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「コミュニティサービス」の将来あるべき姿
コミュニティサービスをビジネスとして展開するためには、これまでの情報に加えて様々なソフトやコンテンツを無料サービスとして提供し、そのための広告モデルを継続すべきである。
またWeb2.0に移行する中で、提供する情報の精度・信頼性を確保し、検索エンジンとソーシャルデータベースによる情報収集機能の強化、協調フィルタリング技術によるコンテキスト広告やRSS出力によるマーケティングへの活用が有効である。
さらに携帯端末のGPS・Felica機能と連動したサービスや携帯Web2.0への移行により、コミュニティサービスの活用シーンを拡大していくことも必要である。
しかし、コミュニティサービスにおいても専業系事業者を中心に淘汰が進む中で、一般事業者に対して顧客の囲い込み等の視点からビジネスを展開することが有効であると考える。
そこでは「オープンで匿名性のあるサービス」と「クローズで匿名性を廃したサービス」が考えられるが、「クローズで匿名性を廃したサービス」として、以下の「話題別のコミュニティサービス」と「個人別のコミュニティサービス」へ発展させる方法の内、私は「個人別のコミュニティサービス」を推進していきたい。
(1)話題別コミュニティサービス
①概要:現在のサービスの延長として、同じ話題を持つ集団(コミュニティ)に対して以下のサービスを展開する。
- ・集団(コミュニティ)に特化した情報を提供し、購買に連動する。
- ・サイト内で使用するアバターや音楽等のアイテムを販売する。
②課題:流通情報の信頼性確保と他サービスとの差別化が必要であり、そのためにはセキュリティ機能を強化した完全クローズ制や実名制を採用する。
(2)個人別のコミュニティサービス
①概要:ユビキタス社会の到来を睨んで、同じ環境・境遇にいる集団(個人)に焦点を当てたシチュエーションマーケティングとして、以下のサービスを展開する。
- ・個人の趣味・嗜好、購買履歴、現在地や状況・スケジュール等に対応したコミュニティサービスを展開する。
- ・より購買現場に近いところで、置かれている状況に応じた情報を提供し、リアル購買に誘導する。
②課題:厳格な個人情報保護と個人別の情報収集・情報配信の仕組みを構築することが必要である。そのためには、以下の対応を実施する。
- ・利便性とリスクのバランスを確保し、提供情報の精度向上を図る。
- ・個人情報保護の視点から、公的機関や独立団体等による認証を前提として運営する。
- ・置かれている状態の収集のために、センシング技術との連携や収集情報の高速処理等の仕組みを構築する。
今後も、SNSの様なリアル社会での人間関係を基盤としたコミュニティサービスがインターネット上で展開されると考えるが、「オープンで匿名性のあるサービス」と「クローズで匿名性を廃したサービス」を明確に区別して展開すべきである。
そこでは、厳格にセキュリティ対策をされた環境の中で、利用者が書き込んだ情報を価値あるものとして扱い、検索エンジンが収集・分析して同様の興味や好みを持っている人間を容易に発見し、情報提供することが必要である。
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