書籍 ニッポンのIT その未来

このページ内の目次

ニッポンのIT その未来

浜口 友一(著)
出版社:日本経済新聞出版社

詳しくはこちら

 

社会、マーケット、ビジネスモデル、ユーザー企業、IT産業はどう変わる?
「IT力」が企業力に直結する。

クラウド、SOA、電子書籍
トレンドの根底にあるシステムの進化、サービスモデル変革の本質がわかる。

2003年より2007年まで代表取締役社長を務め、現在は株式会社NTTデータ相談役、社団法人情報サービス産業協会会長として、政府のIT政策関連の委員会にも数多く参加されている著者が、

  • ・日本のIT企業はどこに強みを見つけ、生き残りを図ればいいのか。
  • ・クライアント側は、変化するITをどう使いこなせばいいのか。

を解説した一冊です。

最新IT動向を紹介し、欧米発のITサービスの脅威に警告を発しながら、交通及び小売や金融業などの「世界に誇れる日本のサービス(仕組み)」を生み出しているのも日本のITであることを指摘し、提供するIT企業と利用するユーザー企業の今後の方向性を考える参考になります。

多少のIT用語はありますが、むしろ企業や国レベルの視点で記述されているので一般の方にも読みやすくなっていますが、IT業界の専門的な動向を知りたい方には物足りないかもしれません。

  • ・考えるべきことはテクノロジーではなく、カスタマー・サティスファクション
  • ・テクノロジーはあくまでも手段であり、それをマネジメントする立場の人間は、真の目的である顧客満足を中心に考えなければならない

と指摘し、日本のIT企業の取組み姿勢について、欧米と比較しながら分かりやすく解説されています。

 

ITといえば米国と比較されがちですが、日本はむしろ欧州を参考にすべきとしている著者の意見も納得できるところもありました。

  • ・米国IT企業はローコストを目指しているが、欧州IT企業はスマートを目指している。
  • ・日本のIT企業にとって、米国IT企業はパートナーであり脅威でもある。
    欧州のIT企業にとって、米国IT企業は脅威ではあるが弱点もある。
    弱点とは、欧州の様に国ごとに異なる仕組み結合しているマーケットには弱い

日本人の持つ「もてなし」「こだわり」の精神に基づく「強み」をいかにサービスを軸とした視点でITに効率的よくマネジメントするか、そして国際的に競争力あるレベルに持っていくか。

ITに関わるリーダーシップを社会全体で強めていくことが、これから起きる新たなIT革命を通じて日本社会が成長していけるかどうかの重要なカギになる。

IT側の人間として、あえて厳しい目で見ると
今やグローバルで展開している欧米のIT企業は「元気いっぱいの青年」で、日本のIT企業は「一時期の活躍を終えた壮年」に思えてなりません。

本書で提言されている

  • ・変革を喚起する需要をつくり出す。
    そのために必要なサービスやビジネスモデルから考える発想を持つ。
  • ・グローバルな観点から見つめ直し、「モノ」にとどまらない日本発の「仕組み」をつくり、世界に日本の素晴らしさを伝える。

 

総論としては理解できますが、日々の個々のビジネスで奮闘している日本のIT企業一社で実現できるのか疑問も残ります。

そして、その指摘は
「若い世代の皆さんに、変革をマネジメントする気概を培ってもらいたいのです」
から始まっています。

この「若い世代の皆さん」は、誰を指しているのでしょうか?
著者からすると、日本のIT企業のトップも「若い世代」なのかもしれませんが、欧米のトップや企業風土とは少しギャップがありそうです。

日本のIT企業発展のためには、IT企業のトップから一般社員に至るまで、さらにITを利用するユーザ企業(個人)も含め、大きな変革が必要ではないかと私は考えます。

 

プロローグ キンドルという黒船

第1章 クラウド・コンピューティングのインパクト
    -「所有」から「利用」への潮流

第2章 欧州企業のIT戦略 -グローバル企業で起きている変化

第3章 日本は潮流に乗ることができるのか -ITをうまく活用できない日本

第4章 「モノづくり」から「仕組みづくり」へ -ITが示す日本の針路

第5章 戦略の実現につながるIT -ユーザーとIT企業との協働のあり方

第6章 アナログとデジタルを結ぶために -ITを担う人を育てる

第7章 ITが生み出す新しいモデルを世界へ -日本IT産業の使命と未来

 

 

トップに戻る

関連記事

前へ

ワールドカップ出場チームのユニフォーム、プーマとアディダスのスポンサー数を前回と比較

次へ

2010年度4~6月期 国内電機8社の決算、富士通とNECの比較

Page Top