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今回は、「Second Life」の今後の拡大の可能性についてまとめます。
はたして、日本でも拡大するのでしょうか。
前々回と前回でまとめたように、「Second Life」は現在米国を中心に爆発的に拡大しています。
その動向を見ていると、参加している個人や企業・大学は単なるネット上のコミュニケーションや取引というバーチャルゲーム的な利用ではなく、リアルとネットが密接に融合した「仮想空間(新たなコミュニティ)」として拡大する可能性を秘めています。
特に企業にとっては、リアルビジネスのプロモーション、集合知による商品企画及び経験マーケティングの場として、大学は研究や教育の場として活用しています。
もうすぐ、日本語版もサービスが開始されます。
日本人の気質・風土に合うかどうか疑問もありますが、ここでは特に日本での拡大の可能性について考えてみます。
1.SNSとしての拡大
1.日本においてもMIXIなど、SNSは現在飛躍的に拡大しています。
「Second Life」もSNSの一つと考えることもできます。
特に3Dの仮想空間で、分身となるアバターがコミュニケーションするといったリアル世界と似たコミュニティを作れます。
2.さらに音声機能の強化も予定されており、実現すれば会話や会議もできます。
3.そうすると、これまでのテキストだけのSNSよりも3Dで疑似体験できるので、さらに拡大していく可能性はあると思います。
2.新たなビジネスモデルの構築
1.「Second Life」には、個人だけではなく様々な企業や大学が参加して、その多くがリアルビジネスと同様のビジネスモデルを展開しています。
この動向は日本でも同様に展開されると思います。
2.また仮想であるため、低コストで様々な取組みが可能となります。
経験マーケティングも容易にできます。
特に、ネットの特徴である集合知を活用したビジネスや商品の企画、企業同士のネットワークアライアンス、そしてロングテールのテール部分へのビジネス展開と新たなビジネスモデルが構築されていくと思います。
当然、ネット上で成功したものは、実現性の高い仮説としてリアルへも展開されるでしょう。
以前紹介した㈱セガの「オシャレ魔女 ラブandベリー(通称:ラブベリ)」は、1企業でバーチャルからリアルへ展開した代表的な成功事例です。
日本においても、1企業だけではなく、複数の企業が連携してビジネスを展開していくこともあると思います。
3.ネットとリアルを重ねた多層社会の創造
1.「Second Life」では、実名で活動している人や企業が多いといわれています。
日本人は実名使用を敬遠するといわれていますが、それはBlogなどの一般公開されるもので、米国まではなくてもSNSでは実名使用は多いと思われます。
まして企業となると、ブランド認知を狙って積極的に掲載しています。
これは、日本向けサービスおいても同じ傾向になると思います。
2.しかし、「Second Life」を運営するLinden Lab社が、「名字」に関して新しいポリシーを導入すると先日発表しました。
個人は初期費用100ドル(年間維持費50ドル)、企業は初期費用1,000ドル(年間維持費500ドル)で名字を取得できるようになります。
どのように管理されるのか、Linden Lab社に支配されるという懸念もあります。
3.これが実行されると、個人や企業が特定できリアルとの結びつきは強くなってきます。
一方では、新たな人格や企業体で活動することもでき、別の社会が生まれる可能性もあります。
それは、ネットとリアルを重ねた多層社会の出現かもしれません。
日本でも、可能性はあると思います。
以上、特に日本向けサービスの拡大の可能性について簡単にまとめました。
しかし、良いことばかりなのでしょうか。
次回は、予想される課題についてまとめてみます。
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