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本日、日本電気㈱(NEC)から、2010年度(平成22年度)の通期決算予想を下方修正することが発表されました。
全指標に渡っての下方修正でした。
今年1月27日発表の予想に対し、修正額は以下の通りです。
- ・売上は、1,000億円減少の3兆2,000億円
- ・営業利益は、400億円減少の600億円
- ・経常利益は、450億円減少の100億円
- ・当期純利益は、150億円減少の0円
NEC 2010年度 予想(2010年4~2011年3月)
2009年度 | 2010年度[1月予想] | [今回予想] | |
---|---|---|---|
売上 | 3兆5,831億円 | 3兆3,000億円 | 3兆2,000億円 |
営業利益 | 509億円(1.4%) | 1,000億円(3.0%) | 600億円(1.8%) |
経常利益 | 494億円(1.4%) | 550億円(1.7%) | 100億円(0.3%) |
当期純利益 | 114億円(0.3%) | 150億円(0.4%) | 0億円( - ) |
注:( )対売上比率
残念ながら、先日当サイト「2011.1.31 NECの決算 2010年度(平成22年度)通期予想は実現可能か?」で、業績予想達成の可能性について考察した通りとなりました。
売上減少の主な事業は、国内IT投資の回復遅れの影響からITサービス事業で500億円の減少、スマートフォン市場への出遅れとPC商談のずれ込みによるパーソナルソリューション事業で500億円の減少です。
営業利益は、上記事業の売上減少に加え、競争激化による収益性の悪化によるものです。
今年に入って、中国レノボグループへのパソコン事業の合併会社設立
今朝の朝刊で、中小液晶パネル事業(NEC液晶テクノロジー)が中国の天馬微電子グループと合併することが発表されました。
事業の「選択」を急速に進め、「集中」する事業領域を成長させるのが今後の課題となっている中での下方修正です。
クラウドコンピューティング、グローバル展開、電気自動車用電池などの3事業で成長を目指すことになるのでしょうが、
- ・クラウド事業展開に伴い、導入型ハードウェアやシステム開発の減少
- ・先行するグローバル企業のクラウドサービスとの競争
- ・クラウド環境構築に向けたデータセンターなどへの先行投資負担
などに、いかに対応して成長戦略を実現するか注目していきたいと思います。
NEC 2010年度通期のセグメント別売上 今回予想と増減額(率)
2010年度(予想) | 対前回予想増減 | 対2009年度増減 | |
---|---|---|---|
ITサービス | 8,300億円 | △500億円 | △363億円(△ 4.2%) |
プラットフォーム | 3,750億円 | △100億円 | 13億円( 0.3%) |
キャリアネットワーク | 6,400億円 | △200億円 | 126億円( 2.0%) |
社会インフラ | 3,150億円 | 0億円 | △ 16億円(△ 0.5%) |
パーソナルソリューション | 7,800億円 | △500億円 | 423億円( 5.7%) |
その他 | 2,600億円 | 300億円 | △4,014億円(△60.7%) |
合計 | 3兆2,000億円 | △1,000億円 | △3,831億円(△10.7%) |
NEC 2010年度通期のセグメント別営業利益 今回予想と増減額
2010年度(予想) | 対前回予想増減 | 対2009年度増減 | |
---|---|---|---|
ITサービス | 300億円 | △220億円 | △232億円 |
プラットフォーム | 80億円 | △ 30億円 | 97億円 |
キャリアネットワーク | 400億円 | 0億円 | 87億円 |
社会インフラ | 130億円 | △ 20億円 | △ 87億円 |
パーソナルソリューション | 0億円 | △160億円 | △189億円 |
その他 | 60億円 | 0億円 | 509億円 |
消去・配賦不能 | △370億円 | 30億円 | △ 95億円 |
合計 | 600億円 | △400億円 | 91億円 |
参考
2011.2.25 日本電気㈱「業績予想の修正に関するお知らせ」
当サイトまとめ
2011.1.31 NECの決算 2010年度(平成22年度)通期予想は実現可能か?
電機とITの決算 ≫ NEC 2010年度(平成22年度)通期予想を下方修正
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