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前回は、「Second Life」に注目している理由を簡単にまとめてみました。
今回は、参加している大学や企業の動向についてまとめてみます。
大学は起業家養成や遠隔授業に、企業はブランドのプロモーションや商品の評価、さらには共同企画などに狙いがあるように思います。
いわゆる経験マーケティングも可能になります。
具体的に見てみると以下の通りです。
まず大学です。
- ・ペンシルバニア大学ウォートン校では、学生に「Second Life」内で起業させ、都度助言を受けながら、成功を競うコンテストを行っています。
- ・ノースカロライナ州イーロン大学では、起業家に必要な技能を修得する教材として利用しています。
- ・またハーバード大学などの多くの大学は、遠隔教育の場として利用しています。
次に企業です。
- ・以下のような企業が、店や事務所を出しています。
インテルやサン・マイクロシステムズ、リーボックやアディダス、アマゾン、ソニー・ミュージック、トヨタやニッサン及びアウディやGMなど
- ・また、アバターを装飾する洋服や化粧品を販売する企業もあります。
- ・さらに、ロイター社やCNETなどは様々なインタビュー記事を公開したり、会計やビジネスコンサル及び広告代理店などの企業もあります。
代表的な企業の取組みを見てみると、単にリアル企業がネット上でもブランドのプロモーションをしているだけではないことがわかります。
- ・アディダスは、アバターが履けるシューズを販売しています。
この販売動向を分析すれば、リアル販売前のテスト販売といえるでしょう。
- ・シェラトンを展開するスターウッドホテルズは、リアルで建設予定のホテルを「Second Life」内で先行して建設しています。
利用者の企画や要望を確認すれば、建設デザインや家具の選択に役立ちます。
- ・トヨタは、若者向けワンボックスカー「ScionxB」を販売する計画のようです。
- この売上動向を確認すれば、消費者ニーズを確認することができます。
この様な企業の取組みは、消費者ニーズや利用評価の数や収集時間など、リアル世界でのマーケティングに対する課題をある程度解決できると思います。
ネットの世界は、情報の伝達が早く、参加者も多く様々です。
商品のデザインを仮想体験してもらったり、公募するなどすれば、集合知を有効活用したマーケティングが可能になります。
さらに試行するための投資も低減でき、失敗リスクもおさえられます。
しかし、良いことばかりではないと思います。
次回は、「Second Life」の拡張の可能性と解決すべき課題などについて、まとめてみたいと思います。
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