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本日、富士通㈱から、2010年度(平成22年度)通期の決算が発表されました。
2009年度に対し、営業利益と経常利益は増益したものの、売上で減収、当期純利益で減益となりました。
また、今年1月28日に下方修正した「通期予想」に対しても、減収減益となりました。
- ・売上は、為替影響を除くと、ほぼ前年並み。
国内は、LSIや電子部品が堅調に推移したものの、上期エコカー補助金制度の終了、東日本大震災の影響により、減収となっています。
- ・営業利益は、LSIや電子部品などの増収、販売費及び一般管理費の抑制などにより増益となっています。
- ・当期純利益は、経常利益が増益したものの、東日本大震災による特別損失116億円を計上し、減益となっています。
売上高の66%(30,143億円)を占めるセグメントのテクノロジーソリューションの内、システムインテグレーション事業の国内売上と営業利益の減収減益が大きく影響しているようです。
国内顧客の投資抑制、東日本大震災による契約や納品・検収などの一部遅れが主な要因となっています。
この部分は、同様の事業構造であるNEC(5月10日決算発表予定)と比較して、検証してみたいと考えています。
通期決算概況
2008年度 | 2009年度 | 2010年度 (前年比:額、増減率) | |
---|---|---|---|
売上 | 4兆6,929億円 | 4兆6,795億円 | 4兆5,284億円 (△1,511億円、△ 3.2%) |
営業利益 | 687億円 | 943億円 | 1,325億円 (382億円、40.5%) |
経常利益 | 150億円 | 711億円 | 1,078億円 (367億円、51.6%) |
当期純利益 | △1,123億円 | 930億円 | 550億円 (△379億円、△40.8%) |
セグメント別 2010年度の決算状況(前年比:額、増減率)
売上高 | 営業利益 | |
---|---|---|
テクノロジー | 3兆0,143億円 (△1,149億円、△3.7%) |
1,628億円 (92億円、6.0%) |
サービス | 2兆4,195億円 (△1,223億円、△4.8%) |
1,173億円 (△102億円、△8.0%) |
プラットフォーム | 5,948億円 (73億円、1.2%) |
455億円 (195億円、75.1%) |
ユビキタス | 1兆1,256億円 (59億円、0.5%) |
226億円 (△180億円、△44%) |
デバイス | 6,306億円 (415億円、7.0%) |
209億円 (300億円、6.0%) |
テクノロジーソリューション
サービス事業:国内売上高で前年比2.2%減収の15,159億円
(海外は為替影響を除くと、ほぼ前年並み)
- ・国内顧客の投資抑制、公共分野での大口更新の一巡に加え、東日本大震災が大きく影響
システムプラットフォーム事業:国内売上高で前年比3.3%増収の4,262億円
(海外は為替影響を除くと4%の増収)
- ・次世代スーパーコンピュータシステムを構成する専用サーバなどの量産
ユビキタスソリューション
国内売上高で前年比4.6%増収の8,516億円(海外は為替影響を除くと3%の増収)
- ・携帯電話の統合効果やスマートフォンの好調による販売台数増加
【携帯電話の出荷台数】2010年度:670万台(2009年度:518万台)
- ・パソコンは、前年度の教育用需要の反動と震災の影響により減少
【パソコンの出荷台数】2010年度:542万台(2009年度:563万台)
デバイスソリューション
国内売上高で前年比8.9%増収の3,613億円(海外は為替影響を除くと11%の増収)
- ・LSIは、次世代スーパーコンピュータ用CPUの量産、携帯電話用の所要回復
参考
当サイト
2011.1.30 富士通とNECの決算 2010年度(平成22年度)通期業績予想
電機とITの決算 ≫ 富士通の決算 2010年度(平成22年度)通期
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