オフィス系ソフトの行方

オフィス系ソフトの行方

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ASPサービスの多くは、ERPを初めとした業務系のシステムを利用に応じて課金するサービスでした。

しかし、クライアントで動作するオフィス系ソフトも、ASPで提供されるようになってきました。

まさにクライアント用ソフトも、ライセンスビジネスからSaaSのようなサービスビジネスへと進化していく気配があります。

2005年ごろからWebブラウザで利用できるソフトが出てきています。

しかも、Ajaxを駆使して操作性を向上し、ほとんどが無償で利用できます。

これらのソフトの利用メリットは、

  • ・インストールが不要で、常に最新の機能が利用できる。
  • ・初期導入やバージョンアップなどの保守の手間を省くことができる。
  • ・利用するためのクライアント側ハード増設が少しで済む。
  • ・バージョンアップのための費用が削減できる。

さらに一部のソフトは、

  • ・複数のユーザでデータをほぼリアルタイムで共有できる。
    例:Google Spreadsheetsは、あるユーザが内容を更新すると、他のユーザ画面にも更新が反映される。
  • ・他のWebサービスを連携できる。
    例:iRowsはsalesforce.comのプラットフォーム(AppExchange)と連携し、同じブラウザ上で処理することができる。
  • ・他のオフィスソフトのデータを利用できる。
    例:ThinkFree Office Onlineは、Microsoft Officeとファイル互換できる。

特に一般企業では、ソフトの信頼性やデータの機密保持、クライアント単体で利用できないなどの理由で、これらのサービスの利用を懸念するのもわかります。

先日、Microsoftの次期OS(Vista)とOffice2007を見る機会がありましたが、操作性やセキュリティ面、便利な機能が追加されていて、大変よくできていると感じました。

しかし、Officeの費用だけでも5万円前後、さらにクライアントのハード増設が必要となると、一考の余地があると思います。

またMicrosoftは、Office Liveサービスを開始しました。

主に中小企業のニーズに合わせた無料・有料のWebホスティングやオンラインストレージサービスの集合体のサービスですが、無料の新会計ソフトウェア「Microsoft Office Accounting Express 2007」を追加することも先日発表しました。

統一されたプラットフォーム上で様々なサービスを展開するもので、その先にはOffice系ソフトを追加することも考えられます。

しかし、クライアントのライセンス料を大きな収益源としているMicrosoftが、Office系ソフトをサービスとして提供するには、既存ユーザやPCハードメーカなどとの調整という高いハードルを越えなけばいけないでしょう。

今後の動向が楽しみです。

当然、ライセンスビジネスを仲介しているITベンダーも、戦略転換が必要となっていくでしょう。

Webブラウザで動作する主なソフトは、以下の通りです。

-表計算-

  • ・Google Spreadsheets(米グーグル)
  • ・iRows(米アイロウズ・ドットコム)
  • ・Num Sum(米トリムパス)
  • ・WikiCalc(米ソーシャルテキスト)
  • ・Zoho Sheet(米アドベントネット)

-ワープロ-

  • ・Writely(米グーグル)
  • ・Zoho Writer(米アドベントネット)

-オフィス・スイート-

  • ・gOFFICE(米シルバーオフィス)
  • ・ThinkFree Office Online(米シンクフリー)

-グループウェア-

  • ・Zimbra(米ジンブラ)
SaaS:Software As A Service

かつてのASPサービスの形態をとっているが、カスタマイズや他のアプリケーションとの連動等の制約を解決したサービス。

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