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本日、日本電気株式会社(NEC)から、2010年度(平成22年度)通期の決算が発表されました。
2009年度に対し、営業利益は増益したものの、売上で減収、経常利益で減益、当期純利益で125億円の赤字となりました。
また、今年2月25日に下方修正した「通期予想」に対しても、減収減益となりました。
- ・売上は3兆1,154億円で、前期に比べ4,677億円(13.1%)の減収。
NECエレクトロニクス㈱の分離、国内IT投資の回復遅れ、東日本大震災の影響により、減収となっています。
- ・営業利益は578億円で、前期に比べ69億円(13.6%)の増益
他事業の営業損益が悪化したものの、プラットフォーム事業の改善と営業損失を計上していたNECエレクトロニクス㈱の分離とにより、増益となっています。
- ・当期純利益は△125億円で、前期に比べ239億円の減益
経常利益の減益に加え、関係会社株式売却益の減少により、減益となっています。
また東日本大震災による特別損失約60億円を計上しています。
通期決算概況
2008年度 | 2009年度 | 2010年度 (前年比:額、増減率) |
|
---|---|---|---|
売上 | 4兆2,156億円 | 3兆5,831億円 | 3兆1,154億円 (△4,677億円、△13.1%) |
営業利益 | △62億円 | 509億円 | 578億円 (69億円、13.6%) |
経常利益 | △932億円 | 494億円 | 0億円 (△494億円、△99.9%) |
当期純利益 | △2,966億円 | 114億円 | △125億円 (△239億円、- ) |
NECエレクトロニクス㈱が連結子会社でなくなったことなどによる売上減4,166億円が全売上減4,677億円の大部分を占めてはいますが、主力事業のITサービス事業(売上構成比26%)で621億円(7.2%)、キャリアネットワーク事業(売上構成比19%)で220億円(3.5%)の減収が影響しています。
しかし、3つの重点施策である「C&Cクラウド戦略の推進」「グローバル事業の拡大」「新規事業の創出」の内、特に「グローバルな事業体制の構築」や「新製品・新サービスの開発」など事業拡大に向けた施策実行が遅れ、当初目標を達成できなかったことに要因がありそうです。
本日、今年度(2011年度)の計画も発表されていますが、3つの重点施策を急速に実行することで計画値を達成することを期待します。
セグメント別 2010年度の決算状況(前年比:額、増減率)
売上高 | 営業利益 | |
---|---|---|
ITサービス | 8,042億円 (△621億円、△7.2%) |
214億円 (△318億円、△59.8% |
プラットフォーム | 3,758億円 (21億円、0.6%) |
89億円 (106億円、 - ) |
キャリアネットワークム | 6,054億円 (220億円、△3.5%) |
407億円 (94億円、30.0%) |
社会インフラ | 3,188億円 (22億円、0.7%) |
146億円 (△71億円、△32.7%) |
パーソナル | 7,665億円 (288億円、3.9%) |
△19億円 (△208億円、 - ) |
携帯電話の出荷台数は、
- ・2010年度の期初予想750万台に対し下方修正を繰り返し、実績値では440万台
(上期240万台、下期200万台)となった。(前年度はNECのみで360万台)
- ・440万台のうち海外出荷比率は20%、スマートフォン比率は10%未満
- ・2011年度の見込みは
薄型スマートフォン「MEDIAS」やその派生機種の発売などにより740万台
スマートフォン比率を50%に、海外出荷比率も30%に引き上げる方針
パソコンの出荷台数は、
- ・2010年度全体で273万台(前年度は250万台)
- ・2011年度は、中国レノボグループとの合弁で連結対象外となり、900億円減収
- ・スマートフォンやタブレット端末「LifeTouch」の法人向け拡販などにより補い、パーソナルソリューション部門全体では2011年度の売上高を横ばいとする方針
参考
当サイト
2011.4.28 富士通の決算 2010年度(平成22年度)通期 前年比で減収減益
2011.2.25 NEC 2010年度(平成22年度)通期予想を下方修正
電機とITの決算 ≫ NECの決算 2010年度(平成22年度)通期
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