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2011年5月16日更新 前回の電機各社の2010年度(平成22年度)通期決算に三菱電機㈱を追加
国内主要電機の2010年度(平成22年度)通期決算が出揃ってきましたので整理します。
なお、これから発表されるソニーにつきましては、発表され次第整理する予定です。
国内エコポイント制度の追い風や新興国をはじめとした成長市場への拡大などで、金融危機後の回復を目指していた中、東日本大震災で被災した生産拠点の復旧費用などがかさみ回復のペースは鈍化し、各社の収益回復ベースに格差が出ています。
2010年度(平成22年度、2010年4月~2011年3月)通期の概況は、以下の通りです。
- ・インフラ関連や半導体など産業向けビジネスを軸に、新興国をはじめとして海外市場で拡大した日立製作所と東芝が、過去最高の純利益を更新しました。
- ・価格下落が続くデジタル製品が主力のパナソニックとシャープは伸び悩みましたが、パナソニックは黒字転換し、シャープは増収増益となりました。
- ・国内IT投資の依存度が大きいNECと富士通は苦戦状態で、両社とも営業益は増加したものの、NECは最終赤字に転落し、富士通も減収となりました。
なお2011年度(平成23年度)の業績予想については、東芝とNEC及び三菱電機を除く4社は公表を見送りました。
その要因は、東日本大震災による部品供給の停滞や電力不足、原発事故の影響などの見通しがたっていないことにあります。
富士通とNECの業績は、先日当サイトで整理しましたので、以下では他社の概況を整理しておきます。
日立製作所
売上高は、「情報通信システム」「電力システム」「社会産業システム」「金融サービス」部門以外は前年同期を超え、特に海外が前年比111%の伸び(特に中国を含めたアジア地域が122%)
グループの11部門がすべて黒字を達成
前期赤字だった「電子装置システム」「オートモーティブ」「デジタルメディア民生機器」の3部門が黒字に転換し、建設機械や自動車部品などが大きく拡大
固定費削減で約350億円、資材調達費削減で約2,300億円を実現するとともに、グローバル調達と集約購買の目標も上回り大幅に増益
東芝
売上高で、「社会インフラ」以外の3セグメントで前年比を上回る
「デジタルプロダクツ」「電子デバイス」「社会インフラ」「家庭電器」の全セグメントで営業黒字を達成
スマートフォンやタブレット型端末の需要拡大で主力のフラッシュメモリーの売上が伸び、薄型テレビや白物家電も好調で増益に貢献
パナソニック
売上高で、「デジタルAVCネットワーク」「デバイス」以外の3セグメントで前年比を上回り、連結子会社化した三洋電機グループが加わったことにより大幅増収
営業利益は、「デバイス」「三洋電機」以外のセグメントで増益
「デバイス」は電池や半導体の売上が減少、「三洋電機」は買収に伴う無形固定資産の償却費等により減益
地域別では、日本、中国、アジア、米州、欧州の全地域で前年比2桁の増収
特にアジアや中国ではパナソニック電工の商品やFA機器、エアコンなどの販売が好調で増収を牽引
シャープ
売上高は、「エレクトロニクス」「電子部品」の両部門で前年比を上回る
家電エコポイント効果で液晶テレビと液晶パネル、ブルーレイディスクレコーダーなどが拡大し増収を牽引
営業利益は、「エレクトロニクス」で前年比から増益したが、電子部品は減益
液晶パネル、太陽電池ともに需要は旺盛だったものの価格下落が影響
地域別では、日本が前年比111%、海外が同107%の伸び
三菱電機
「重電システム」「情報通信システム」以外の5セグメントで増収(「情報通信システム」以外は営業利益増益)
産業メカトロニクス部門が好調
- ・特に、FA(工場生産の自動化システム、ファクトリーオートメーション)事業は、中国の工作機械関連、台湾・韓国のフラットパネルディスプレー関連が拡大
- ・家庭電器部門もエコポイント制度の効果などで大幅に増益し、重電システム部門では、鉄道・昇降機などが好調
営業利益率が目標5%に対して6.4%、ROEは目標10%に対して12.4%、借入金比率は目標の15%以下に対して14.5%と経営目標を達成
ソニー:5月26日発表予定
「2010年度 通期 連結決算」発表資料
当サイトまとめ
・2011.5.10 NECの決算 2010年度(平成22年度)通期 減収減益で赤字
・2011.4.28 富士通の決算 2010年度(平成22年度)通期 前年比で減収減益
・2011.2. 8 国内電機8社の決算 2010年度 第3四半期と通期予想
電機とITの決算 ≫ 国内電機各社の決算 2010年度(平成22年度)通期
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