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今年の春、ある支援団体のセミナーでお話した一部で、一般的なIT投資の傾向をご紹介しました。
売上高に対するIT投資率ですが、全ての売上規模の企業平均値なので現実的ではないかもしれませんが、業種別の傾向は見て取れると思っていました。
傾向の詳細は別として、先の金融危機に端を発した世界経済後退以来、「売上高に対するIT投資率」が参考になるのか疑問に思えてきました。
金曜日に、ある大学の教授との会話の中でも話題に出ました。
その方は、「IT投資効果の評価」について長年研究されており、今回お会いするのは別の目的でしたが、法制度への対応や得意先からの要求等の外的な要因がない限り、「IT投資の優先順位は下がるのではないか」という意見で一緒でした。
特にIT投資は、企業によっては「IT投資の効果を合理的に検証しにくい」という要因もあるのかもしれません。
私も、セミナーに最近来場されている方々に聞いても、「IT投資を延期する」とか「必要最低限に抑える」という意向を強く感じます。
その傾向は、自動車や電機の関連業界、さらには機械関連業界、特に中小企業に強い様です。
土曜日の夕刊には、「米国IT業界の体質強化を急ぐ守りの姿勢」という記事、日曜日の朝刊には、「世界景気が底を打つ時期は、来年前半が31%、来年後半が34%(エコノミストや経済人168人の回答)」とありました。
「厳しい時にこそITで自社の強みを発揮すべき」などと言って、安易にIT化を提案するITベンダーには厳しい状況になると思います。
今年初めには、国内の景気上向きに乗じて売上規模拡大を目論んでいたITベンダーには、新たな対策が必要です。
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