書籍 プランB 破壊的イノベーションの戦略

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プランB 破壊的イノベーションの戦略

ジョン・マリンズ、ランディ・コミサー(著)、山形 浩生(翻訳)

出版社:文藝春秋

プランB 破壊的イノベーションの戦略

アマゾンも最初の9年間は大赤字! グーグルも売り上げはゼロ!!
最強のビジネスは、全てプランAの失敗から始まった。

これは素晴らしいアイデアだ!新規事業をたちあげよう!
そう考えたあなたは一度は失敗する。

事業の地図を塗り替えるような破壊的アイデアは、プランAからは生まれない。
その失敗を検証することで生まれるプランBによって成し遂げられるのだ!!

アップル、ザラ、アマゾン、グーグル、トヨタ、ぺパル、スカイプ他
成功20社の徹底調査からわかった鉄則!

本著は、ロンドンビジネススクールで企業とベンチャー資本について研究・教えているジョン・マリンズ氏と、スタンフォード大学コンサルティング教授のランディ・コミサー氏が、豊富な事例紹介に基づいて新規事業成功の秘訣を解説しています。

新規事業のビジネスモデルを発見する際の「プロセス」「枠組み」が詳細に記述されており、起業家や企業トップの方々にとっては自らのビジネスを検証する際に参考となる一冊です。

成功企業は、当初のビジネスプラン(プランA)を実行するこで成功してきたのではなく、プランAの失敗を受けて、立ちどまり、観察し、知恵を働かせて改善に改善を重ねた結果としてできる次の計画(プランB、場合によりC~Z)を実行してきた。

これは、多くの起業家や経営トップの方々も「当たり前」のことと思われるかもしれませんが、本著ではビジネスプランの独自性や検証のポイント、そして財務とをつなげているところに特徴があります。

また、次の計画(プランB)を考える際、売上拡大や原価低減などを段階的に行うということではなく、「イノベーションを通じて新しい考え方を作り上げるような新規ビジネスを展開すべき」としています。

ビジネスプランのストレステストと枠組み

プロセス:ビジネスプランに、厳しく系統だったストレステスト

ビジネスモデルを測るということは、類似性と反例を混ぜ合わせて組み合わせ、
どこが未踏の信念(Leaps of faith)の仮説にあたるかを確認して対処すること。

反復プロセスの要素

  • 類似例:アイデアはまったく新しいものでなくてもいい
  • 反例:先行企業が、やってみて成功しなかったものではないか
  • 未踏の信念:類似例や反例から生じた疑問、信頼に足る答えを与えてくれる模範例や反例がないような疑問を特定する
  • ダッシュボード:計画立案、実行、仮説検証から学んだ結果を記録し、フィードバックするツール
枠組み:ビジネスプランを実地テストする枠組み

ビジネスモデルの5要素から、アイデアや戦略計画が経済的に見て成立可能かどうかがわかる。

ビジネスモデルの5要素

  • 売り上げモデル:そのビジネスは、誰に何をいくらで売るのか?
  • 粗利モデル:原価を下げて利ざやを稼ぐ方法は?
  • 運営モデル:事業の具体的な回し方は?
  • 運転資金モデル:運転資金がショートしないための手法は?
  • 投資モデル:なるべく少ない投資ですませる方法は?
  • ・各種組み合わせモデル

発明しなおすより改善を!

プランAから脱出しプランBに到達するために、類似性と反例、未踏の信念を組み合わせる。

成功した企業の多くは、ゼロからビジネスを構築していない。

既存ビジネスを調べ、そのよい部分(あるいは失敗の教訓)を取り入れて、他のだれも試みていない独自の着想を追加する。

ダッシュボードの活用は、プランBへの近道!

ビジネスは、仮説の検証が重要である。

多様な側面を持つビジネスで、何が検証されたかをフォローするためには、各種指標の一覧表(ダッシュボード)を作って定量的に検証する。

特に本著には、ビジネスモデルの5要素について、チェックリストがそれぞれ用意されています。

これから事業を始める方、既に事業を始めている方など、このチェックリストを利用してビジネスモデルを確認することができます。

  • ・手堅い売り上げモデルに向けたチェックリスト
  • ・粗利益モデルを構築する際の軸となる要素チェックリスト
  • ・勘定科目一覧表の確かめるべき戦略的問題チェックリスト
  • ・運転資金モデル構築に必要となる戦略的ポイントチェックリスト
  • ・投資モデルの構築段階別チェックリスト
  • ・各モデルの影響見極めチェックリスト

目次

はじめに なぜこんな本を?

第0章 プランAは失敗する
     携帯の暗号技術から出発したペイパル

第1章 発明より改善を
     ウォークマンとナップスターを融合しiPodを開発

第2章 ダッシュボードの力
     イーベイからひらめいたグローバルギビングの寄付金集め

第3章 売り上げモデルという生命線
     グーグルは売り上げゼロモデルから出発

第4章 粗利モデルで行き詰まりを避けよう
     パタゴニアの顧客は高価格でも企業理念を買う

第5章 運営モデル改善で贅肉を落とす
     サウスウエスト航空という師を超えたライアンエアー

第6章 運転資金モデルで現金力をつける
     コストコは会費制で現金を先取りする

第7章 お金がお金を生む投資モデル
     スカイプは初期投資ゼロで通信業界を一変させた

第8章 各種モデルを組み合わせる
     アマゾンやザラはなぜ他の追随を許さないのか

第9章 独自のプランBを見つけよう!
     本書を振り返って自分に何ができるかを考える

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