企業と個人が結びついていない「ソーシャルデバイド」が問題 米セールスフォース・ドットコム「Dreamforce 2011」

企業と個人が結びついていない「ソーシャルデバイド」が問題 米セールスフォース・ドットコム「Dreamforce 2011」

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Welcome to the Social Enterprise at Dreamforce 2011

米セールスフォース・ドットコム(salesforce.com)が、8月31日~9月2日の3日間、「Dreamforce 2011」を開催しました。

この「Dreamforce 2011」は世界最大級のクラウド・コンピューティングイベントであり、475以上のセッションやセミナーが開催され、さらに3,5000名以上がオンラインで参加したそうです。

その中での基調講演で、米セールスフォース・ドットコムのマーク・ベニオフ(Marc Benioff)会長兼CEOが15,000名以上の聴衆を前に、「Social Enterprise」をキーワードに、同社の製品戦略について説明しています。

ソーシャルメディアにおいて、企業と個人が結びついていない「ソーシャルデバイド」が問題になっているとし、そのために3つのステップを踏む必要があると指摘しています。

第1ステップは、顧客プロファイルを対象としたソーシャルデータベースの構築

第2ステップは、社員のソーシャルネットワークの構築

第3ステップは、カスタマソーシャルネットワークとプロダクトソーシャルネットワークの構築

そして、ソーシャル・モバイル・オープンをキーワードに、ソーシャルアプリケーションの普及を加速させる同社の方向性を示しています。

そして新たなサービスとして、主に以下のサービスを発表されました。

すでに入手可能

  • ・Data.com:営業部門やマーケティング部門などの担当者に、必要な情報を提供し、ターゲティングとマーケティング支援を行える環境を実現

2011年後半に提供

  • ・Chatter Now:リアルタイムコラボレーションを実現
  • ・Chatter Approvals:Chatterフィード内から承認プロセスにアクションを実行
  • ・Chatter Customer Group:Chatterを活用して顧客を招待し、顧客と会社の壁を越えてエンタープライズコラボレーションを実現

2012年初めに発売

  • ・Chatter Services:Facebookなどのソーシャルネットワークを活用し、顧客からの質問に対応
  • ・Touch salesforce.com:Salesforceのアプリケーションと、タッチデバイスに最適化した機能
    HTML5を活用し、iPhoneやiPad、Androidのスマートフォン、タブレット端末などから、salesforce.comにアクセスできるようになる。

基調講演では、企業にとってのソーシャルエンタープライズの重要性、そしてソーシャルの方向に強く踏み出した同社の製品戦略が語られています。

 

また、「クラウド Watch」に掲載されているsalesforce.com日本法人の宇陀栄次社長の「今後の展開について」のインタビュー記事の中で、特に以下コメントも興味深い内容でした。

モバイルブロードバンド環境の整備やモバイルデバイスの浸透、そしてクラウドにつながることで、新たな顧客接点の形が現実的に実現できるような時代に入ってきた。

日本のSIerは、なかなか既存のサーバー売り切りのスタイルから脱皮できないままですし、今回のSocial Enterpriseのメッセージがなかなか浸透しないようにも感じます。

【参照】

Dreamforce 2011」salesforce.com

Our Social Enterprise Transformation」salesforce.com

salesforce.comはSocial Enterpriseで日本の企業の顧客接点をさらに加速する
 ~Dreamforce 2011会場で日本法人の宇陀社長に聞く~」クラウド Watch

企業をソーシャル化する3つのステップをベニオフ氏が披露
IT media エンタープライズ

日本企業も米国クラウド市場に挑戦、セールスフォースのDreamforce 2011が開幕
IT pro

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