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現地時間の2月14日、米Cisco Systemsが2011~2016年の世界のIPトラフィック増加予測「Visual Networking Index Forecast」を発表しました。
この調査は毎年発表されており、Cisco独自の予測に加え、他の調査機関のIDCやGartnerをはじめ14社のデータを基に作成しているようです。
レポートでは、デバイスの多様化やデバイスあたりの平均トラフィックの増加、モバイルビデオの増加やモバイルクラウドの採用、4Gを含めたネットワーク速度の高速化、Appleに対するAndroidのリード、IPv6対応のモバイルデバイスなど、10のトレンドを挙げて、その動向を予測しています。
このレポートで予測されているモバイルデータサービスは、現在より増して消費者の生活に不可欠な存在となってきます。
それらのサービスは、現在の先進国から新興国へと拡大するとともに、企業から消費者まで広く使用され、大量の情報を高速で、固定と移動の区別なく利用することができるようになります。
また、その中で新たなビジネスも生まれてくると考えられます。
そのためには、
- ・ネットワークの帯域幅やインフラの整備
- ・大量データを高速かつリアルタイムに処理できるクラウドセンターや端末機などのハードウェア開発
- ・消費者が安心して利用できる良質なアプリケーションやコンテンツ、サービス提供
など、多くの国や企業個々の取り組みに加え、それぞれがグローバル単位で協力と連携することが必要となります。
レポートで予測されていること全て現実するかわかりませんが、未来に期待しています。
各トレンドでは、急成長することを予測していますが、その要因として以下の5つを挙げています。
1.コンテンツ配信の増加
2.モバイル接続の増加
3.モバイル端末性能の向上
4.モバイルネットワークの高速化
5.動画消費の増加
このレポートによると、2016年には、
- ・年間のトラフィックが130エクサバイト(EB)、月平均10.8EB、2011年の18倍
8%の複合年間成長率(CAGR)で成長 1EB=1,000,000,000GB
- ・モバイル接続する端末が100億台、73億人[端末間接続(M2M)を含む]
- ・地域別トラフィックでは、アジア太平洋が全体の40%で月平均4.3EB(84%CAGR)
西ヨーロッパ同22%で2.4EB(83%CAGR)、北アメリカ同18%で1.9EB(75%CAGR)
最もCAGRが高いのは、104%の中東とアフリカで0.6EB(全体の5.8%)
なお中国が、全体の10%以上を占める(2011年は5%未満)
デバイスでは、スマートフォンが月平均5.2EBで全体の50%(120%CAGR)
- ・タブレットは1.0EBで全体の10%(CAGRは130%と最も高い)、2011年の62倍
- ・モバイル端末の性能が向上することで、生成/消費できるコンテンツ量も増加
コンテンツでは、
- ・全トラフィックの70%がビデオで月平均7.6EB、2011年の25倍に増加(90%CAGR)
M2MのCAGRは86%と次に高いが、全トラフィックの4.7%で0.5EB
- ・M2Mの例:車載GPSシステムやデジタル広告の更新、様々な機器同士で制御データを無線経由で行うのに使われる端末
ネットワーク接続速度は、2011年の9倍に増加
- ・平均的携帯電話ネットワーク接続速度 2011年:189kbps ⇒ 2016年:2,900Kbps
- ・4G接続が6%(非4Gの平均9倍以上)、総トラフィックの36%
- ・全デバイスの39%は、潜在的にIPv6のネットワークに接続(40億以上がIPv6対応)
参考
Cisco Systems,『Visual Networking Index Forecast』,2012年2月14日
Cisco Visual Networking Index: Global Mobile Data Traffic Forecast Update, 2011-2016
ITmediaニュース
,『世界のモバイルトラフィック、2016年には130エクサバイトに』,2012年2月15日
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