出の型、実行力を引き出す組織のつくり方、イノベーションを止めないための仕組み化など、イノベーションOpsの思考法と運用基盤について解説しています。
- ・第3章では、経営改革テーマの優先順位付け、実行に移す現実的アプローチなど、イノベーションで拓く経営改革について解説しています。
- ・第4章では、イノベーションOps推進のための基盤アーキテクチャ、Opsの統合運用、基盤導入ロードマップなど、イノベーションOpsを支える基盤の全体像と構築・運用のポイントを解説しています。
- ・第5章では、イノベーションOps時代におけるAIエージェントの役割、AIエージェント設計のステップと導入の要点・仕組み・運用など、価値を生み出すエージェントOpsの実行基盤の構築について解説しています。
- ・第6章では、データ基盤を中心とした業務活用と段階的アプローチ、PoCにおける構築ポイント、本番導入における考慮ポイントなど、継続的な経営改革を実行するためのデータ基盤の構築について解説しています。
- ・第7章では、導入効果検証の進め方、真の活用度を把握して次の打ち手を描く方法など、導入効果検証とユーザー理解による戦略的展開について解説しています。
- ・第8章では、完成させない仕組みづくり、データ・AI・テックを統合したOpsの未来など、イノベーションOpsを持続的に進化させる方法について解説しています。
技術が変わるスピードは、これからさらに加速していきます。
生成AIやAIエージェントは、人間の知的活動に迫る領域まで影響を及ぼし、組織や社会のOSそのものを再設計することを求めています。
その中で、変化を外部要因として受け身で捉えるのではなく、能動的に取り組み、組織文化や制度、働き方を刷新していく。
その姿勢が企業の未来を大きく左右します。
イノベーションOps

『イノベーションOps』を参考にしてATY-Japanで作成
イノベーションOpsは、加速する技術革新にどのように対応すべきかを示す処方箋となる。
今後のポイントは、革新スピードの加速であり、労働の代替・自動化、情報共有だけでなく、組織、制度再設計や人間の役割を変化させて、技術革新にいかに適応できるかが重要になってくる。
生成AIやAIエージェントは、創造・言語・判断といった人間の核心的な知的活動にまで入り込んでいくため、社会や組織におけるOS(オペレーティングシステム)を変容させる。
OSとは、人や組織が行動し、協働し、意思決定を行うための「前提的な仕組み」や「暗黙の設計思想」、「大切にされている価値観や風土・文化」を指し、社会や組織のあらゆる活動を支える基盤として機能するものである。
技術革新が社会に浸透するスピードは速くなり、それらに対応していくためには社会や組織のOSを再設計する必要があり、しかも、これまでにないスピードで再設計を実行することが求められる。
変化に継続的に対応できる仕組み = イノベーションOpsを備えることこそが、企業が生き残り、進化を続けていくための前提条件となる。
持続型イノベーション基盤(イノベーションOps)
Opsとはoperationの略で、もともとはITやインフラの稼働・保守・安定運用を担う機能を指していた。
しかし現在は、Opsの意味は大きく拡張され、単なるシステムの維持管理だけでなく、企業やビジネスの変化にシステムが対応し続けるための仕組み = 持続的な運用・改善・進化の体制として捉えられている。
Opsは、これまでは「システムを止めないこと」が主眼としていたが、それに加えて「変化を止めないこと」を担う、組織機能の中核として再定義さる。
イノベーションOpsは、従来のシステムOpsの枠組みを拡張し、企業のOSを持続的にアップデートし、本質的な企業変革を継続するための包括的な運用体制である。
その拡張にあたっては、3つの機能を追加統合することで、イノベーションOpsは、技術・ビジネス・組織を横断的に連動させ、変化の速い環境においても持続的な価値創出を可能にする。
システムOps = 変化の激しい環境において持続的に価値を生み出すための基盤
- ・DevOps
開発(development)と運用(operation)を一体化し、ソフトウェアのリリースと改善を持続的に行う仕組み
→ 変化に強い開発と安定運用の両立
- ・AIOps/AgentOps
AIシステム全体を対象に、業務の変化やデータの質・量の変動に応じてAIを持続的に進化させる運用体制
→ 再学習や改善を通じて精度と価値を維持
- ・DataOps
業務システムやAIに活用されるデータを「価値ある資産」として管理する体制
→ AIの価値を十分に発揮
追加統合する機能 = 変化の速い環境でも持続的な価値創出
- ・ビジネスOps
提供価値やビジネスモデルを継続的に設計・評価・再構築する機能
→ 事業ポートフォリオや顧客、パートナー関係を適時アップデート
- ・組織・人材Ops
組織構造、人材配置、スキル、マインドセットを継続的に見直し、戦略や技術の変化に合わせて人と組織を一体化でアップデートする仕組み
→ 権限設計や人材育成計画、カルチャー設計を通じて組織と人材をアップデート
- ・テクノロジーOps
技術の目利き力と使いこなし力を組織的に備える機能
→ 技術革新の可能性のある新技術の価値や適用領域、戦略との適合性を見極め、内製化と外部パートナー活用を戦略的に使い分け、企業の保有するエコシステムをアップデート
イノベーションOpsは、企業の競争力を高めるだけでなく、社会的課題の解決にも資する考え方です。
環境問題、人口減少、格差といった構造的なテーマに対しても、変化を前提にしたOpsを更新し続ける姿勢があれば、突破口を開くことができます。
同志であるあなた方が挑戦をやめずに取り組むことが、社会をよりよい方向へと導く原動力になるはずです。
未来を形づくるのは、誰かではなく、今ここにいる「あなた」です。
私たちは同じ時代に挑戦を託された同志であり、それぞれの現場で未来を切り拓くリーダーです。
あなた自身がイノベーションOpsの実践者であり、未来を切り開く存在なのです。
まとめ(私見)
本書は、生成AIに代表される先端技術を導入し、持続的に運用するための実践ノウハウを具体的に解説した一冊です。
加速する技術革新にどのように対応すべきかを日々考えているビジネスリーダーの方々にとって、変化を前向きに受け入れ、それを持続的な成長へとつなげるための羅針盤となります。
本書は、生成AIをはじめとする新技術を企業に根づかせるためのOpsを、構想から運用、評価に至るまで多面的に解説しています。
- ・第1章では、時間軸・信頼性・事業構造・人と組織の視点から、生成AIがもたらす経営の再設計について整理しています。
- ・第2章では仮説検証を軸にイノベーションを仕組み化するイノベーションOpsを提示し、第3章では人とAIが協働する新たなオペレーションの姿を描いています。
- ・第4章から第6章では基盤・運用・評価における各Opsを体系化し、データやエージェントを通じて成果を定量的に捉える枠組みを示し、第7章では現場と経営をつなぐモニタリングの仕組みを整理し、成果の「見える化ライン」を描いています。
- ・そして第8章では、確立されたOpsを完成させず、進化させ続けるための視点を探っています。
人類はこれまでの歴史においても、技術によって生き方が塗り替えられ、壮大な進化を遂げてきました。
そして現在、生成AIを中心とした技術革新は、人や社会、企業経営や組織に至るすべての領域に影響を及ぼし、構造を根本から変革し始めています。
それらに企業が対応していくためには、企業全体が変化を内製化し、継続的に進化し続ける状態を構築することが必要です。
そして、個々の部門が自部門の最適化を追及するだけでなく、全社的な視点から連動・統合する運営構造が求められます。
本書では、生成AIやAIエージェントが人間の知的活動に影響を及ぼし始めている状況において、組織や社会のOSそのものを再設計することの必要性を説き、具体的な対応策を示しています。
ただし、技術革新に対して一時的に対応するだけでなく、変革を継続して実行する組織文化を根づかせることの重要性も説いています。
生成AIを中心とした技術革新に対応するためのOpsの構築・運用だけでなく、変化が常態化する時代においても、企業が止まらず進化し続けるためのイノベーションOpsが必要です。
イノベーションOpsは戦略的な位置づけであり、既存の経営機能・組織機能・技術機能を、相互に連携しながら進化させていくための全社的運営モデルです。
本書は、変化を前向きに受け入れ、それを持続的な成長へとつなげるための羅針盤となる一冊です。
目次
はじめに
Prologue なぜ今「イノベーションOps」なのか
Chapter1 先端テクノロジーの潮流と経営インパクト
Chapter2 イノベーションOpsの思考法と運用基盤
Chapter3 イノベーションで拓く経営改革
Chapter4 イノベーションOpsの全体像と構築・運用のポイント
Chapter5 価値を生み出すAgentOps
Chapter6 継続的な経営変革を実現するデータ基盤
Chapter7 導入効果検証とユーザー理解による戦略的展開
Chapter8 持続的にイノベーションOpsを進化させる
参考
イノベーションOps 組織を動かすDX&AI導入プロセスのすべて(できるビジネス) - インプレスブックス
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出版社:インプレス (2025/11/20)
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