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「タブレット」は、PC領域の一部である。
PCは、「ノートを含むデスクトップ領域」と「タブレット領域」に分けられ、それらのハード全てがWindowsで動く。
電話機能のあるスマートフォンは「Windows Phone」と呼ぶが、これもWindowsで動く。
これは、私の作り話です。
Microsoftの立場だと、上記の言い方をしたいのかと想像しています。
米国の調査会社Net Applicationsの数値を参考に、2011年8月時点の世界のOSシェアを確認してみると以下の通りとなります。
全体では、Windows:86.6%[1位]、Mac:5.6%[2位]、iOS:3.4%[3位]
デスクトップとタブレットに分けると
- ・デスクトップでは、Windows:92.9%[1位]、Mac:6.3%[2位]
- ・タブレットでは、iOS:53.0%[1位]、Windows Phone:0.3%[6位]
(JavaME:20.6%[2位]、Andoroid:16.0%[3位])
OSシェア数値の集計領域(単位)を変えて、大きな意味があるのか疑問に思われるかもしれません。
しかし、PC全体でもデスクトップ領域でも大きなシェアを確保してきたMicrosoftにとっては、急成長しているタブレット領域への展開は大きな課題でり、今回公開したWindows8への期待は大きいと思います。
スマートフォンやタブレットという市場を確立したのはAppleであり、市場を取り巻く様々な業界を変えていったのもAppleです。
そして、何よりもユーザー側の利便性を向上し、生活スタイルまでも変えてしまったことへの貢献は大きかったことも事実です。
AppleやGoogleは、スマートフォンの領域を拡張し、タブレットの領域まで広げてきました。
これに対しMicrosoftは、Windowsをタブレットの領域にまで広げ、PCからタブレットまでの領域を一貫したプラットフォームで対応しようとしています。
Microsoftは、既存PC領域での強みを活かしたアプローチとなり、タブレット以上をWindowsベースで統合する意味は大きいはずです。
- ・Windowsがこれまで培ってきた、リッチなメディア機能、ネットワーク機能、グラフィックス機能、セキュリティ機能などを、タブレット領域に引き継げる。
- ・サーバやクラウドで構築されたソリューションやアプリケーション開発基盤を流用できる。
- ・さらにMicrosoftクラウドとの連携により、様々なサービスや管理が可能になる。
例えば、Windows8のオプション機能として、起動時のログインでWindows Live IDが使え、設定の多くがMicrosoftクラウドに保存され、ユーザーはWindows8を搭載するPCやタブレットで常に同じ環境を利用できるようになる。
これは、複数の端末を利用している場合や1台のPCを複数のユーザーで利用している場合に便利であるし、企業のIT管理者は従業員が同期できる項目をグループポリシーで管理できる。
構想は楽しみだとしても、PCとタブレット領域とのビジネスモデルなどの違いから構想実現の可能性には未だ疑問(課題)もあり、結果的にPC版とタブレット版の2系統のOSが生まれてしまう可能性もあるかもしれません。
そして、PC領域での戦いと今回のタブレット領域での違いは、Apple(iOS)のブランドが確立されていることやGoogle(Andoroid)の存在もあります。
Windows8投入予想の来年末(2012年末)以降の数年間で形勢が見えてくるとは思いますが、市場動向の変化に注目していきたいと思います。
各社発表の出荷台数(2011年は予想)
IDC(2011年3月発表、全世界)
2010年 2011年(予想)
スマートフォン:3億 340万台 4億5,000万台
タブレット : 1,700万台 4,460万台
PC :3億4,700万台 3億5,690万台
Gartner(2011年4月発表、2011年の全世界予想)
タブレット : 6,978万台(2010年比396.3%増)
PC :3億8,780万台(2010年比 10.5%増)
㈱矢野経済研究所(2010年)
全世界 国内
スマートフォン:2億9,593万6,000台 850万8,000台
タブレット : 2,025万5,000台 96万6,000台
【参考】
タブレットPCの動向 ≫ タブレット領域への展開 AppleとMicrosoftの違い
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