富士通とNECの決算 2010年度(平成22年度)通期業績予想 富士通は下方修正、NECは10月予想を維持

富士通とNECの決算 2010年度(平成22年度)通期業績予想 富士通は下方修正、NECは10月予想を維持

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先日、富士通㈱と日本電気㈱(NEC)から、2010年度(平成22年度)上期決算とともに、通期業績予想が発表されました。

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昨年10月に発表された通期予想に対し、各社の発表は以下の通りでした。

富士通は、すべての指標を下方修正

  • ・売上高を1,000億円減の4兆5,700億円、営業利益は400億円減の1,450億円
     (営業利益の内、国内事業で200億円減、海外不採算事業の影響で200億円減)
  • ・経常利益は400億円減の1,200億円、純利益は200億円減の750億円

NECは、10月予想を維持

2010年度 通期予想(2010年4~2011年3月)

富士通NEC
売上高 4兆5,700億円( 2.3%減) 3兆3,000億円( 7.9%減)
営業損益 1,450億円(53.6%増) 1,000億円(96.4%増)
経常損益 1,200億円(68.7%増) 550億円(11.3%増)
当期純損益 750億円(19.4%減) 150億円(31.3%増)

注:( )対前年同期増減

富士通は、国内IT投資の受注状況が昨年12月から悪化し、第4四半期の市況回復も見込めないとして、昨年10月に発表した通期予想の全指標を下方修正しました。

また、昨年7月に発表した中期経営計画をリセットし、2010年度の通期業績が発表される2011年4月以降に発表する予定です。

その要因は、当時とは市況環境が大きく変化しており、市場の構造変化をとらえた対応策を経営計画に織り込み、筋肉質な体制とすることによるさらなる飛躍と新たな挑戦をはじめることにあるようです。

一方、NECは10月の予想を維持していますのが、富士通同様厳しい状況で、実現のためには既存対策の実行如何にかっかっています。

富士通の業績予想の修正要因(対前年増減)

テクノロジーソリューション

売上で、10月予想を700億円減額し、3兆500億円(793億円減)
営業利益は、430億円減の1,650億円(114億円増)

  • ・サービス事業で、10月売上予想を400億円減額し、2兆4,600億円(818億円減)
    ソリーション/SIの売上高は、国内事業の見直しなどにより200億円減の8,400億円、インフラサービスは欧州プロシェクト遅延などにより、200億円減の1兆6,200億円
  • ・システムプラットフォーム事業で、同300億円減額の5,900億円(25億円増)
    システムプロダクト売上は北米向けUNIXサーバーの減少で300億円減の3,250億円
    ネットワークプロダクトは堅調に推移しているとして、当初計画通りの2,650億円
  • ・ICT投資は設備投資率の持ち直しに伴い緩やかに回復しているが、システムインテグレーションやサーバ事業で予想以上に回復が遅れている。
    特に金融や流通分野などで投資に対する慎重な姿勢が影響している。
 

ユビキタスソリューション

売上は、10月予想を100億円減額し、1兆1,450億円(253億円増)

営業利益は、予想通りの300億円(106億円減)

  • ・パソコンおよび携帯電話の売上高は、東芝の携帯電話事業の統合効果やスマートフォンの需要が旺盛であることから、150億円増の8550億円。
    年間出荷計画も40万台増の660万台へと上方修正。
    モバイルウェアの売上高は、250億円減の2,900億円。
  • ・海外サービス事業の一部プロジェクトでの遅延影響、オーディオナビゲーション機器の低価格化、デジタル家電向け需要の弱含みや為替影響を織り込む。
 

デバイスソリューション

売上は、10月予想を200億円の減額し、6,400億円(509億円増)

営業利益は、20億円減の230億円(320億円増)

  • ・LSIの売上高は公表通りの3500億円、電子部品の売上高は200億円減の2900億円。

【参考】

2011.1.28 富士通㈱  「2010年度 第3四半期 連結決算概要」発表資料

2011.1.27 日本電気㈱「2010年度 第3四半期 連結決算概要」発表資料

前回の両社の通期業績予想(当サイトまとめ)
2010.11.1 富士通とNECの決算 2010年度 通期業績予想を修正

電機とITの決算 ≫ 富士通とNECの決算 2010年度 通期業績予想

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